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中世イタリアのキリスト教世界が舞台のミステリ

きのう地元の本屋さんで買った本について呟きました
読み終わったら感想をちゃんと書こうと思っていました。
しかし、しかし・・
まだほんの80ページほどしか進んでいないのに
いろんな思考や感情がどーっと湧いてきて、ちょっとづつしか進めないので、すこしnoteに書き出しておこうと思います

平積みになっていた新刊の文庫本は、
川添愛と言う人の「聖者のかけら」という小説。
中世イタリアを舞台とした、歴史ミステリです。

帯に「聖フランチェスコの遺体が消失」と書かれていて
え!!と驚き、真っ先に思ったのは
「安っぽいミステリーにフランチェスコとアッシジを引っ張り出したら怒る!」ということでした。

主人公は、修道院からほとんど外に出たことがないベネディクト修道会の修道士。
彼は院長のいいつけで初めて外に出かけていくことになるのだけど、
修道院のなかでひたすら戒律を守ることが救われる道だと思っている彼は、使いに出されることに怒りや戸惑い、自己卑下のようなものを感じます。
彼の思考や感情を読んでいると思わずツッコミたくなるというか、
フラワーエッセンス飲んどけ!!と思ってしまいます。
(小説の主人公にフラワーエッセンスを飲ませたくなるのは初めて)

私はフランチェスコ会以外の修道会についてよく知りませんが
6世紀にヌルシアのベネディクトという人が創設したベネディクト修道会は、カトリック教会最古の修道会だそうです。
主人公は、その聖人と同じ名のベネディクト。

聖フランチェスコがおこしたフランチェスコ会や
聖ドミニコがおこしたドミニコ会は托鉢たくはつ修道会で、
施しを受けます。
でも、ベネディクト会に所属するベネディクトは、
ほどこしについて嫌悪感を抱いているのです。
その視点で見たことがなかったので、これは軽い衝撃でした。

読んでいると自分の中からものすごくいろんな感情が出てきます。
それだけ中世イタリアの修道士や修道会のことが、ちゃんと描かれているのかもしれません。

まだほんの最初で、これからアッシジに向かうようなんだけど、
聖フランチェスコの仲間だった人達がまだ生きていて登場するようなので、どんな描かれ方をしているのかも気になります。

著者は、本格的な小説を書くのはこれが初めてだそうで、
言語学や情報科学をテーマにした著作はたくさんあるよう。
なぜこのテーマを選んだのかも興味があります。

「日本人が書いたとは驚き」という書評がありますが
確かに翻訳ものっぽくて、
中世ヨーロッパに興味がない人には、ややとっつきにくいかもしれません。
でもミステリーなので、入ってしまえばどっぷりかも・・?

ということで、読書に戻りたいと思います。

*表紙をよーく見たら、奥に描かれているのは
アッシジの聖フランチェスコ大聖堂でした。

アッシジと聖フランチェスコについては、以前書き散らしております。


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