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説明と感性が大事な話

『めちゃイケ』終了から丸一年。総監督として22年間、番組を仕切ってきた片岡飛鳥氏のロングインタビューが公開されました。
(#1〜3まで 残りは4/6公開予定)

個人的には"番組終了を告げるシーン"から最終回に至るまでのいきさつが克明に語られていて、番組がいつ終わっても仕方ない状況の中、どうもがき苦しんだかが伝わってきます。

そして、片岡さんが演出家における"二人の師匠の教え"について語っているのですが、これがとても良いです。一部抜粋します。

三宅さんは、手取り足取り教えてくれるタイプではなかったですけど、「演出家、ディレクターになるためには物事をすべて自分の言葉で説明できるようになりなさい」と言われたことが、今の自分に大きく影響していると思います。(中略)演出家というものはスタッフ、タレントを引き連れて進むときに、言葉足らずじゃダメで、みんなが理解できるように言葉を尽くして説明するのが仕事。「わかんない」と言う演出家にはみんなついて行きたがらない。プロとしてすべてを説明できる人になりなさい、との教えだと自分なりに理解しています。
(星野さんは)「編集は直感を信じてやりなさい」と。要は、収録を終えたあとで山のような素材と向き合って、何回も何回もその素材を繰り返し見ていると何が面白いのかだんだんわからなくなって、編集した結果、「こんなもん、作りたかったんだっけ?」みたいなものが出来上がるのが“若手ディレクターあるある”なんですよ。若いときほど自分の感性に自信がないから、そういうことに陥りがちで。星野さんの言いたいことは「収録現場で何を見て笑っていたのか?」ってことかと。(中略)「直感で笑ったことがすべてなんだ」と。
加えて星野さんは「編集で何とかしようというのは一番ダメなディレクター。そもそもプロなんだからつまらないものを撮ってきちゃいけないんだよ」と。(中略)だから編集に時間をかけるんじゃなくて、収録に行く前に時間をかけなさいと。事前のあらゆるコミュニケーションもうまくいって、準備もうまくいって、収録がうまくいったら、あとは面白く撮れたものを編集するだけというのが星野さんの考え方。
裏返せば、いい加減なものの作り方をしていると、しょうもない素材が残ってつまらないと思いながら編集でゴマかすという地獄のシークエンス(笑)になるということだと思います。

バラエティ番組に限らず、ビジネスも、モノ作りも、根底は「自分の感性」を大事にし、それを巻き込むすべての人間に説明し、理解させること。

あらゆるクリテイティブはそれまで存在しなかったモノを生み出す行為。だからまず説明する必要がある。場合によってはそれが苦痛だったり、めんどくさいこともあるけど。

言葉で説明するのが苦手だったら、例えばブログでも良いし、絵でも良い。なんらかの形で頭に思い描いたことを表現しないと進まない。どうしても説明することが苦手であったら、説明が得意な人が必要かもしれない。


ところで、この記事のサムネイルですが、これはどういう意図で撮られた写真なんでしょうか。「説明」で検索して「説明が難しい写真」と書かれていたので使ってみましたが、確かに説明できません。

この写真が説明できるようになるまで、精進せねばいけません。

ではまた。

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