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「迷子のコピーライター」から学んだ、広告の"距離感"の話

カナイです。

今回はこちらの本をご紹介します。

ユーラシア大陸横断、就職、病気、挫折、出会い、別れ……。コピーライターという枠を超え、人生の迷子になった著者が、あらゆる違和感と向き合った末にたどり着いた〝ある想い″。
商店街のユニークなポスターを制作し、町おこしにつなげる『商店街ポスター展』で注目の著者が、プロジェクトを手掛けるまでの悩みや葛藤、そしてその人生を自身の言葉でユーモラスに綴る。「新たな一歩を踏み出そう」とする、すべての人に贈る一冊。

日下慶太
コピーライター・写真家。1976年大阪生まれ。電通に入社。商店街のユニークなポスターを制作し町おこしにつなげる「商店街ポスター展」の仕掛け人。コピーライターとして勤務する傍ら、写真家、セルフ祭顧問、UFOを呼ぶためのバンド「エンバーン」のリーダーとして活動している。佐治敬三賞、グッドデザイン賞、東京コピーライターズクラブ最高新人賞、朝日広告賞、ゆきのまち幻想文学賞他多数。

広告クリエイターの本でも割と泥臭い内容が書かれています。なぜ広告をするのか、なぜ生きるのか…。それが表現や活動と結びついていく。東京ではなく関西が舞台ということで、クリエイティブの最前線からも一歩引いた視点で書かれていて、いろいろしみじみとしましたね。(自分も大阪出身なので…故郷に錦を…みたいな思いはあります)

紹介したいところはいろいろあるんですが、特に全クリエイターに共有したいのが、関西で研修を受けた際に、先輩から教わったというこの広告論。

・広告は永遠の邪魔者。誰も見たくはない。
・すべての企画はシンプルに。ワンビジュアル&ワンコピー。
・難しい顔をしていても企画は浮かばん。楽しくやれ。
・商品の自慢をするな。
・理屈はあかん、感性で考えろ。
・新しいものは誰もわからん。珍しいことをやれ。
・正しいものはつまらん。
・不真面目なことを真面目にやれ。

関西ノリもありますが、広告は誰も見たくないという視点はすごく本質的だと思います。広告が上から目線では相手にされないし。

日下さんがプロデュースした『商店街ポスター展』の中でも、この広告が一番好きなんですよ。閉店するのに広告を作ってしまうという。しかもこの自虐っぷりがいいですね。こういうちょっと立ち止まらせてしまう距離感が。

もちろん、相手との信頼が成り立ってこういう表現が許せるわけですが。

こういう邪魔にならない、けど目に入ってしまう、ような距離感のコンテンツを作っていきたいなと思いますね。

Buzzfeedのこの記事の図もわかりやすいですね。

ではまた。

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