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昼間っからうまいワインにうまいビンダルー

神戸の中心、三宮から神戸にかけてJRの高架下には個性的な店がひしめく。

シャッターを下ろしたままの店もずいぶん増えてしまったが、それでも三宮近辺は明るい雰囲気のファッションストリート。
しかし神戸に近づくほどに通路が暗くなり、店のディープさも増す。
最後にはもうどこでいつ仕入れたのか分からないような古いビデオデッキや動かないPCなどを積んでいる店が並び、子供の頃は歩くのが怖かった。

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高架下を三宮側からおよそ5分、まだ明るいゾーンに〈COMET〉(コメット)というカレーが人気の店がある。
元々ナチュールワインの店だったそうだが、途中から加わったスパイスカレーがうまい。

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カウンター6席だけの小さな店。

ワインで迷っていると、オススメを3本出して説明してくれた。
ワインは大好きだが全然詳しくなく、残念ながら理解できなかった。

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その3本でさらに迷っていると、全部入れてみます?と、一つをメインに、あとの二つをテイスティング用に入れてくれた。
お姉さん、なんとお優しい…
そしてワイン、なんとおいしい…

店内から外を写すと、通路ある?というくらい、向かいの店が間近に迫る。

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これぞ、ザ・高架下だ。

ワインをチビチビやっていると、カレーが出てきた。

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カレーといったが、正しくは〈ポークビンダルー〉。
ビンダルーとは、ワインビネガーに漬け込んだ肉を煮込むポルトガル料理が、インドに伝わりカレーに姿を変えたものだ。
辛みより酸味が勝っていて、個人的にはとても好み。
歯ごたえある豚肉からも甘みがじんわり染み出す。

コメはインドの長粒種・バスマティライス。
パラッパラでビンダルーにはやっぱりこれがよい。

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先の尖ったスプーンは特注らしいが、皿に少し残った米粒をすくい取るのにとてもよく、うちに一揃えほしいくらい。

途中入ってきた2組3名はいずれも常連客。
常連の多い店は疎外感を味わうことも多く、実はあまり得意ではない。
でもこの店わずか6席だから、3名入った時点でほぼ満席、皆が近い。
常連と店の人が盛り上がっても、いっしょに笑えたりして、自分もその輪に入っているような感覚が楽しい。

昼間っからうまいワインにうまいビンダルー。
満足で店をあとにした。
外から店を撮ろうとしたが、通路が狭すぎて向かいの店に入らないと撮れそうになく断念、少し離れて撮った。

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離れすぎたようだ。
店は赤矢印の場所にあるが、さっぱり分からない。

朝9時から(日によっては8時から)ワインが飲めるという。
週末は夜もやってるそうで、全然違うメニューなのでまた来てくださいねと言われ、かくして常連が増えていくのだと思った。

(2022/4/21記)

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