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神戸の半日が意味ある時間だったことを心から願っている

昨日、noterのささきひろこさんが神戸にご来訪。
ひろこさんといえば僕の中では即座に「上質な暮らしを満喫されている方」というイメージが広がる。

プロフィールに「レシピクリエイター」とあるように、数々のとびきりなスイーツを自作してはnoteに投稿されていて、それがまたなんだか白くてすがすがしいイメージの写真ばかりなのだ。
どこのスタジオで?と思うが、全部自宅というからまた驚き。
とうてい真似できないひろこさんのnoteに、いつも僕はただあんぐりと口を開けるだけだ。

そのひろこさんから1本のメールが舞い込んだのは8月半ばのことだった。
大阪へ行く用事があるので、もし都合が合うようなら神戸めぐりのアテンドをお願いできないか、というメールだった。
しかも「アテンド代をお支払いたします」と。
僕を神戸めぐりのガイドとして認め、声をかけてくれたのだ。

僕はnoteメンバーシップで〈神戸おでかけコース〉を主宰し、noterさんたちと神戸の街を歩き、食べるという会をこれまでに何度か開いてきた。
今月末にも兵庫津・兵庫運河をめぐる会を予定しているし、今後もぜひ頻繁に開催したいと考えている。

またその一方で、僕が日程を決めるのではなく、リクエストに応じて神戸を案内することも今後進めていきたいとずっと考えてきた。
神戸に行ってみたい、神戸を知りたいという方に、僕の知る神戸を丁寧に伝えたいと思って。
今回ひろこさんからまさにそんなリクエストをいただき、あまりに絶妙すぎるタイミングに驚きつつ、お引き受けすることを決めた。

事前に選んでもらった店を組み入れたコースをあれこれ考え、そして昨日、ひろこさんを神戸に迎えた。


■ FREUNDLIEB(フロインドリーブ)

神戸を代表するベーカリーカフェ。
第1次大戦で日本の捕虜となったハインリッヒ・フロインドリーブが1924年神戸に店を開いて、ドイツパンを日本に広めた。
国の登録有形文化財・旧ユニオン教会を改装して営業中。

およそ50年後には、フィリップ・ビゴが同じく神戸を拠点にフランスパンを日本に広めたように、神戸は世界のパンにあふれているのだ。

旧礼拝堂を利用したカフェは、その天井の高さに心が洗われる。

ランチタイムは1時間待ちにもなるため、待ち合わせ後すぐに訪れ、モーニングサンドをオーダー。

軽くトーストされたサンドイッチは存在感のある具材をしっかり包み込み、たまらなくうまい。
添えられたピクルスの浸かり具合も絶品だ。

フリーランスの大先輩であるひろこさんの活動に興味津々。
でもここではまず自分から、キャリコンとは的な話をたくさん。
そして僕がこれからどうしていこうと考えているか語った。


■ 散策

雑貨がお好きと聞いていたので、ハンドメイドの小さなクラフトショップが集まる乙仲地区やトアウエストへ。
ひとたび店に入るとひろこさんは豹変(?)、熱心に一点一点クラフトを見て回り、そこかしこでお買い物。
こんなことだからミニマリストになれなくて、と笑うひろこさん。

ぐるっと神戸をめぐる中で、気がつけば神様めぐりもしていた。

神戸の名の元となった〈生田神社〉
日本最古の回教寺院〈神戸ムスリムモスク〉
中の礼拝場の見学は男女で分けられる
関西唯一のユダヤ教寺院〈関西シナゴーグ〉
ムスリムモスクと目と鼻の先だが、ここに争いはない

このほか、不殺生のジャイナ教寺院〈バグワン・マハビールスワミ・ジェイン寺院〉や、北野の名の元になった〈北野天満神社〉などもめぐり、多くの海外コミュニティが存在する北野エリアの“八百万神”を巡拝。


■ にしむら珈琲 北野坂店

1948年創業の神戸を代表する老舗喫茶店。
灘の酒を支える西宮〈宮水〉で淹れるコーヒーはまろやかな味わい。

いくつかある店舗のうち、特徴的な北野坂店へ。
ここは日本初の会員制喫茶として長らく限られた賓客のみ受け入れていたが、震災後一般に開放され、今では誰でも特別な空間を楽しめる。

店内には明らかに外と異なる時間が流れている。

オーダーしたのはホットカクテル〈アイリッシュコーヒー〉。
スタッフが客席で実演してくれる。
アイリッシュウイスキーをアルコールランプで加熱。

加熱を終えてもグラスには青い焔がメラメラ。

苦みのきいたコーヒーを注ぎ、甘い生クリームを載せてできあがり。

いやぁこれがうまいのなんのって。
甘み、苦み、そして口鼻に広がるウイスキーの芳醇な香り。
こんな贅沢なコーヒー、初めて出会った。

そして、ひろこさんの話。
これまでの経緯、今やっていること、次への思い。
安定のシンプルライフを満喫されているのだと勝手に考えていたが、現状に満足することなく自らの理想を追い求める姿に大いに感じ入る。
穏やかな語り口の中に秘めたる強い思いを感じずにはいられない。
日々くじけそうになる僕も、やっぱり前を向こうの思いを新たにした。

指名を受けて務めたアテンドの重責は果たせただろうか。
神戸のファンになってほしいとまでは言わない。
ひろこさんの中で、神戸の半日が意味ある時間だったことを心から願っている。

神戸アテンドを今後の僕の活動の一つに加えよう。

神戸行ってみたかったんよ、どうせならちょっと楽しい解説つきがいいなという方、ご相談ください。
歴史、観光、自然、スイーツ、お酒、グルメなど、どんなご要望にも応じ、いっしょにめぐるカスタムメイドの神戸旅をご用意します。
もちろんアテンド代はいただきますが。

神戸という場を借り、僕は残りの人生をさらに価値あるものにする。

(2023/10/17記)

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