【No.1170】先攻後攻いんけんしゅ

営業成績アップに向けて、上司にダメ出ししてもらいました。アドバイスとしては、「後手に回りすぎている」ということでした。


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僕は学習塾の、先生と同時に営業マンとして働いています。日々の業務では、生徒たちの学習スタイルやペースに合わせた指導を心掛けていますが、ときにこちらが引っぱる必要があります。この原則は営業にも同じように当てはまります。


相手のニーズや要望を先回りして、相手がまだ気づいてもいない要望を察知し提案することは重要ですが、そういう高度な営業よりまず、単純にスピードが大切だということを理解しました。


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早い提案は、顧客の関心を引くだけでなく、競合他者より一歩先を行くことを可能にします。


「競合」といってもいろいろあります。僕の場合は、他塾はもちろん、学校の補習授業や部活、家族旅行、帰省、友達との遊び、最近だと、ゲーム上のイベントなんかもそうでしょう。


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例えば、この冬休みの授業スケジュール。最初にこちらから予定を提案し、確定してしまえば、うちの授業を最優先にしてもらえます。


後手に後手に回れば回るほど、生徒や家族も予定を入れていき、結局どこで授業しようかと調整が難しくなります。


そもそも勉強なんて、だれもしたくないですしね。優先度が低いのに、後手に回るほど、相手の中での優先度が下がり、断られたり、日程変更を依頼されたりするようになります。百害あって一利なし。


特に僕が勤める学習塾はマンツーマンの個別指導塾です。先生側からも予定を合わせてほしいと思われやすいです。


時間が決まってしまっている学校や集団塾の授業が決まってくると、再調整を依頼されることもありますが、お客さんの心理的にも断ることはしづらいので、最初に授業スケジュールを組んでしまうのが吉です。


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この「先手必勝」の戦略は、生徒たちにも応用できると考えています。受験勉強や学習計画では、計画的に早めに取り組むことが成功への鍵です。僕が日々教えているように、生徒たちも自分たちの学習において先手を打つことで、大きな成果を得ることができるのです。


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例えば、小6の3学期。あとは卒業するだけだとダラダラやっていると中学1年の最初のテストで惨敗する可能性が高まります。


すると、やる気が削がれ、そっからズルズル。その後成績を何とかするのが難しくなるケースが多いです。


勉強では負けず嫌いが発動しづらい上に、最近の子、という言葉も不適切ですが、やっぱり競争に負けたくないという気持ちが弱い感じがします。


だから、小6の3学期、せめて春休みにも、少しでも勉強して、最初のテストでいい点数を通ると、調子に乗って、成績も好調になるパターンが多いです。早仕掛けが吉です。


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受験においても、最近は「総合選抜型」というのが流行っています。推薦入試のようなもので、これまではAO試験と呼ばれてもいますが、一発テストの点数ではなく、小論文と面接などで合格が決まる入試です。


これらは高校3年でどんな成果を残したかをアピールすることになるため、やっぱり早仕掛けが必要です。総合選抜(旧AO)での合格を目指したいなら、高1のタイミングから、戦略的に課外活動を進めていくと強いです。


就活の早期化のように、受験でも早期化が進んでいます。


早期化の善し悪しはここでは議論しませんが、とにかく、早く仕掛ける人が増えてきています。そんななかで後手に回ると負けやすいのは事実です。


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営業の世界と受験の世界は異なるかもしれませんが、どちらも将来への見通しと速さが鍵を握っています。皆さんがどのような分野で働いていようと、この「先手必勝」は、成果を出す原則トップスリーに食い込む重要な原則なのだと思います。


成果は待っているものではなく、追い求めるものです。僕たちは常に一歩先を行くために努力を続けなければなりません。それが、自分自身、そして周りの人々にとって最良の結果をもたらす道だと信じています。


ということで、「優柔不断は誤った決定よりなお悪い」という言葉を胸に、先手必勝。


今日も1日、先延ばしにしていたアレコレを片付けていきましょう!

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