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日本国と西洋の「神様の捉え方」のちがいとは?【上巻】⑴天地初発ー日本最古の歴史書『古事記』②ー

こんばんは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回は、

「日本人のための『和の国・古典文学』講座」という主題のもと

『古事記』の中にある

「天地初発」(上巻)を紐解くことで、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



日本国と西洋の「神様の捉え方」のちがいとは?
【上巻】⑴ 天地初発
ー日本最古の歴史書『古事記』②ー
【今日の内容】

1)『古事記』はどのように読むの?
2)「天地の成り立ち」大自然が生み出した神々
3)「神様の数え方」って?神々の名前の意味とは?



1)『古事記』はどのように読むの?



前回の記事では、

なぜ、いま『古事記』なのか?

『古事記』とは何か?

『日本書紀』との違いは何か?

「神話」とは何か?

についてお話してきました。


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『古事記』とは、「日本建国」の書


です。


そして、

その構成としては


「上巻」は、『天地創造から初代・神武天皇の誕生まで』(神代の物語)
「中巻」
は、『初代・神武天皇から第15代・応神天皇まで』(神と人の代の物語)
「下巻」
は、『第16代・仁徳天皇から第33代・推古天皇まで』(人の代の物語)


についてそれぞれ書かれています。


つまり。


『古事記』とは、

日本はどうやってできたのか?

日本人とは何なのか?

天皇はなぜ天皇なのか?


そのような私たち日本人にとって根本になることを

しっかりと後世に伝えたい!


というものであり、


これが『古事記』編纂の目的としてありました。



これからの流れとして、

まずは、「上巻」についてお話をします。


【上巻】~神代の物語~
⑴天地初発
⑵ 国生み・神生み
⑶ 黄泉の国
⑷ 天の石屋戸
⑸ ヤマタノオロチ退治
⑹ 大国主神の国づくり(因幡の白兎)
⑺ 出雲の国譲り
⑻ 天孫降臨
⑼ 海幸彦と山幸彦
⑽ 初代・神武天皇の即位


「上巻」はこのような構成でつくられています。


今回の記事では、


⑴ 天地初発


のお話をしていきたいと思うのですが、



最初に『古事記』の読み方をお話しします。



まず、『古事記』には、

本当に様々な神様が登場するのですが、

本名は省略してお話していきます。


『古事記』は、日本人に向けて書いたものです。

当時は、まだ奈良時代。

「ひらがな」や「カタカナ」はまだ誕生していませんでした。

そのため、すべて「万葉仮名」で書かれています。


例えば、


天孫降臨で

地上世界に降りてきた

天照大御神の孫である邇邇芸命(ニニギノミコト)の本名は、


「天邇岐志国邇岐志天津日高日子番能邇邇芸命」
(アメニキシクニ二キシアマツヒコヒコホノニニギノミコト)


と言います。


かなり長いですよね(笑)


『古事記』には、このような神様のお名前がたくさん登場します。


すべて、本名で書くことは難しいので、

「ニニギノミコト」のようにカタカナ表記で

お話していきたいと思います。


また、


『古事記』を読み解くコツ

があります。


それは、


神様や人の名前が出てきたときは、
基本的に「スルー」する


ということです(笑)


『古事記』には、全部で700~800の神様が

登場します。

しかも、その9割は一度しか登場しない神様ばかり。。。


そのため、

今回、『古事記』をお話していく際にも、

主要な神様に限り、取り上げていくこととします。


また、

『古事記』の特徴の一つに、


「必要なことしか書いていない」


ということがあります。


『古事記』には、

日本列島のこと以外は基本的に書いていません。


そもそも「人間」とは何か?

人間がどのように出現したのか?

ということは書かれていないんです。


とにかく、

「日本国」はどのようにできたのか?

「天皇」とは何か?

ということに焦点を当てて書かれています。


だからこそ。


『古事記』を学ぶ目的は、
「これが正しい!」というような規範になるものではなく、
「日本国建国」について学ぶ


ということが大切なのです。


それでは、

始めていきましょう!




2)「天地の成り立ち」大自然が生み出した神々



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編纂者である太安万侶をはじめとする官僚も

どこから書き始めるのか、

非常に悩んだと思うんです。


初代・神武天皇のご即位(日本国の建国)から始めるか。

天孫降臨から書くのか。

出雲の国譲りから書くのか。

悩みに悩んで、

途中からではなく、

日本国が誕生するところから書くことにしました。




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まず、

「西洋」との大きな考え方の違いとして、

「天地の成り立ち」があります。


『旧約聖書』では、

神様がまず先に存在していて、

その後に神様が天地を想像するという流れです。


ところが、

『古事記』では、逆です。


世界が最初にあるんです。

そして、後から、神様が現れます。


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『古事記』では、

おそらく、大自然のエネルギーか何かしらの大きな力によって

神様をポッと出現させたのでしょうね。


「神様」が先か。

「宇宙」が先か。


この違いは非常に大きいですよね!


また、

西洋の場合は、

「神」とは、唯一絶対の存在。

そして、天地、宇宙の創造主です。


それに対して、

『古事記』では、

大宇宙があって、後から神様が生まれました。


西洋では、全知全能と言う存在が「神」ですが、


『古事記』では、


「神」とは不完全な存在


として描かれています。


そのため、

神様でも、勘違いをしたり、恨んだり、嫉妬したり、いじけたり。。。

いろいろな感情をむき出しにする様子が描かれているんです!


なんだか「人間味」があって面白いですよね!




3)「神様の数え方」って?神々の名前の意味とは?



みなさんは、「神様の数え方」を知っていますか?



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人間や動物を数えるときに、

「人」や「匹」を使うように、


神様を数えるときには「柱」


を使います。



では、なぜ神様の数え方として「柱」を使うのでしょうか?



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これは、

木や柱、杭や串を「神様が宿るもの」として敬い

あがめていたからだと言われています。



『古事記』の冒頭。


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「天地(あめつち)が初めて発(あらわ)れた時、高天原に成ったのは
『天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)』でした。


という文章から始まります。


『天之御中主神(アメノミナカヌシノカミ)』とは、
「天の中心」という意味です。


次に、


『高御産巣日神(タカミムスヒノカミ)』
『神御産巣日神(カミムスヒノカミ)』


が現れました。

この二柱は「命を生み出す力」を表しています。


次に、


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『宇摩志阿斯訶備比古遅神(ウマシアシカビヒコヂノカミ)』


という

「勢いよく成長する葦の草のように、勢いのある生命力」

表す神様と、


『天之常立神(アメノトコタチノカミ)』


という「天が永遠にある」という意味の神様が現れます。


この五柱(いつはしら)は、

「天の尊さ」を表している神様で、他の神様とは区別して考えられていました。


この五柱の神々を『別天神(ことあまつかみ)』


といいます。


そのあとに、


『国之常立神(クニノトコタチノカミ)』


という「国土がしっかりと揺るがない様子」を表した神と


『豊雲野神(トヨクモノノカミ)』


という「大地から雲をあおぎ見ることの素晴らしさ」を表した神が

現れます。



この五柱とその後の二柱は「独神(ひとりがみ)」といって

「男神」とか「女神」という区別はありませんでした。


このように、


天が現れ、

命を生み出すものが現れ、

最後に大地が現れましたが、

これらはすべて「高天原」という

簡単に言うと、神様の世界のお話です。


その後、

「男神」と「女神」からなる

五組の神々が現れますが、


一番最後に生まれた神々の名を、


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『伊弉諾神(イザナキノカミ)』
『伊邪那美神(イザナミノカミ)』


と言います。


そして、この二柱の神様によって

いよいよ日本国がつくられることになります。。。





日本国は、建国してから令和3年で、2681年。

『現存する世界最古の国家』です。


『古典文学』に触れると、

1000年以上もの間、

いろんな時代の日本人が

「きれいだな!」

「おもしろいな!」

「大切に伝えていきたいな!」

と感じたり、考えたりしてきたことが分かります。


国際情勢が混沌とする時代だからこそ、

まずは、大人であるわたしたちが

日本人の失いかけていた、日本人の一番大切な部分


『和の精神』


を取り戻して、一人一人が輝く。

大人が輝けば、子供が輝く。

子供が輝けば日本国の未来も輝く。


一緒に、『和の国・日本国』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。



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