Satoko N FUJIOKA

人と人の間に何を入れよう?に興味がある。長野県軽井沢町・診療所と大きな台所があるところ…

Satoko N FUJIOKA

人と人の間に何を入れよう?に興味がある。長野県軽井沢町・診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ 共同代表。変わりゆく髪型は自己表現。共著に『ケアとまちづくり、ときどきアート(2020中外医学社)』『社会的処方(2020学芸出版社)』。

マガジン

  • ポジティヴヘルス|”健康な状態”とは 自ら決めるもの

    「 ポジティヴヘルス 」オランダ・ヒューバー医師によって提唱された健康の概念。数値で判断し悪いところに薬を処方する従来の方法ではなく、内面に働きかけ、健康という枠に収まらず「何をしていることが自分にとって大切なのか?」を自ら主導し、他者との対話を通して、自らの健康とは何か?を見つけ出すプロセス。このマガジンでは、2019年、2024年の国内、オランダでの現地研修の様子、そして個人の考えをアーカイブしています。

  • 【全10回完結】人の流れを再構築する、小さな実践について

    人の流れはどのようにして新しく、懐かしく再構築できるのだろうか?その大きな問いに対して、小さな実践を綴ったこのマガジンは、2018年6月までの全10回完結。自身の生い立ちから有料老人ホームの立ち上げ・運営、デンマークへの留学、「長崎二丁目家庭科室」の運営などから、福祉の再構築=人の流れの最古地区という大きな問いへの小さな実践を残します。

  • 【全20回完結】福祉環境設計士/国内外の見聞きアーカイブ

    福祉環境を設計している人からみた、国内外を見聞きしたヒトモノコトの場面。このマガジンは2018年から2020年まで書き綴りました。ヘッダーは2017年、東京は豊島区。1000人以上が集った、「長崎二丁目家庭科室」の一コマ。

  • Sense of living. 暮らし方のセンスについて

    暮らす中で染み出してきた、少し長めの考え、気づきを文章にしています。写真は2024年、12年ぶりに町が雨氷に包まれた朝。

  • 思考を作り出す本たち

    人や人の心の動きの再構築を問い続ける、根っことなる本をアーカイブします。 ヘッダーは2015年、デンマーク・クローロップホイスコーレのライブラリーにて。

記事一覧

本となって語ること、それぞれのcommonを言葉にすること。JAPAN-INDIA TRANSFORMATIVE TECHNOLOGY NETWORK2024 #Day2

日本との時差はちょっとしたお得感もあるけど永遠に仕事しちゃうなと思い立つDay2。 今日は40人中6人が選ばれ、”本”となって語るいわゆるショートプレゼンテーション、関…

Satoko N FUJIOKA
22時間前
1

文化の紡ぎをどう捉えるか。JAPAN-INDIA TRANSFORMATIVE TECHNOLOGY NETWORK2024 #Day1

JAPAN-INDIA TRANSFORMATIVE TECHNOLOGY NETWORK、頭文字をとってJITTN。助成元の財団の本拠地であるオーストリア・ザルツブルグ、ホテルシュロスレオポルツクロンの宮殿と…

Satoko N FUJIOKA
22時間前
5

日本とインドの少し先の未来をつくる。JAPAN-INDIA TRANSFORMATIVE TECHNOLOGY NETWORK2024 #Day0

「もしかしたらあなたにフィットするかもしれないね」と言われたことは、まずはチャレンジすると決めて昨年から米日財団主催のリーダーシッププログラムに参加中の今。 JA…

5

米日リーダーシッププログラム。まるで甲子園スタンドのような熱量が続いた夏の一週間。2023.8.6

〇〇塾だとか〇〇卒の〇〇会だとかそうしたコミュニティに属したことがなく、いわゆる学歴とは派閥というやつに無縁の私にはなんだかそうしたものが違う世界のように感じて…

Satoko N FUJIOKA
9か月前
15

誰かに自分の時間を委ねる、という小さな勇気の重ね方は、ひとを優しくさせるのかも。なんていびきかきながら思っていた。2023.2…

子育てを始めて10年、3人の子育てをする時間はあっという間に過ぎ、それまでに何度となく海外に出たことはあっても、子ども連れだったり、仕事の予定がたっぷり入るなど、…

8

その人の生命の際(きわ)には、そのすべての瞬間において創造的なものが立ち上がるのだと思う。終えることで何かが始まっていく…

ケアの文化拠点として、軽井沢町のほっちのロッヂを運営している私自身が、生きるを終える場面に居合わせる機会は実はそう多くない。 そんな私にとって、2020年の1月に出会…

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6.「私たちは本来、心を踊らせて生きていきたいものでしょう?生きて老いるプロセスに寄せる心と行動を、1人1人が続けていく集合…

「老人ホームに老人しかいないって、変だと思う。」と話す私を、初めて真っ当に話を理解しようとし、満面の笑みを浮かべた人が、べにさんだった。 5年前の今日(2017.11.2…

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絡みつく何かと、あっけなく過ぎる日常のこと。 2022.11.13

最初に就職した会社の、同期が亡くなった。 打ち合わせ最中に通知がきていた。もしや、とよぎる。用事を終え急いで一報を聞くためいっとき車を路肩に停める。外は1度くら…

3

対象物を馬へずらすと、人はどんな顔つきになるだろう?この町で、必然性のある、人と人の間におく何かについて。

私が住む町では、夏のある時期からは草刈機をタスキ掛けのようにして抱えて左右に刃先を揺らしたり、秋の入り口ではミレーの落穂拾いさながら、朴葉を中腰で拾い続ける。 …

8

表現者が新しい表現を見つける舞台になれたことが嬉しい。 そしてそんなことがケアの現場で出来るんだという記録。交換留藝の今…

お寺という場に行くことと、グリーフケアという誰か大切な人を失った人に向けられた何かしらが苦手だった。私が得てしまった体験を普段は横においているつもりが、実はそれ…

9

うつ、と付き合った半年間。10年間の活動を経て、次へ動こうと決意できた記録 2020.12.29

12月24日、3時間半ほどかけて、人生で初めて、スタジオでポートレイト写真撮影をした。どうしても今年中に撮っておきたかった自分の顔。 今年の夏の初めに、動けなくなっ…

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5.「9歳の女の子の言動を通して、目に見えない権力の動きに注意を払い、時に痛快に笑い飛ばす」さわひろあや『アスリッドとピッ…

さわひろさんのnoteを通して、20代最後に訪れた、一度は永住を考えた国の両面に想いを馳せている。 公共図書館で司書として働いた経験があるさわひろさんが、ある女性につ…

8

4.「世の中にちょっぴり愉快な悪戯をしかけたい。」片桐はいり『もぎりよ今夜も有難う(幻冬舎 2014)』

自分を置いてきぼりにしがちな方だと思う。1人の人間として、1人の経営者として、1人の女性として、夫の妻として、3人の子の母親として、友の友人として、、ああ、役割が多…

3

3.「いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい。」岡 檀『生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある(講談社…

2020年8月から1ヶ月間、オレゴン州、ポートランド州立大学の教授主催のプログラムを受けている。ポートランド市の”全米で最も住みやすいまち”、といわれている由縁をプロ…

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2.「眼に見えない星雲の渦巻く虚空と、簪をさした蛇とは、私にとっては、自分の科学の母胎である。」中谷宇吉郎『中谷宇吉郎 雪…

この本は、東京で私に大いにインスピレーションを与えてくれた、Fさんから頂いた。何十冊もいただいた中に中谷さんの字を見つけたときの驚きと喜びたるや。実はその1ヶ月ほ…

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1.「マクロとミクロを同時に知覚できるような」梨木香歩『渡りの足跡(新潮社 2013)』

幼少期はゆうに200冊は越えるであろう絵本や児童書に囲まれて育った。新しい発見や知識を得る体験が好きだった。それは読書なのか、人から教わることなのか、手段は問わな…

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本となって語ること、それぞれのcommonを言葉にすること。JAPAN-INDIA TRANSFORMATIVE TECHNOLOGY NETWORK2024 #Day2

日本との時差はちょっとしたお得感もあるけど永遠に仕事しちゃうなと思い立つDay2。 今日は40人中6人が選ばれ、”本”となって語るいわゆるショートプレゼンテーション、関心領域の近い人で集まるランチ、ケーススタディセッション、さらに領域を狭めたテーマ別セッションがハイライトなDay2。仲もだいぶ深まってきた。今日もウンタースベルク山は最高。 私の本を聴きに、全3回のセッションで20名強が参加してくれ、それぞれにたくさんのコメントや日本のコンテクストを問う質問など時間は常にオー

文化の紡ぎをどう捉えるか。JAPAN-INDIA TRANSFORMATIVE TECHNOLOGY NETWORK2024 #Day1

JAPAN-INDIA TRANSFORMATIVE TECHNOLOGY NETWORK、頭文字をとってJITTN。助成元の財団の本拠地であるオーストリア・ザルツブルグ、ホテルシュロスレオポルツクロンの宮殿とも呼ばれる屋内外を舞台にして、2024年は5月20日から24日までの4日間に開催。その1日目は午後14時から開始。 日本とインド、双方から集まる40名が何のコモンを持って参加すると良いだろう?Trust-building、そしてTour of Schloss Leop

日本とインドの少し先の未来をつくる。JAPAN-INDIA TRANSFORMATIVE TECHNOLOGY NETWORK2024 #Day0

「もしかしたらあなたにフィットするかもしれないね」と言われたことは、まずはチャレンジすると決めて昨年から米日財団主催のリーダーシッププログラムに参加中の今。 JAPAN-INDIA TRANSFORMATIVE TECHNOLOGY NETWORKというこのプログラムの話を聞いたのは、認定NPO法人こまちぷらすの森さんから 伺った、両国の課題を解決するプログラムとして組まれたこの取り組み。開始以降今もなお良いやり取り・取り組みが続いていると彼女が話す様がすごく素敵で、かつ2

米日リーダーシッププログラム。まるで甲子園スタンドのような熱量が続いた夏の一週間。2023.8.6

〇〇塾だとか〇〇卒の〇〇会だとかそうしたコミュニティに属したことがなく、いわゆる学歴とは派閥というやつに無縁の私にはなんだかそうしたものが違う世界のように感じて。 町の友人が何気なく教えてくれた「米日リーダーシッププログラム」にアプライしてみたいと思ったのは、その当時の2022年、少しずつ自分を開いていこうと思った年だったこと、ダメで元々、というよくわからない動機だった。蓋を開けてみれば、10倍もの倍率の中(後で知った)、日本から選出される10人の1人となったとメールが届き

誰かに自分の時間を委ねる、という小さな勇気の重ね方は、ひとを優しくさせるのかも。なんていびきかきながら思っていた。2023.2.3

子育てを始めて10年、3人の子育てをする時間はあっという間に過ぎ、それまでに何度となく海外に出たことはあっても、子ども連れだったり、仕事の予定がたっぷり入るなど、何かしら急ぎ足すぎていた。 昨年ふと10年目を迎えたあたりから、自分のバランスが少しずれてきたように感じ、これはあんまりヘルシーでないなと思い始めた。母である私と私だけである私のぶつかり合いが始まってしまったのだ、とやや落ち込みながら暮らす日々だった。 年明けからしばらく、娘とともにアジアの港町に滞在した。 現地

その人の生命の際(きわ)には、そのすべての瞬間において創造的なものが立ち上がるのだと思う。終えることで何かが始まっていく。生きるを終えるという行為が、ただ悲しい、という側面だけではないと願ってきた。2022.12.4

ケアの文化拠点として、軽井沢町のほっちのロッヂを運営している私自身が、生きるを終える場面に居合わせる機会は実はそう多くない。 そんな私にとって、2020年の1月に出会った、ある方の最期の3週間が忘れられない。 作家の藤田宜永さん。たった3週間。でも私が、”失ったのに得ることができた”現在地に対して、確かな自信を下さった唯一無二の方だった。 初めてご自宅に伺ったことはよく覚えている。 藤田さんはソファに座りカラーグラスをかけ、「あ、どうもどうも。で、あなたどんな人たちなの?

6.「私たちは本来、心を踊らせて生きていきたいものでしょう?生きて老いるプロセスに寄せる心と行動を、1人1人が続けていく集合体で在ろう。」 アラン・ケレハー/竹之内裕文 堀田聰子『コンパッション都市 公衆衛生と終末期ケアの融合 (慶應義塾大学出版会 2022)』

「老人ホームに老人しかいないって、変だと思う。」と話す私を、初めて真っ当に話を理解しようとし、満面の笑みを浮かべた人が、べにさんだった。 5年前の今日(2017.11.25)一緒に現場である『診療所と大きな台所があるところ ほっちのロッヂ』をつくっているべにさんこと紅谷浩之さんが、当時私が運営していた場を訪ねてくれていた。 この5年間で、ものすごい人の数と出会っていると思う。私たちの活動に関心を寄せてくれる人も増えてきた。今やちょっぴりユニークな医療を学ぶ学生たちが私たち

絡みつく何かと、あっけなく過ぎる日常のこと。 2022.11.13

最初に就職した会社の、同期が亡くなった。 打ち合わせ最中に通知がきていた。もしや、とよぎる。用事を終え急いで一報を聞くためいっとき車を路肩に停める。外は1度くらいでよく冷えた。車のシートヒーターがありがたかった。 50分ほど電話で、他界した友をよく知る友人と話す。黙っている時も多かった。 そこから次の動きを相談する。それで電話を切った。意識が朦朧としてきて、免許を取って初めて、両手でハンドルを握って家に帰った。 生きるを終えようとする人を前にして、決まって濃厚に私に絡みつ

対象物を馬へずらすと、人はどんな顔つきになるだろう?この町で、必然性のある、人と人の間におく何かについて。

私が住む町では、夏のある時期からは草刈機をタスキ掛けのようにして抱えて左右に刃先を揺らしたり、秋の入り口ではミレーの落穂拾いさながら、朴葉を中腰で拾い続ける。 身体性を伴い無心にさせる動きは、ふと空を見上げたときや終わったあとの爽快感は、スポーツの後に感じる爽快感と同じようなものなんだなと思う。 自分や他者の存在をあーだこーだ考えるよりも、手先、目の前、今この瞬間の時間に最も集中する時間を過ごしたという爽快感。 この町で、必然性のある、人と人の間におく何か 馬、という存

表現者が新しい表現を見つける舞台になれたことが嬉しい。 そしてそんなことがケアの現場で出来るんだという記録。交換留藝の今。

お寺という場に行くことと、グリーフケアという誰か大切な人を失った人に向けられた何かしらが苦手だった。私が得てしまった体験を普段は横においているつもりが、実はそれはあまりにも生々しいもので、不用意に呼び起こされ、自覚するからだ。 生きると生きるを終える狭間の場所交換留藝という構想の発端は、ケアされる人とケアする人の役割を逆転させてしまうきっかけが欲しい、にあった。 とはいえ、突然に純粋的な芸術、いわゆるオペラや歌舞伎などがきっかけに欲しいわけではなく、いわゆる生活文化、鶴見

うつ、と付き合った半年間。10年間の活動を経て、次へ動こうと決意できた記録 2020.12.29

12月24日、3時間半ほどかけて、人生で初めて、スタジオでポートレイト写真撮影をした。どうしても今年中に撮っておきたかった自分の顔。 今年の夏の初めに、動けなくなった。一切の活動ができなくなり、毎日自分の体調の乱高下に付き合うことしかできなかった。いわゆるうつ状態、だと気づくのにそんなに時間はかからなかった。 よく言う「まさか自分が」の状態。まさか私が? 日曜の夜に襲われた動悸で、自分の命がなくなるんじゃないかと錯覚するほど苦しんで、夜に眠れず明け方ようやく寝付く。 する

5.「9歳の女の子の言動を通して、目に見えない権力の動きに注意を払い、時に痛快に笑い飛ばす」さわひろあや『アスリッドとピッピがおしえてくれたこと (zine 2020)』

さわひろさんのnoteを通して、20代最後に訪れた、一度は永住を考えた国の両面に想いを馳せている。 公共図書館で司書として働いた経験があるさわひろさんが、ある女性についてnoteを掲載されていた。アスリッド・リンドグレーン。 ふと思い立ち読み返した梨木香歩さんの2冊のエッセイ『エストニア紀行(新潮社 2012)』、『やがて満ちてくる光の(新潮社 2019)』に、伏線かのように登場したアスリッド・リンドグレーンにまつわる話に、勝手にシンクロしていた数ヶ月だった。 ついにアス

4.「世の中にちょっぴり愉快な悪戯をしかけたい。」片桐はいり『もぎりよ今夜も有難う(幻冬舎 2014)』

自分を置いてきぼりにしがちな方だと思う。1人の人間として、1人の経営者として、1人の女性として、夫の妻として、3人の子の母親として、友の友人として、、ああ、役割が多い、時間が足りない、いろんな言い訳をして自分を置いてきぼりにする。 今の私は、今、この瞬間だけ、であって、過去に行った選択の積み重ねがあって今の日常があるはずなのに、 時間も忘れて没頭した、あんなこと、こんなこと。自分を満たしていたことを簡単に忘れてしまう。 そうすると、自分が何をしたいんだっけ?と迷走し始める。

3.「いろんな人がいてもよい、いろんな人がいたほうがよい。」岡 檀『生き心地の良い町 この自殺率の低さには理由がある(講談社 2013)』

2020年8月から1ヶ月間、オレゴン州、ポートランド州立大学の教授主催のプログラムを受けている。ポートランド市の”全米で最も住みやすいまち”、といわれている由縁をプログラムで解き明かしていっているその途中だ。 一方でこの本は、”日本で最も自殺率が低い”、徳島県海部町の理由を解き明かしていく。論文が本になったもので、それでいてとても読みやすい。 ポートランド州立大学のプログラムと、そしてこの本『生き心地の良い町』を同時並行で読み進めていくことは、正解を求めるよりも、自分なりの

2.「眼に見えない星雲の渦巻く虚空と、簪をさした蛇とは、私にとっては、自分の科学の母胎である。」中谷宇吉郎『中谷宇吉郎 雪を作る話(平凡社 2016)』

この本は、東京で私に大いにインスピレーションを与えてくれた、Fさんから頂いた。何十冊もいただいた中に中谷さんの字を見つけたときの驚きと喜びたるや。実はその1ヶ月ほど前に、中谷宇吉郎さんの次女である、中谷芙二子さんのインスタレーションを見に水戸芸術館にいたからだ。 純粋な水霧を用いた環境彫刻、インスタレーション、パフォーマンスなど、これまで世界各地で80を超える霧の作品を発表し、「霧のアーティスト」と呼ばれる中谷。2017年にはロンドンのテート・モダン新館をはじめ各地で7つの

1.「マクロとミクロを同時に知覚できるような」梨木香歩『渡りの足跡(新潮社 2013)』

幼少期はゆうに200冊は越えるであろう絵本や児童書に囲まれて育った。新しい発見や知識を得る体験が好きだった。それは読書なのか、人から教わることなのか、手段は問わない。 ケアの現場に関わり始めてちょうど10年目に入ったけれど、ケアに関する本を読んでいて、「面白い」と思ったことがほとんどない。 そのほとんどがハウツー本か、自分の体験談を表現した悲壮感漂う内容か。はたまた、〇〇にならない健康法などと、ショック療法の類か何か?と思うくらい。 活字を読んで、ああ、なんて魅力的なんだろ