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自分を改めることが他者に求めるより先 インサイドアウト

中国の古典に論語があります。
儒学の祖である孔子が亡くなった後に、弟子達が問答などをまとめた思想書です。

その中の孔子の言葉に「君子は諸(これ)を己に求め、小人は諸を人に求む」があります。

優れた人は問題の責任を自分の中から求めるが、愚かな人は他人に責任を求めると言う意味になります。

人間心理の考え方において、相手から信頼や情報を得たいのであれば、まず相手より先に自分自身のことを話すことが効果的といわれています。
これは、自己開示効果と呼ばれており、自己開示された相手は、それに応えてくれようと感じる傾向が強くなるとされています。

これは、返報性の原理の一種でもある好意の返報性と呼ばれ、人には好意を受けると、それを返したくなるという心理特性があるとされています。
反対に、嫌いになれば、相手から嫌われる可能性も高まるので要注意です。

人間なんて、一人で出来ることには限界があります。
だからこそ、組織の力が必要となります。
限界は、どれだけ多くの理解者を増やせるかにより広がるのだと思います。
そのために欠かせないのが、コミュニケーションです。

自己啓発書あるいはビジネス書として長年に渡ってベストセラーである7つの習慣があります。

その冒頭で基幹的な考えとして出てくるのが、インサイド・アウトのパラダイム(モノの見方)です。

一般的な人間の思考として、うまく行かない場合、問題は自分にあるのではなく、上司だったり、部下だったり、お客様だったり、組織だったり、環境が悪いと考えがちです。
それを自分自身(インサイド)ではなく、外部環境(アウトサイド)に問題原因があると主張するアウトサイド・インのパラダイムと言います。

対して、インサイド・アウトのパラダイムでは、外部環境(アウトサイド)を変えたいのであるならば、まずは自分自身(インサイド)から変えることが前提となる訳です。

このインサイド・アウトのパラダイムは、良好なコミュニケーションを行うための前提なのかと考えます。

勿論、インサイド・アウトを心がけたからと言って、容易に外部環境(アウトサイド)が変わるものではありません。

同じく7つの法則の中に農業の法則があります。
それは、「蒔いたものしか、刈り取ることはできない。」と言う考え方のことです。
農場においては、台風などの災害などもありますので、絶対に収穫できるとは限りません。
しかしながら、そもそも種を撒かないことには始まりません。

インサイド・アウトのパラダイムによって自己開示するのは、特にシャイといわれがちな日本人にとっては容易ではないかもしれません。
しかしながら、組織としての成果を高めるためには、組織におけるコミュニケーション力を高めることは必須事項です。

組織のコミュニケーション力を高めたいならば、まずは、種としての自己開示を蒔きたいところです。
しかし、そこに必要以上の成果を求めるのではなく、まずは、継続することです。
自分を改めることが、他者に求めるより先であることを意識、継続することで、収穫というカタチで、組織のコミュニケーション力が高まることを期待したいところです。

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