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マネジメント状況を可視化させる代表的な手法 #14 PDCAサイクル

組織である以上、何らかの共通目的や目標の実現のために存在します。
企業も組織ですので、属する社員は、例外なく共通の目的や目標を持っていることになります。
その実現のために、ヒト、モノ、カネ、知識、情報などの様々な経営資源を活用することとなります。

しかしながら、それらの資源には、多能な要素があります。
例えば、人材であれば、それぞれの能力も均一ではありませんし、それぞれに、長所もあれば、欠点もあります。
それ故に、それぞれのメリットを活かし、それぞれのリスクを補い合いながら、効率的に成果に結びつける必要があります。

そして、それを実現させるために機能させる必要があるとされるのがマネジメントです。

しかし、多能な要素が複雑に絡み合っているからこそ、その進捗状況を把握するのは容易ではありません。
そして、それを、可視化させて、組織で共有しやすくする仕組みの代表がPDCAサイクルです。

PDCAとは、Plan(計画)Do(実行)Check(検証)Act(改善)の頭文字とったものです。

計画(P)とは、目的や目標を達成するためにすべきことを仮説で具体化させたものです。
実行(D)は、計画(P)に基づいて、やったことです。
検証(C)とは、計画(P)で想定した効果と実行(D)による結果のギャップを検証します。
改善(A)とは、検証(C)によって実証された計画(P)の仮説であった部分を見直し、次の質の高いサイクルに繋ぎます。

つまり、PDCAは、回す度に実行(D)の質は高まり、成功へと近づくこととなる訳です。
故に、同じ平面を回って元に戻るPDCAサイクルではなく、スパイラルアップすることからもPDCAスパイラルと表現される場合もあります。

対して、PDCAサイクルは、もう古いとする意見も散見します。

現代は、VUCAと言われる通り、何か起こるか分からない。あるいは、何が起きても不思議ではない時代です。
その様なスピード感が重視される現代では、既に古い仕組みなのだと捉えられる様です。

実際、PDCAサイクルに代わる仕組みとして、代表的なOODAループ以外にも、PDRサイクル、STPDサイクル、DCAPサイクルなどが提案されているようです。

私自身、PDCAサイクルに必要以上にこだわるつもりもありません。
しかし、PDCAサイクルに限らず、過去の仕組みや理論を一概に古いと決めつけてしまうのは否定的です。
特に、あまり活用実績のない方々が否定から入る傾向には違和感があります。

確かに仕組み、あるいは理論は、時代の変化と共に古くなるのかもしれません。
しかし、全てを否定するのではなく、一旦、受け入れた上で、どうすべきかを考えるべきかと思います。

私がPDCAサイクルの最も推すべきところは、そのシンプルな仕組みだと考えています。
そもそもスピード感がないと捉えるのは、仕組みよりも運用方法に問題があるのではないかと捉えています。
如何に机上で、優れた仕組みや理論も、実際に仕事で活かそうとすると、簡単ではありません。
基本を基本のまま実践に使えることは、ほとんどないはずです。

例えば、PDCAを速く回したい思いは強くても、なかなか回らない、回せないということもあります。
そこで、実践的な運用マニュアルともいえる鬼速PDCAをご紹介します。

タイトルの通り、スピード感がないと評価されるPDCAを鬼の如く、速く回すための運用マニュアルです。

仕組み自体は、一般的なPDCAサイクルと大きな違いはありません。
唯一違うのは、Aを改善(Act)ではなく、調整(Adjust)にしているところです。
改善(Act)とは、検証(C)で可視化されて問題を解決に導く取り組みです。

対して、調整(Adjust)では、改善も含めた上で、様々な局面のPDCAに展開するため、次のサイクルでやるべきことを調整することであり、環境変化への対応力のポイントなのかと思います。

鬼速PDCAは、図解化された書籍も販売されています。
書籍は、組織体において取り組みを統一する上でのナレッジマネジメントの教科書となります。
よって、各職場に常備されており、時間などに制約させることなく自分のペースで必要に応じて確認したり、勉強することも可能です。
もちろん、書籍を教科書として、必要に応じて各職場でも勉強会も開催されております。

目的や目標を達成させるための成功の秘訣は、成功するまで諦めないことだともいわれます。

また、そのための仕組みも環境が変化したからといって、安易にすげ替えているのではなく、最善の仕組みとしてPDCAを回すことも大切かと考えます。

『成功するには、目標達成に向かって粘って粘って最後まで諦めずにやり抜くということが必要です。』稲盛和夫

正に継続は力なりであり、あらためて諦めないことが大切なのだと思います。
これらを諦めずに継続することで確実に成果が高まるはずです。そして、それを、あたりまえに習慣化できている組織こそ、強い組織なのだと思います。

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