免疫抑制療法 ATG+シクロスポリン

1年4か月前、私は免疫抑制療法のATGを受けるために入院した。
予定入院期間は1か月。
ERに駆け込んでから、そのまま何の準備も無く入院して、骨髄検査や輸血をしていた1か月は家に帰りたくて仕方がなかったけれど、今回は治療入院。入院してから退院までの流れをしっかり説明してもらっていたので納得の入院。それにATGまでの約3週間家に帰れることができたし。

ATGは心臓に不調が出る場合があるということで、私の心臓がATGに耐えられるかを最初の入院時に検査していた。
①心臓エコー
②負荷心電図
③心筋シンチグラフィー
全て異常なしだった。

ATG治療(抗胸腺細胞免疫グロブリン) 

T細胞(Tリンパ球)を攻撃して破壊するもの。人の胸腺細胞をウマやウサギに注入することによって作られた、人のリンパ球に対する抗体です。 私の場合は「馬」を使う。欧米では「馬」が主流になっています。理由としては、抗ヒト胸腺細胞ウマ免疫グロブリン抗体と抗ヒト胸腺細胞ウサギ免疫グロブリン抗体の無作為割付比較試験の結果、有効率、生存率共に馬の方が優位に優れていたから。

そしてATGは4日間。ATG中の4日間はIUCで管理されるということで、ICUに入院。
歩いてICUに入院しに来る人は見たことないと看護師達に笑われた。

ベッド横のモニター類タワー
私とコードで繋がっている

入院当日は前処置。
① 腕にPICC(中心静脈カテーテル)を挿入。
挿入処置は20分ぐらい。腕の静脈から心臓付近の太い静脈までカテーテルを入れる。ドキドキしたけれど痛くは無かった。
これね、最初は凄く嫌だったのだけど、ATGが始まって、毎日の採血や毎週の輸血時に大活躍だった。なんせ針を刺されるストレスが無い。血管が出にくいので、看護師共々ストレスなくてハッピー💛

PICC

ATGも輸血も採血も、キャップを外して差し込めばOK.
針は刺さっていないので、全く普通に動いていた。ATGや輸血をしながらご飯食べたり、PC作業をしていた。

② 心電図モニター、血圧計、体温計、酸素濃度系と私の身体が繋がれた。(ATGの間の4日間だけ)自分でトイレに行ける私は、トイレの度に身体中にくっついているコードを看護師に外してもらって、部屋に戻ったら再度繋げてもらっていた。ICUは、基本歩ける人がいないので、室内にトイレは無い。トイレの度に看護師を呼ぶのも面倒になったので、自分でコードを外して、アラーム止めてトイレに行くようになった(笑)ICUにいる間は、トイレ以外はベッド上での生活だったからあまり不便では無かったけど。

さて当日
今日からシクロスポリンを飲み始める。朝食後に看護師から薬を渡される。免疫抑制剤(シクロスポリン)、レボレード、各種抗生物質、ステロイド剤。今まで「葉酸」しか飲まされていなかった私。今日から治療だと気が引き締まる。

一番大きいのがシクロスポリンカプセル
大きすぎて最初飲めなかった


そしてアレルギー反応を抑えるための抗アレルギー剤の点滴。その後、頭痛や発熱を予防するためのタイレノール。

ATGが届いた。

左側の大きなパックがATG
右側は抗アレルギー剤や抗生剤

これを12時間かけてゆっくり私の身体に入れていく。
どんな反応が出るかはわからない。
医師や看護師が頻繁に様子を見に来るのだけど、私は何も変わったことが無い。抗アレルギー剤の点滴のせいで睡魔に襲われて昼寝してた(笑)

何事もなく6時間が過ぎたころ、なんだか太もも辺りが痒い感じが。。。だんだん痒さが増してくる。ブランケットを捲ってみると。。なんと‼
両太ももに蕁麻疹?が。。すぐ看護師を呼ぶ。ドクターの指示でATGを一時中断して抗アレルギー剤の点滴。痒みが消えて発疹も消えたら再開するという。ATGのアレルギー反応が薬疹という形で現れた。
そのまま寝てしまい、起きたら朝5時。発疹はうっすらっと残っている。完全に消えるまで待つという。
完全に消えた頃、ATGのパックはゴミ箱行き。。有効期限が過ぎてしまうので廃棄だそうだ。まだ半分近く残っている。

2日目
またアレルギー剤の点滴から始まる。薬疹が出ないようにゆっくり薬を落とすという。でも薬疹が出始めた。一時中断→抗アレルギー剤点滴→発疹が消えるのを待って再開。これを繰り返す。もう、抗アレルギー剤のせいで頭がぼーっとして起きているのか寝ているのかわからない。

3日目、4日目
どんなにゆっくり入れても薬疹がでる。ドクターや看護師を始め、私のケアチームの人達は、何としても少しでも多く体内に入れたいと頑張っている。私も頑張る。ということで、多少の薬疹が出ても中断しないでギリギリまで続けることになった。結果、身体が真っ赤になって大変だった。4日目が最終日だったのだけど、既定の量の半分しか身体に入っていないので、もう1日増やした。

5日目(最終日)
この日もギリギリまで頑張って、身体中薬疹だらけになったのだけど、結局この5日で入れたい量の半分強しか身体に入れられなかった。
一抹の不安。
でも終わった。

明日は、身体についているコードを全部外して一般病棟に移れる。嬉しすぎる💛

私はPNH血球がプラスです。
これは発作性夜間ヘモグロビン尿症の患者さんにでてくる「PNH血球(脆弱な赤血球」を持っているということ。
私の場合、その数が少ないのでPNHの治療は必要ないのですが、このPNH血球を持っている人は「免疫抑制療法が非常に良く効く」(有効率は約80%)と言われています。

ドクターは「PNH血球は免疫抑制療法が効く可能 性がありますよ!と我々に教えてくれているサインです」と言う。
だから、既定の量が入らなくてもそんなに心配はしていない。後は、血球が上がり始めるのを気長に待ちましょうとも言った。

そう、このATG治療は、治療の結果は早くて3か月後から現れてくると言われている。そして遅くても9か月の間でと。それまでひたすら待つだけ。結果、効かない場合もある。

私のATGは終わった。でも入院はあと3週間続く。。

*これは去年の話です。

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