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自分のことは棚に上げておいて

自分にとって鼻持ちならないことでも、それがある程度理にかなっていることであれば、大抵納得出来る。

しかしなかにはどうしても許せないこともあって、それは11歳下のアホな弟だったり、今ぼくが乗っている電車内で人目も憚らずイチャついている、これから卒業旅行に出かけるであろう高校生のカップルだったりする。

ぼくだって8歳のころには年相応にアホだったと思う。クイズ番組の問題を正解するたびに「こんなのかんたんだよ」と言ってみたり、一人称が急に「ぼく」から「おれ」になったりしていた。大人に対して対等な立場で話ができると勘違いしていた。

だから弟の行動が気に入らないのも、そこに痛かったころの自分の影を見るからだと思うのだけれど、それを理解しているのだけれど、それにしたってむかつく。知ったような口ぶりで「プーチンが悪者なんだよ」とか言うなクソガキ!

 彼女が出来たてのころも、とてもアホだった。修学旅行でアメリカに行った際には、自由の女神そっちのけで彼女とみだらな行為に及ぶことしか考えていなかったし、昼休みに彼女を膝の上に乗せて愛でていた。当然のことながら彼女以外の女子からはこのせいで輪を掛けて嫌われるようになった。

だから、目の前にいるこの高校生たちの気持ちも理解できるし、若い2人の恋路を妬むことは男として気持ちのいいことではないと思うのだけれど、どうしてもむかつく。お前らだけ不自然にくっついてるけど、そんなに電車混んでねえからな。女子高生がGUCCIのリュックなんか背負うなよ、なんか怖いよ。どうせこれから適当な温泉地にでも行って、温泉なんかそっちのけでセックスしまくるんだろうな。いいなあ。

お父さん、お母さん。ぼくはこれから横浜湾にサバを釣りに行きます。

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