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わかおの日記91

マウンドにいるときの自分は、生きているなあと思う。受験勉強という牙をもがれた自分にとっては、真剣に勝負をできる場所がもはやここにしかないのである。ボールを投げるだけで試合が動き、その場にいる少なくとも18人が一喜一憂する。そんな支配感を味わえるのはピッチャーだけではなかろうか。思いっきり投げたボールが空気を切る音をたてて飛んでいくのを見るのも好きである。空振りするバッターの悔しそうな顔もみれるとなお良い。

つまり何が言いたいかというと、サークルの練習でそこそこ調子がよかったので嬉しいのである。1イニング目はマウンドに適応できず少し固さがあったが、回を重ねるごとにだんだんと肩が温まってきて、ストレートの勢いが増していった。そのことはバッターの反応をみても明らかであった。ぼくはお世辞にもコントロールがいいとは言えないピッチャーなので、インコースにボール球を投げてしまうことがよくある。調子が悪いときは簡単に見切られたり痛打されるのだが、調子が良いときは打者がボールに恐怖を感じるため、防衛本能がはたらいてバットを振ってしまうのである。今日は後者のようなことが2.3回あったのでまあまあ調子が良かったのだと思う。

ピッチングというものは、奥が深い。ぼくはすっかりこれに取り憑かれてしまっている。マウンドで投げる度に友人に動画を撮影してもらい、家に帰る前に100回は見返す。最初はどうしてこんなにセンスのない動きをしているのだろうと絶望しながら見ているが、何度も繰り返し見ているうちに、そこまでひどくないような気がしてくる。もっともっと繰り返し見ているうちに、今度はなかなか良いような気がしてくる。そうして自信をつけることで、ようやく自分の課題に冷静に取り組めるようになるのである。これは模試の成績などもそうだった気がする、結果表を穴が空くほど見つめるのが大事だったりするのよね。

もう本当に速い球を投げたくて仕方がない。このことに大学生活を捧げても良いとさえ思っている自分が恐ろしい。明日も朝から筋トレをしようと思う。

追伸 野球→釣り→野球の生活サイクルです




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