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統計学の認知バイアスは精神医学に有効? 認知行動療法は一般の人にも有効?

本日は、「認知バイアス」という統計とかでよく使われる言葉ですけが、こういうバイアスは精神医学でも使われますかとか、心理学の分野だけですかとか、認知行動療法ですね。
認知行動療法は一般の人に有効ですかということですね。


■認知行動療法は一般の人でも有効?

認知行動療法は「認知の歪み」と言って、これは認知バイアスと似ているんですけども。だから認知バイアスというのは一般の人でも、認知の歪みってあるよねと。

そういう人間が持っている本能によって無意識に視野が歪められているよねという話です。わかりますか?

一般の人が歪んで見えるのを「バイアス」と言う。
患者さんが病気とかで歪んで見えることを、認知行動療法だと「認知の歪み」と言う。うつ病とかいろいろありますけど、これを治療していこうというのが認知行動療法です。

この認知行動療法のテクニックは一般の人にも使えますか?ということです。
そういう質問かなと思いました。病気と一般の人をそんなに分けないというのが、精神科医の立場というか、そういう風に考えている。

世の中の人は、精神科の患者さんは何か別の存在みたいに分けちゃうんですけども、僕らは分けてそもそも考えていないんですよね。
フロイトは全ての人間が神経症であると言ったんですけども。
だからまあ、基本的には分けていないということですね。

ただ、病気の人の方がより歪んでいるだろうと僕らは考えているということになるでしょうかね。だから使われているかというと使われている。
1つ目の問いは使われている。なぜなら分けていないから。

■精神医学は応用科学

ただ、心を扱った学問というのは多岐に渡るんですよ。
精神医学というのは色々な学問を借りてきている応用科学と呼ばれる分野なんですね。応用科学であるが故に追いついていないんですよね、どちらかと言うと。臨床感覚で言うと。

僕は学生の時に精神科医になったら、心のものは全て読めるようになっているんだ、心に関する論文や専門書は全て読めるようになれるんだと思って。
全部扱えるからやっぱり精神科医になりたいと思っていたんですよね。
「心のことを知りてー」みたいな。

実際自分がこの立場になってみて、もう中堅ですよね、ある意味もう中堅に近くなってきているんですけども、当時に比べたら色々なことを知っているんだけども、やっぱり追いつけてないというところは正直あるなとは思います。

心理学とか色々なことまで含めて追いつけている精神科医の数は少ないと思います。

知識があっても学ぶだけじゃ意味がないので、それをアウトプットしていく。そしてそれを臨床に応用していくとなると、より限られてきていると言うか、まあ無理ですね人間には、という気もします。

だから部分部分で認知バイアスのこととか、他の学問を取り入れて臨床している精神科医は多いだろうなと思いますね。
これで質問の答えになるでしょうか。

■認知行動療法が一般の人にも有効である理由

認知行動療法は一般の人にも有効かというと、有効だと思います。
これはなぜかと言うと、そもそもこの認知行動療法はアメリカで生まれたんですけども、僕の中の理解では、やはり道具主義の影響をすごく受けている。

アメリカで生まれた哲学ですね。道具主義の影響をすごく受けている思想というか考え方だと思います。人間というものを分解する。

ある出来事に対して、人間の心の反応があり、そして行動に移す。
これらの要素を人間の行動や心を分解していって、それに対してトライアンドエラーで修正していこうよ、PDCAサイクルを回そうよというのが認知行動療法の本質です。

それは多くの人が一般的にビジネスだったりなんだったりでやっていることなので、特別精神科だけで押さえておくというものではないと思います。

もちろんちょっとしたローカライズというかアレンジはありますけど、基本的には行動を一回書き出して、一個一個要素分解していって、一個一個を修正していくということなので、一般の人にも有効なんじゃないかなと思います。

コーチングも認知行動療法に結構似ていますしね。混ざり合ってるところは結構あると思います。臨床家臨床家でそれぞれアレンジして使っていると思うので、まあそういうことかなと思います。

■論理的で言語化能力が高い人にしか向かない?


そういう時に聞かれるのは、じゃあ認知行動療法というのは、そもそも論理的な能力が長けていて言語化能力が高い人じゃないと扱えないんじゃないかと言われることもあるんですね。

認知行動療法は基本的には感情を外して、感情を外してですよ、本来主観的な出来事なんですよ、心の中で起きることとか、我々の行動は。主観的なものを主観や感情を外して客観的に描写して修正していくという技法なんですけども。

だからこそ論理的であることが問われるし、心の中で起きているもやもやをきちんと言葉で表す能力が求められたりするんですね。これが高くないとできないんじゃないですかと指摘されることがあります。

そうなんだよね。
だから論理的になれるようにトレーニングをしたりするんです。

論理的になれない人に対して、論理的なやり方を覚えましょうよとか、トレーニングで身につけましょうよというのが認知行動療法である。
心を表現することができない。

精神分析のように自由連想法では自分たちの気持ちを表現できない人に対して、こういう風に自分の気持ちを表現しましょうよとか、あなたが感じているのは怒りなんですねということを教えてあげる、心理教育をしながらマスターしてもらうというのが認知行動療法なので、こういう人たちは苦手ではあるかもしれないけども、苦手であるがゆえに懇切丁寧にその技法をマスターしてもらう、というのが質問の答えになるのかなと思います。

発達障害の人たちはどうなのかということもまた聞かれるんですけれども、発達障害の人たちは論理的ではあるかもしれない。

論理的じゃない人もいますけど、例えばADHDの傾向が強いと不注意だったり、論理の飛躍が多かったり論理的になりにくかったりするんですね。
その場合も先程と一緒で、だからこそトレーニングするということなんですね。

興味の偏りがある。自分の中では網羅しているつもりなんだけど、網羅しきれていない時があるんですね。だからこそ、誰かと一緒にトレーニングをして網羅できるように考えるトレーニングをする。

言語化する力が弱かったりもするし、LD学習障害があって読み書きが苦手だったりとか、読書体験自体が足りなくて言語能力が低いとか、言葉の数が少ない場合もありますね。発達障害の人は。

だからこそ一緒にトレーニングするということになるんですね。
それが認知行動療法の強みでもあるし、逆に言ったら弱みでもあるんですよね。
自己責任論が強いんですよ。アメリカ生まれだからね。

本当にいつまでたってもじゃあ改善していこうよ、ここを直していこうよということの繰り返しで、苦手だからこそトレーニングして身につけましょうねという感じだから、少々息苦しいというのはありますね。
でもそういう技法だったりしますね。

だから認知行動療法を使うにあたって、裏側でカウンセラーは心理的サポートをしてあげたり、逆に自立性を高めるとか、技法の裏側の方でもうちょっと一般的な精神療法をやるんですけれども、でも本質というか技法としての本質はここにあるんだろうなと僕自身は個人では理解しています。

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