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#110 いまどき 親と同居?

60歳なのだけれど、自分は2人兄弟だし同世代の知人の中で4人以上兄弟がいるという人を知らない、多くても3人だ。
しかし私の母親は5人兄弟であり、祖母は7人兄弟だった。ともに戦前の生まれなので、それまではそれがごく一般的な家族構成だったのだと思うが、戦中戦後からは出生率がぐっと下がった。
そうなると親戚の数が極端に減ることになる、簡単に言うといとこの数が圧倒的に少なくなった。

つまり、出生率が減少した結果、戦後生まれの日本人の多くは家族構成人数が減り、同時にいろいろな価値観や決定事項が、少ない人数の中で行われることが当たり前になった。
これも簡単に言うと、何かしようとするときに親戚筋からチャチャが入ることが少なくなり、良くも悪くも決定がスムーズになったということだ。

認知症の親を介護施設に入所させる決定を子がする時、一人っ子ならその本人と配偶者がいれば合計2人の合意があれば可能だが、5人兄弟の子どもがこれをしようと思えば、かなりの労力と時間を浪費しなければならないことは安易に想像できる。

少ない家族構成人数で育ってきた我々戦後生まれの者たちは、多人数の意見を聞き入れ解決策を出すという経験が少ないゆえに、こうした問題が起きた時の解決能力が圧倒的足りていない。
これはものごころがつくまでに肌で習得しなければ、難しいスキルだと思う。きっと日本人がネイティブな英語を完璧にマスターするよりも難しいのではないだろうか?

つまり、義親や、子供の配偶者と同居するなどということは、スワヒリ語圏にいきなり連れていかれ、「今日からここで生活しろ!」と言われて(もちろんGoogle翻訳なしで)「おっ!自分のスキルが向上しそうだし、頑張ってみよう!」なんて思えるのか?ということだ。

現実は、私を含め成人してから素地もない事をやれと言われると、何はともあれ絶望感の方が圧倒的に勝るということだ。

副作用の方が多そうだから、義家族と同居なんて思いとどまった方が良いと私は思う。でもどうしてもしなけれならない所に追い込まれたら、絶対逃げる所を確保しておくべき。
一度スワヒリ語圏に行ってみるのもよいけれど、帰りの飛行機代だけは確保し続けることが重要だと思う。

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