見出し画像

「聴き上手」が人間関係を制する 



【聴く+共感=信頼】の〈2つの意識〉と〈5つの聴き方〉



先月から「経営心理学講座」を受講しています。

心理学、というと、カウンセリングやメンタルケアのイメージが強いですが、
ビジネスや組織運営にも役に立つ実践的な内容だと評価されており、
経営者や管理職の方々が多く受講されている、
最近注目の高まりつつある資格講座です。

顧客に商品やサービスを買ってもらう、
部下に気持ちよく働いてもらう、
上司に自分の提案を採用してもらう、
そして家族や友人知人との良い人間関係を築く、など。

仕事でもプライベートでも、
人間関係の土台となるのは「信頼」であり
「感情」を理解してもらえたときに相手への「信頼」が深まります。

先日の講義では「聴く」ことの重要性について学びました。

この「聴く」という漢字は、
【耳】+【十】+【四】+【心】に分解できます。

“十四の心をもって聴く”

と言われるくらい、「聴く」ことには「感情」が伴います。

「聞く」は、物理的に音が耳に届いている状態。
「聴く」は、「聞く+共感」の意味。

例えば、カフェ等で向かい合って話しているとき、
目の前の相手がスマホをいじってばかりで
話しているこちらを見ようとせずに
ろくに相づちも打ってくれないとき、

「ちゃんと話を聴いてますか?」

と突っ込みたくなると思います。

そういうときは大体、耳には届いているものの
共感して聴いてくれているのか、という意味であると思います。

この人は自分の話に関心がないんだな、
と感じてしまうと、話す気持ちも薄れてしまう。

逆に、相手が関心を持って
うなずきながら、質問を織り交ぜながら聴いててくれていると、
「この人は信頼できる」「もっと話したい」と感じて、
深い話や本当の悩みも話してくれるようになります。

「聴き方」次第で、相手からの信頼の深さが変わる。

誰かの話を聞いているとき、
自分は今「聴けている」のだろうか?
と自問することがコミュニケーションの意識に繋がります。

*

江戸幕府を作った徳川家康は、次のように言っています。

「愚かなことを言う者があっても、最後まで聴いてやらねばならない。
でなければ、
聴くに値することを言う者までもが発言をしなくなる」

260年近く続いた政権の基礎を築いた偉人の言葉と思うと
説得力が増しますね…

相手の言葉が間違っていたとしても、つまらない話と感じても、
途中で割り込んだり、感情的に突き返したりしてしまうと
話し手は「自分の言葉が軽視された」と感じて
不信感に繋がってしまいます。

私たちは、自分の発する言葉に
自分自身を同一化させる
性質があるので、
「自分の言葉を大切に扱ってほしい」という欲求を持っています。

なので、自分の言葉を否定されたとき、
相手はそのつもりがなくても
「自分自身を否定された」と無意識に感じてしまうもの。

すると、「この人は自分を理解してくれない」と相手への不信感が高まり、
相手の言葉を受け入れにくくなってしまいます。

相手の言葉は、相手そのものと思って
大切に、丁寧に扱う必要がある
ということです。

とはいえ、相手の話に共感するあまり
自分の経験にも重なって話したくなることもありますね。

そういう時ほど聴き手の真価が問われるとき。

私もつい途中で話したくなってしまうことが度々ありますが、
まずは最後まで聴くことを心掛けたいです…

*

では、どのように聴けば良いのか。

聴くポイントとして、
2つの意識+5つの聴き方をご紹介します。


【2つの意識】

①相手や相手の話に〈興味〉を持つ
②〈安心〉して心を開ける〈場〉を作る


【5つの聴き方】

①相手に〈共感〉し、その共感を〈表現〉する
②〈相づち〉を打ち、〈ペース〉を相手に合わせる 
③相手の言葉は最後まで〈さえぎらない〉
④大事な点は〈要約〉して〈聴き返す〉
⑤〈体〉を相手に向け、〈目〉を見て〈手〉を止める

※②の〈ペース〉を相手に合わせることを「ペーシング」と言います


ちなみに、「目は口ほどにものを言う」ということわざがあるくらい
〈目〉というのは感情がストレートに出てしまう場所です。

興味があることに対しては瞳孔が開くので
目が輝いているように見えます。
逆に、興味がないことに対しては瞳孔が縮むので
目を見ただけで関心があるかどうか分かってしまいます。

表面的に興味があるように見せかけても
目は嘘をつけない、ということですね・・・


ただ、相手が自分の話したい事ばかりを延々と話していて
退屈に感じてしまう場面もあると思います。

そういう時は「質問」を効果的に活用することで
相手の話を引き出すことができます。

「ところで○○さんは~をされていると聞いたのですが…」
「私も△△に興味があるのですが、どんなきっかけで始められたのですか?」

など、自分も相手も関心が持てる話題に軌道を変えていくのも、聴き手が持つ力です。

相手の話をコントロールする、
と言うと少々聞こえが良くないかもしれませんが、
会話の主導権を握っているのは「話し手」ではなく「聴き手」です。

そして、
「人に紹介できない人」トップ10に入る人の特徴は
「話の聴き方が雑な人」と言われています。

話を聴いてくれない人=信頼できない人

そう感じる人が多いようです。

だから、「話し上手」よりも「聴き上手」を目指すことで
紹介もされやすくなり、人間関係が広がって
仕事もプライベートも充実していくはずです。

*

「聴き上手」が会話を制する。
つまりは、人間関係をも制する。

聴く+共感=信頼

まだまだ、お伝えできていない部分がありますが、
今回の講義で学んだポイントをまとめましたので
ぜひお役立ていただけたら嬉しいです。

今後も定期的に発信していきます。

——–

(参考)

経営心理士講座について

徳川家康の名言


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?