【IR】決算説明資料の作成プロセス・活用ツール・参考サイトについて
「一人でも多くの人に、感動を届け、幸せを広める。」という経営理念を掲げ、複数のBtoB SaaSを展開している株式会社スタメン財務経理部の清家です。財務・経理・税務・開示・債権債務管理・IRなどを管轄しています。
スタメンは2016年に創業し、2020年に当時の東証マザーズ市場(現:東証グロース市場)に上場したITベンチャー企業です。
上場企業として四半期毎に決算を開示しており、補足資料として決算説明資料も作成と開示を行っております。直近でIR向上委員会さん主催のイベントなどのIR関連のイベントに参加し、IR資料の作成プロセスを様々な方に伺わせてもらっています。基本的にパワーポイントで作成されている企業様が多いのですが、弊社ではWEBデザインツールである「Figma」を活用しています。パワポ以外での制作を検討中の企業様や、弊社のようにFigmaを活用されていらっしゃる企業様の参考になれば幸いです。
前回のnoteリレーにも参加しており、その際は以下の記事を書きました。
IRやSRという言葉があるように、上記の記事で触れた内容はER(Employee Relations)業務の側面もあったのかもしれません。
もしご興味があれば、ご一読いただけると嬉しく思います。
会社について
主力事業は、TUNAGという業務DXから社内エンゲージメント向上までを支援するSaaSサービスです。現在800社以上に導入いただいており、TUNAG事業の収益の90%以上はストック収益(月額定額料金)です。年間契約を基本としており、そのほとんどを前受金として頂戴しているため、非常に安定した収益基盤が形成できております。
そのほかに、漏洩チェッカーというPCを起点とした情報管理SaaSや、100%子会社として2社を抱えており、それぞれでFANTSというオンラインコミュニティ事業や、STAGEという人材紹介事業を営んでいます。
余談ですが、初の関東圏におけるテレビCM放映開始を発表いたしました。
PR開示も同日に行っておりますので、是非ご覧ください。
https://stmn.co.jp/ir/library
現在の体制について
メイン部分は現在3名で作成しています。
①素案作成:ざっくりの数値・文言、参考デザインを挿入したラフを作成
②デザイン:ラフを元に、ブランドイメージに基づくデザインの生成
③意思決定:代表に確認してもらい、最終完成版まで仕上げ
最終的な数値、誤字脱字、注釈等の確認・校正などは監査チームや、財務経理部のメンバーにも協力してもらい、最終FIXまで持っていきます。
2022年12月期の通期決算説明資料までは、代表の大西が1人で作成しており、組織や事業の拡大を見据えて2023年12月の1Q決算から今の形に変わりました。ちょうど1年ほど経過して、1Q~通期までを一通り経験しました。
IRに関連する決算説明資料は広報関連の部門で作っているという話をよく聞くので、弊社のように経理部門の中で作られている企業様がもしいましたら、ぜひオンライン等でお話してみたいです。
利用しているツールについて
そもそもですが、弊社スタメンはデザイン領域への投資を早い段階から行っています。理由等については、以下の記事にまとめていますので、ぜひご覧ください。
デザイナーの中でも弊社では2種類に分かれており、①プロダクトデザイナーと②コミュニケーションデザイナーとしています。決算説明資料の作成にあたっては、②のコミュニケーションデザイナーに手伝ってもらっています。以下の仕事概要にも記載のある通り、会社や各事業のブランディングを担ってもらっており、様々な関係者に各事業をどう見せ、どう伝えていくかをデザイン面から支えてくれています。ラフ作成程度であれば、パワポ等の資料作成ツールと同様の使用感で操作できるため、デザインツールについてはFigmaを活用しています。
作成プロセスについて
大枠は上記画像のような流れで進めています。作成プロセスについてはそこまで特殊ではないかなと思いますが、デザイナーとがっつり協力してもらい二人三脚で完成まで持っていっているのが特徴的かなと感じてます。
参考サイトについて
2つあります。
まず1つ目、CollectIR(コレクティア)という決算説明資料のまとめサイトです。業界や事業内容、スライド内容などで絞ることができるので同業他社や指標ベースで情報収集が可能になります。
特に「スライド内容」での絞り込みをよく活用しており、SaaS特有の「MRR」や「ユニットエコノミクス」、「TAM」,「ARPU/ARPA」などで検索をかけられます。図やグラフは1つなのか2つなのか、図と文言のバランス、注釈の入れ方などを見たい場合に非常に参考にしているサイトです。
2つ目です。
無料でも使える財務分析サイトとして有名なバフェット・コードですが、スライド検索機能についても実装されたのをご存知でしょうか。内容や業界ごとの絞り込みは出来ませんが、上記のCollectIRには出来ない”色”での絞り込みが出来る仕様になっています。多くの会社ではコーポレートカラーや、ブランドカラーを定めていると思いますので、アクセントカラーの追加の際にも参考にしています。加えて"グラフの種類"でも検索できるので、グラフが決まっている場合はバフェット・コードで調べるようにしています。
具体的な作成時の画面について
Figmaのオススメポイントは大きく2つあって
①クラウドツールなので同時編集が出来る
②キャンバス風なので、横に参考スライドを置いて作業ができる
①クラウドツールなので同時編集が出来る
こういうご時世なので、リモートや拠点が違うメンバーとコラボレーションする機会も多いと思います。「この会社のスライド良かったよー」みたいな参考画像等を共有したいときも、わざわざチャットツールで送る必要がありません。加えて他人のカーソルを追従できるので、ピンポイントで「この部分!」を指定したい時(2021年2Qの棒グラフ下の点線みたいに言葉にしなくてもココ!って言えば伝わる)などは非常に便利だなと思います。
②キャンバス風なので、横に参考スライドを置いて作業ができる
上記に連動していますが、パワポがインストール型なのに対してクラウドツールとしてGoogleスライドという選択肢もあり得るかと思いますが、基本的には一枚のスライドを編集する仕様なので、横に参考画像等を置きながら作業するのには最適化されていない印象です(もちろん枠外に参考画像は置けますが)。ここらへんはどういった利用用途を想定されたサービスなのかに大きく影響を受ける部分だと思いますが、Figmaはデザインの裾野を広げることを狙っていそう(この記事が分かりやすい)なので、非常に使いやすいなと感じます。
確認・修正プロセスについて
状況次第ですが、ある程度(90%以上)ぐらいのタイミングで、他のメンバーにチェックの依頼をします。種別は主に①数値②文言(注釈含む)③デザインの3種類かと思うので、別の3人にそれぞれを確認いただける体制が敷けると良いかなと思います。記載してもらった内容を受けて、修正するもの・しないものを仕分けし、修正作業に入ります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。参考になる部分があれば幸いです。各社さん様々な体制や利用ツールで決算説明資料を完成させていらっしゃると思うので、どこまで具体的な話を盛り込むのか迷いました。どこの会社さんでも行っていそうな「情報収集・作成・修正」に絞って書かせてもらいました。
具体的にもっと話を聞きたいということであれば、いつでもDMをお待ちしております!
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