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2020/6/7 介護・看病される側の気持ち

※明るい話ではありません

こんにちは。介護され歴も二年を越えた綿生しあのです(正確には看病され歴ですが)。

今日、たまたま一瞬観たテレビに、自宅の階段をゆっくりと上るおばあさんの姿が映っていました。二階のカメラから見下ろす形で、左手を手すりに、右手を膝の上に置いた、薄紫色のセーターを着た、白髪交じりのおばあさん。

「私みたいな人が映ってるやん」
と私が言うと、
「しあのより元気そうやけどな」
と家族が言いました。

そうなのです。私の病状は介護番組に出てくるおばあさんより悪いのです。

だけど現実は残酷で、病状が今ほど酷くなる以前、見た目が若いこと、原因不明の病気として医学界で隠れキリシタン的存在であることなどから、医師に説教をされたり、受付のおばさんに差別的な態度を取られたりと、酷い仕打ちを受けたことも何度もありました(人間不信はそのため)。 

今は日々それはもう可愛いぬいぐるみを抱きしめて暮らしているため、セルフイメージがぬいぐるみに同化している私でしたが、鏡の前に立てば毎日パジャマで髪はムチャクチャ。無念なほどに可愛くないのが現実なのです。

そして、そこらへんのおばあさんよりよっぽどヨボヨボなのもまた現実なのです。要介護認定を受けた人だって車椅子に乗っていない人も多いはずなのです。

なぜ私は車椅子を一人で漕げもしないのに、一人でトイレにも台所にも行けないのに、水もくめないのに、こんなにも助けてもらえないのでしょう。

一番許しがたい現実は、見た目と実年齢が若いというだけで、テレビの中のおばあさんのようには人から助けてもらえないということです。

私はときどきお年寄りがめちゃくちゃ憎くなります。

「私より元気なくせに年取ってるっていうだけで親切にしてもらえていいよな」

めちゃくちゃ正直に書くとこんな感じです。イメージが100%ダウンしましたがそんな感じです。しかし「ヨボヨボのお年寄り」として描かれている人たちの暮らしは私から見れば夢のようにどこにでも行ける自由な日々なのです。まず散歩に出られるだけ幸せやろがい

そんな感情を抱いている時の自分が好きなわけがありません。お年寄りのことだってそもそも好きなほうです。でも妬んでしまうのです。自分より優遇されているから。こんな感情を私に抱かせる社会の仕組みを憎むしかありません。

病気になってから「社会」という形の見えない大きなものを強烈に憎むようになりました。この病気だって「原因不明」とか片付けてないで真剣に研究して早く治るようにしてほしいです。治らないなら治らないでこんなに患者と家族に負担を強いる福祉の構造はいい加減どうにかしてくれないと、ある日突然キレてしまう人がいるのもかなり頷けます。

🍵

社会を憎むあまり話が脱線してしまいました。表題の件についてです。介護する側のブログはよく見ますが、介護される側のブログってあんまり見たことがないように思います(年齢的に、される側のインターネットへのアクセス率が圧倒的に低いからだと思います)。

介護する側と同じように、介護される側にもストレスはあります。毎日毎日同じことを繰り返していたら、極度のストレスの中で、頭もおかしくなりそうになります。ただでさえ病気で具合が悪いのに。

介護される側は、「面倒を掛けている」という負い目がある分、いつも申し訳なさが心の中にあります。

ヘルパーさんなどを有料で依頼している方がまだ、ビジネス的な付き合いだと割り切れて楽かもしれません。

しかし、家族と朝昼晩二十四時間一緒にいると、息が詰まって息が詰まって、叫び出したくなる時もあります。が、自分では動けないし、家から出ることもないので、叫ぶこともできません。

そもそも家族といっても仲が良いとは限らないし、気が合わないとか、几帳面×大雑把がコンビを組んだ時は喧嘩が絶えず地獄です。すべて予定通りにこなしたいタイプ×場当たり的に遂行していくタイプとかも、悲惨です。

停滞した空気と物質に囲まれていると気が滅入ってきます。ほんのちょっとした違いにも過剰なまでに敏感になります。それは介護してくれる人の表情や足取り、息遣いも含めてです。

家族に泣かれると心底憂鬱になります。このまま一生捕われの身でしんでいくのだろうか、と、悲観的な想いがして、ドツボにハマります。でも、散歩にも行けないし、家の中ですら空間の移動はできないので、気分転換なんてできないんです。

せめて家族には笑顔でいてほしいです。悲壮な顔なんて見せないでほしいです。病人が介護者を励ましている時の意味わからなさは凄いです。泣きたいのはこっちだよ。

介護・看病される側の気持ち、
それすなわち「全体的に無理」ですね。

本当にもう無理なのでそのうちダイナミックにキレてしまいそうで自分が怖いです。日々ファンタジーやロマンスに浸るなどしてなんとか抑え込んではいますが……このnoteも楽しみの一環ではあったのですが、自分の心に嘘を付きすぎると、捻れがダブル捻れトリプル捻れとどんどん捻れていって良くないかなと思い、率直な思いを書いてみました。

あーあ。

タスケテ……
タスケテ……(地縛霊)

おわり

HAPPY LUCKY LOVE SMILE PEACE DREAM !! (アンミカさんが寝る前に唱えている言葉)💞