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身体と精神のつながり

「ポリヴェーガル理論への誘い」を書かれた
津田真人先生の音声ファイルの前半の概要をご紹介します。
ポリヴェーガル理論は身体と精神の関係を
生き物の進化の歴史とともに理解することができます。

ポリヴェーガル理論

ここからは

現在(2023/11/12現在)無料で公開されている

津田真人先生音声ファイルをもとに

身体と精神のつながりについて

お伝えします。

(前半の部分のみの大まかな概要です。聞き間違いや

解釈の間違いなどがあるかもしれませんのでご了承ください。)


ポリヴェーガル理論のはじまり

自律神経は

交感神経と 副交感神経に分かれます。

「緊張と弛緩」等、一般的な知識としてもよく聞く内容です。

副交感神経の2つの存在 

ポリヴェーガル理論を書かれた

ポージェス博士は もともとは心臓の神経について研究をしていました。 

心臓の自律神経の働きや

交感神経と副交感神経の研究をされていましたが、

博士は それらのうちに

矛盾する働きがあることに気が付きました。

そこで生物の進化の過程を見直すと

副交感神経は哺乳類以降は2つになったと考えました。

 

心臓に来ている

迷走神経は2つあり、

副交感神経が2つある と考えると

様々な矛盾点にも整合性がある

ということになったそうです。

迷走神経がたくさんあるので

ポリ=たくさん

ヴェーガル=迷走神経 と呼ぶことになりました。

脊椎動物の大元は 水中の魚で、

魚が上陸し、カエル、爬虫類、哺乳類と進化していきました。


2本の迷走神経

副交感神経は次の二つに分かれることが分かりました。

 

ポージェス博士は

① 背側迷走神経

② 腹側迷走神経

と呼ぶことにしました。

 

①は昔からある神経で背側迷走神経といい、働き過ぎると死んでしまう。 

②は進化の過程でできた新しい腹側迷走神経で、適正に働くと元気になる神経系。 

背側迷走神経だけだと人間は生体の存続が危ないということが分かってきました。

2つはホームが違う異なる電車のようなものです。

例えば

背側迷走神経は在来線の鈍行列車、 

腹側迷走神経は新幹線。


腹側迷走神経は速度も速く、伝導速度、情報量が多いです。

脳が大きい哺乳類にとって

鈍行では間に合わなくなってきたため できたと考えられているそうです。

  

哺乳類として脳が大きくなり、

大量の血液を大量に回さないといけなくなったのでしょう。

 

2つの迷走神経は

延髄の部分で分かれていますが 

お腹側と背中側でミクロの単位で分かれています。

それぞれ神経核が違います。

「神経解剖学において核または神経核(しんけいかく)は、中枢神経内で主に灰白質からなり、
何らかの神経系の分岐点や中継点となっている神経細胞群のこと。

ウィキペディアより

従って 

交感神経と、副交感神経は背側はいそくと腹側ふくそくの2種類。

 

迷走神経は主に二つの機能の複合体を作って働いています。

背側迷走神経複合体

腹側迷走神経複合体というチームにわかれています。


大昔の魚はエラがたくさんあり、蓋があった

今でもサメやエイはエラが複数あります。

腹側迷走神経複合体は

大昔は水中にいた時代、

エラで呼吸していたときの機能が進化したものです。

昔の魚はえらがたくさんあって、蓋があり

同時に開閉していたといわれています。


https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%84%8A%E6%A4%8E%E5%8B%95%E7%89%A9

進化史
 
ハイコウエラの復元図

まず5億3,000万年前(カンブリア爆発の頃)には、ハイコウエラというナメクジウオのような全長3センチメートルほどの生物の化石が発見されているが、この生物は脊椎動物の特徴を一部持ち合わせている。

具体的にはナメクジウオと同様、懸濁物食をしていたと思われる口を持ち合わせている一方、

脊椎動物のようなよく発達した脳、小さな眼、魚類に似た筋節構造を持っている。

脊椎動物 - Wikipedia

腹側迷走神経複合体は

エラ、心臓、腸を動かしていて、

複数の種類の神経系のチームがあり、

1本での神経では無理なので、

複数の迷走神経で協調して動いていたそうです。

 

上陸したのでエラが必要なくなったため、

唯一残っている穴が耳の穴、

それ以外は

それぞれ新しい就職先を見つけていきました。

職がなくなったエラの新しい就職先。

エラの名残は 顎と耳の穴などで

職がなくなった神経系は、その後

顔周りの神経に変わっていき、

協調して働いています。

エラ呼吸の時代は約5億1千万年前までさかのぼり、

哺乳類に進化したのは約2億2千万年前です。


魚は首がない


エラの再就職先は他に、 

顔の表情筋、三叉神経、口の開閉機能や

耳の穴の中にもあります。

元は水流を感じていた機能で小さい骨を作り、

これもエラの骨の進化ということがわかりました。

耳の神経と一緒に連動して音を周波数でとる仕組みになっています。

 

声帯も腹側迷走神経が関係しており、

喉の軟骨もエラの骨を使っています。

声帯の緊張度合いで声の調子を変えることができ、

首周りでは僧帽筋、

胸鎖乳突筋などになりました。

 

魚は首がないですが、

首は陸にあがったときに進化しました。

キリンも頸椎は7つで、

哺乳類はだいたい7つあります。

かえるは首が退化し 頸椎が一つです。

蛙は舌で餌をとりますね。

首まわりの部分は 使われなくなったエラの再就職先でした。

顔は重要なコミュニケーションの器官

 

我々は陸に上がり、

食料の咀嚼のため、

哺乳のために顔周りが柔らかく進化しました。

 

また、

安全の確保のために聴覚も発達しました。

恐竜が全盛時代だったため、夜行性でした。

声で仲間同士情報伝達し、

餌の場所などを教え合いました。

 

周波数の調整をして

他の動物に聞こえない高周波を発達させ進化しました。

声は肝心の仲間にだけ聞こえるようになっています。

哺乳類の声は爬虫類には聞こえないし、

ネズミの声は猫に聞こえない高周波です。

哺乳類はお互い安全空間をつくるため

生き延びるため

仲間社会を腹側迷走神経系をつかって

発達させていったのです。

以上が 音声ファイルの前半の部分になります。

後半は質問などにも答えてくださっています。

心身の安らぎをみつける方法

  

瞑想やヨガでも

深い呼吸のワークがありますね。

  

呼吸から精神に安心安全を働きかける

一つの方法として

昔から行われています。

 

深い呼吸は、

ポージェス博士の2022年11月に行われたzoomセミナーでも

呼吸法についてお勧めとのことでした。

吸う時は交感神経を使い

吐く時は副交感神経(腹側迷走神経複合体)が働きます。


長く息を吐く

呼吸法は

おだやかに息を吸い とてもゆっくりと吐きます。

息を吐く時間を伸ばすと 

落ち着くことができます。

最初は3秒吸って 7秒吐く くらいから 

始めます。

 

吐く息の長さの比率が大きいほど

効果的です。

 

慣れない呼吸法をすると 体の準備ができていないので

めまいがしたりして 体がびっくりしてしまいます。

ですので ゆっくり行います。

そのほかの方法としては

歌うこともいいそうです。

 

歌う時は息をゆっくり吐きます。

長いフレーズで話すのも効果的だそうです。


このように、進化の仕組みを知ることで

腹側迷走神経複合体による
身体を癒やす方法の原理が確認できました。


最後までお読みくださりありがとうございました。


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