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「価値の交換は、常に金銭だけとは限らない」 — by Your Majesty <vol.10>

節目の第10回目に登場するのは、これまで200以上の賞を獲得し、NetflixやSamsungなどをクライアントに持つ  Your Majesty  。アムステルダムとNYに30名以上のメンバーを抱えながら、メンバーそれぞれにとっての “WORKS GOOD!” を求め、枠にとらわれない試験的なワークスタイルを数多く実践している。そんな彼らにくわしく話を聞いてみた。

Question 1:
まず初めにYourMajestyについて教えてください。


Your Majesty はデザイン&テクノロジーの会社で、オフィスはNYとアムステルダムの2箇所にあります。クライアントは、グローバルブランドやスタートアップの会社が多いです。

メインの拠点であるアムステルダムには22名、NYには12名のメンバーが所属しています。職種ごとに分けると、デザイナーとエンジニアがそれぞれ13名ほど、そのほかに、ストラテジストやプロデューサーなどが数名在籍しています。社内だけで完結できるプロジェクト以外に、特別なスキルが必要とされるプロジェクトもあるので、そういった際にすぐ相談ができるよう、社外のネットワークも築いています。

Question 2:
新しいプロジェクトをスタートする際のフローについて教えてください。

まず、どのようなジャンルのプロジェクトであるかに基づき、チームを編成するところから始めます。チームができたら、ゴールの設定と、そのゴールを達成するために必要なものを理解するため、及び、円滑な人間関係を構築するため、クライアントも巻き込んだ没入型オーダーメイドワークショップを実施します。

すべてのプロジェクトで、経営陣から少なくとも1人と、各分野のディレクターがアサインされるようにしていて、プロジェクトの種類によって最も適したやり方を毎回模索しますが、通常は、ストラテジーの考案、(必要な場合は)ロードマップの作成、コンセプトの開発、そして最後にデザインへと落とし込まれる流れになります。

またフローとは別の話になりますが、チームメンバーの一人ひとりがプロジェクトに対し異なる視点を持っていることを認識し、プロジェクトを深く理解してもらうために、全員が全行程において何かしら関わることのできる環境を用意しています。

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Question 3:
チームとして1つのプロジェクトにかける平均期間はどのくらいですか?

プロジェクトの大きさによって違います。数週間で終わるものもあれば、何ヶ月もかかるもの、それ以上のものもありますね。

Question 4:
会社としてどのように社員に働きやすい環境を提供していますか?

前提として、私たちは会社で働くみんなに仕事やプライベート関係なく、常に健康でいてもらいたいと考えています。そのため、遅くまで残って仕事をすることは会社として推奨していません。また、個人的なニーズを満たすために必要であれば、働く場所をフレキシブルにし、家や国外からも仕事ができる制度を取り入れています。

そのほか当社では、一般的な福利厚生手当てに加え、働き方の試作モデルをつくるプロジェクトが進行中です。たとえば、月曜から木曜まではクライアントの仕事を、そして、金曜は自社プロジェクトやパーソナルプロジェクトを進める日と定めています。その上、各社員に個人教育予算を提供し、個人的な成長を促しています。さらに、会社内のヒエラルキーをフラットに保ち(年功序列や役のレベルで上下を判断しない)、参加しているプロジェクトだけでなく、会社の手法や会社として向かう方向性に対しても、全員が平等な影響力をもっています。

日常的に行っている細かい取り組みとしては、月曜は朝ごはんをみんなで作って食べながら話ができるコミュニケーションの場を設けたり、定期的にチームでピクニックに行ったり、お腹が空いて集中力が欠けないようスナックを常備しておいたり、無料でジムに入会できたりします。

緑が多く、シンプルなオフィス(Amsterdam)

Question 5:
どのような基準で仕事を受注されていますか?

価値観を共有できるかどうかで決めていますが、これはどのプロジェクトを引き受けるか選ぶ際に一役買っている一方で、ひとつの基準に過ぎないため、私たちが専門としている分野でいかに向上ができるか、また、創造の自由をもたらしてくれるかということについても常に考慮しています。価値の交換は、常に金銭だけとは限りませんからね。

Question 6:
会社として一番大切にしていることはなんですか?

社員同士が正直でいられるポジティブな環境です。あとはオフィスドッグですね(笑)

Question 7:
最後に、「いい仕事」をするのに一番大切なものは、会社としてなんだと考えていますか?

クライアントとチームが、プロジェクトに対して情熱と積極性を持つことです。情熱は行動力の源です。挑戦する姿勢と学ぶ意欲が情熱と交わる時、良い仕事が成せると私たちは信じています。

Samsung / SmartThings

※この記事内容は2018年3月公開当時のものです。


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前回までの記事はこちらから!

Vol.9 :「1番大切にしていることは、常に学ぶことができ、心身ともに健康でいられる環境を提供すること」 — by Stink Studios

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