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「社員は7名。世界中のクリエイターとともに、期待を超えるアウトプットを。」 — by FIELD <vol.5>

WORKS GOOD! MAGAZINE インタビュー第5弾は、ブランディングやアートワークはもちろんのこと、インスタレーションやインタラクティブコンテンツ、空間演出も行う、イギリス・ロンドンにあるクリエイティブスタジオFIELD。NIKEやAdidas、TOYOTAなど多くのナショナルクライアントを持つ彼らですが、社内のフルタイムスタッフはわずか7名。フリーランスを含む世界中のクリエイター達とチームを組み、大規模なプロジェクトで結果を残し続けるために、大切にしていることとは?

Question 1:
まず初めにFIELDについて教えてください。

FIELDは、ロンドンにあるクリエイティブスタジオです。私たちは、アートとテクノロジーを組み合わせて、臨場感あふれるオーディオビジュアルや、力強くて新しいビジュアルコミュニケーションを作り出しています。世界各国の文化機関やブランドと協力しながら、動画、インタラクティブ、表現手法に囚われずに、作品を生み出していることもひとつの特徴かもしれません。

クライアントも世界各国(アジア、ヨーロッパ、米国)の様々な業種(自動車メーカー、ファッション等)に及びます。

Question 2:
会社としての規模はどのくらいですか?

私たちはマネージングディレクターのVera — Maria GlahnとクリエイティブディレクターのMarcus Wendtgaの2名の他に、5名のフルタイムスタッフと1–2名のインターンがいます。フルタイムスタッフの内訳は、プロジェクトマネージャーが2名、スタジオマネージャーが1名、デザイナー1名、エンジニア1名です。プロジェクトの大半は、社外の優秀なフリーランス クリエイターたちと協業しています。私たちは、優秀なフリーランスクリエイターたちとの間に幅広いネットワークを持っています。プロジェクトのスコープやトーンなどに最適だと考えられるクリエイターと仕事をすることで、ハイクオリティのクリエイティブを提供できています。


Question 3:
どのようなワークフローで仕事を進めていますか?

まずクライアントからオファーをもらった際に、マネージングディレクターを中心とした制作メンバーで内容を確認し、大抵の場合、まずマネージングディレクターが、クライアントの元にヒアリングに伺います。そのヒアリングでプロジェクトのスコープや、予算、スケジュールなど詳細を確認し、クリエイティブディレクターを含めた、社内のメンバーに共有します。そこでこの仕事を受けるべきか否かを話し合い、受けると判断した場合には、スタッフィングをまず考え、その後に、具体的な制作プロセスなどの話し合いをクライアント含め、始めていきます。

Question 4:
フリーランスの方々とはどのように仕事を進めていますか?

多くのフリーランサーの拠点はロンドン郊外、またはイギリス国外ですが、一緒にプロジェクトを進める際には、ロンドンのスタジオでなるべく一緒に働いてもらっています。そのほうが、コミュニケーションも密にとれ、認識に齟齬が生まれづらいためです。

Question 5:
一人が一度に抱える案件は平均して何件くらいですか?

プロジェクトの規模とそれぞれの職種にもよりますが、外部のクリエイターには、同時に複数のプロジェクトを依頼することはありません。そのほうが、外部クリエイターの知識と経験を最大限に発揮できると考えているからです。

社内のメンバーは平均して1〜2件程度のプロジェクトに取り組んでいます。空いた時間などは、次のコンペに備えてもらうことにしています。


Question 6:
コンペはどのくらいの頻度でやられていますか?またコンペフィーは支払われますか?

コンペは、月に5件程度受けています。コンペの際には、どこまでの領域を私たちが提案できるのかということを明示するために、コンセプトを含む提案資料やムードボードを提出します。

基本的にはコンペフィーは支払われないです。イギリスでは、払われないことがほとんどだと思います。

Question 7:
どのような基準でプロジェクトを受けていますか?

最も重要視しているのは、「そのプロジェクトが私たちの創造性を刺激してくれるか」ということです。楽しんで、そのプロジェクトに取り組めるか否かで、クオリティは左右されると考えています。もちろん予算を考慮する必要もありますが、そこはバランスを見ながら、その都度判断を下しています。

Question 8:
どのようなクライアントの仕事が多いですか?

とても幸運なことに、私たちは非常に多様なクライアントとお付き合いさせてもらっています。大手ブランドの仕事をやらせていただくことで、技術的能力の限界に直面するようなプロジェクトもあります。それはとても光栄なことです。私たちが持つ能力の限界を押し上げることができるからです。また、英国国立図書館のような文化的機関から、芸術的探求を要求されるようなプロジェクトも取り組んでいます。

 Toyota ‘Unique Flow’ 

 Chivas Regal ‘The Essence

Question 9:
先程フリーランスの方々とプロジェクトをすすめることが多いとおっしゃっていましたが、気をつけていることはありますか?

まず、フリーランスのクリエイターと仕事をするときには、そのプロジェクトのスコープや私たちが考えたコンセプトをしっかりと共有することを意識しています。週の初めに「今週のゴール」を共有するミーティングをしたり、毎日キャッチアップミーティングを行い、タスクを共有することにしています。マインドをしっかりとすりあわせること、進捗や何をすべきなのかなどの課題を共有することは、外部クリエイターと仕事をする上で、大切だと考えています。

またこれはフリーランスの方に限られたことではありませんが、プロジェクトに関連するすべての方にクライアントと私たちが結んだ契約の内容をオープンにするようにしています。

Question 10:
最後に「いい仕事」をするのに、いちばん大切なものはなんだと思いますか?

「いい仕事」とは、「関係者たちと有意義な関係を作り出す仕事」だと私たちは考えています。「有意義な関係」は、同僚や外部クリエイター、クライアント、関係者すべての期待を超えるようなアウトプットを生み出したときに初めて構築されるものです。では期待を超えるアウトプットを生み出すには何が必要か。

それはアイデア、技術、様々な側面からみても、新しいものを創るということ。それを達成するには、「自分自身の限界に常に挑戦し続ける」こと。それが大切だと考えています。


Works of FIELD

<Diesel ‘New Natures SS16’>


<Monotype ‘Type Reinvented’>


<GF Smith ‘10,000 Digital Paintings’>


<Adidas by Stella McCartney ‘Barricade SS15’>


<Kinetic Light Sculpture ‘Spectra-3’>


※この記事内容は2017年6月公開当時のものです。

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前回までの記事はこちらから!

Vol.3:「小規模チームだからできることがある」- by WILD


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