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「小規模チームだからできることがある」- by WILD<vol.3>

WORKS GOOD! MAGAZINE インタビュー第3弾は、2016年の Cannes LionWebby awardsAwwwards Site of the yearなど多数の賞を受賞したFalter’s Inferno を制作したデジタルブランディングスタジオ WILD普段どのようにプロジェクトを進めているのか、どのようにクライアントと良いものを作り上げているのか、などお話を伺いました。

Question 1:
まずはじめに WILDについて教えて下さい。

WILD はオーストリアのウィーンを拠点に活動しているデジタルブランディングスタジオです。仲の良かったフリーランス4名が「一緒に会社をやったら、面白くなるんじゃないか」という話から、会社を設立しました。今では10名ほどのメンバーが在籍しています。まだ全員同じテーブルを囲んでお昼を食べれるほどの人数です。

引っ越してきたばかりの オフィスの様子

Question 2:
クライアントについて教えて下さい。

設立当初は、フリーランス時代からお付き合いがあったアディダスやインテルなどのインターナショナルクライアントが主なクライアントでしたが、今ではオーストリア国内のローカルクライアントとも仕事をしていて、彼らと仕事をすることはとても楽しいです!割合としては半々くらいで、これからもこの割合はキープしていきたいと考えています。

Question 3:
インターナショナルクライアントとローカルクライアントの割合は半々ということですが、2タイプのクライアントは、大きく特色が違いますよね?案件の進め方に違いはありますか?

そうですね、インターナショナルクライアントは、デジタルに対してすでに多くの経験や知識をもっていますが、ローカルクライアントの中には、そこまで詳しくないクライアントもいます。そういったクライアントには、まず最初に、デジタルを使うとどのようなことができるのかを教えてあげる必要があります。

Question 4:
どのような基準で仕事を受注していますか?

クライアントとの相性を重視しています。もちろん予算があるに越したことはないのですが、もし十分に制作費をもらえなかったとしても、クライアントのアイデアやプロダクトが素晴らしく、賛同できるものであれば、一緒にいいものを作れるよう、喜んで仕事をしたいと思っています。

今までお金のために仕事を請けたことはなく、これからもそうありたいと思っています。10人という小規模なチームだからできることかもしれませんが


Question 5:
どのようなワークフローで仕事を進めていますか?

クライアントから新規案件の連絡をもらったら、まず創業メンバーの4人でその仕事を受けるか否か判断します。受けると決定した場合、創業メンバーの4人のうち1人がテクニカルディレクターかアートディレクターとしてアサインメントされ、スケジュールや予算について考えはじめます。

私たちの提案スタイルはとてもシンプルで、言葉では多くを語りません。与件に対して最適だと考えるモックを制作し、クライアントに見てもらいます。特にローカルクライアントは、この提案スタイルを喜んでくれていて、完成系のイメージがつきやすいこともあり、私たちへ信頼感をもってプロジェクトを任せてくれます

また、私たち自身もモックを見てもらえれば絶対に受注できるという自信があります。そのため、モック制作段階で提案フィーなどは請求していません。

Question 6:
社内で使っているツールを教えてください。

Slack』を社内コミュニケーションツールとして、『flow』をタスクマネージメントツールとして使用しています。『flow』はとてもシンプルで使いやすいという点から選びました。そのほかには、『Adobe After Effects』、『Sketch』、『WebStorm』なども使っています。あとツールではないけど『Spotify』もなくてはならないものですね(笑)

Question 7:
1週間のうちチームメンバーが残業することはどのくらいの頻度でありますか?

設立した当初は残業をしがちでしたが、5人目のメンバーを雇ってからは、プロジェクトの進行管理に力を入れ、社員全員定時には家に帰れるようにしています。今では、生産性の低下にもつながるので、基本的には残業を許可していません。

例えばメンバーの1人が自身の作業に没頭していて、区切りがいいところもまでやりたいという時は、いつもより1時間長く働くこともあります。それを止めることはしません。しかし、1時間以上は許可していません。あまりやり過ぎてしまうのは良くないと考えています。

そのために常にオンタイムで作業を終了できるようにスケジュールは少しバッファをもって引いていたりします


Question 8:
会社として、どのようにメンバーに働きやすい環境を提供されていますか?

「WILD day」という日をなるべく毎月設けて、メンバーが交流する機会を作っています。BBQをしたり、ボードゲームをやったり、みんなでカーリングをしたりもしました。カーリングはとても面白いスポーツですよ。オフィスもリラックスして働けるように設計していて、ダーツやテレビゲームを置いていつでも遊べるようにしています。

Question 9:
副業は許可されていますか?

もしメンバーの誰かがいいアイデアを持っていて、そのアイデアを形にしたいと強く思っているのであれば、会社としてそのパーソナルプロジェクトを応援したいと思っています。過去には、そういったパーソナルプロジェクトから、 WILD のサイドプロジェクトへと発展したものもありました。

Question 10:
最後に「いい仕事」をする上でチームとして、重要だと思っていることはなんですか?

スキルとモチベーションです。私たちはお互いに知識を共有し、スキルの向上を目指しています。また併せて、チームメンバー自ら学びたいというモチベーションを持ち、新しい技術やデザインに触れてくれています。これらを満たしているので、私たちはとても良いチームになっているのかもしれません。


Latest works of WILD

<bundy bundy>

<eskapismus>

<Falter’s Inferno>


※この記事内容は2017年3月公開当時のものです。

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前回までの記事はこちらから!

Vol.2:「Happyでなければ『いい仕事』とは言えない」 — by Alvaro Arregui Falcon (Nuevo.Studio)

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