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「団結と自由が、チームのモチベーションを加速させる」 — by Red Collar <vol.11>

インタビュー第11弾は、CSS Design Awardで2017年のBest Agency Of the Yearを受賞した、ロシアの Red Collar が登場。ロシア国内におけるデジタルプロダクション界隈のリーディングカンパニーとして評価を受ける背景には一体どのような思想があるのか、インタビューを通して探ってみた。

Question 1:
まず初めにRed Collarについて教えてください。


ロシアのヴォロネジという地区にある、繊維工場地帯に建設された近代的なロフトオフィスにRed Collar はあります。会社の顔とも言える、クリエイティブディレクターのDenis Lomovと、彼のクラスメイトが2人で2011年に設立しました。2人ともヴォロネジにある別のデジタル企業で働こうとしていましたが、満足できる職場を見つけることができず、自分たちで会社を作ろうと思ったことがこの会社が設立されたきっかけです。

現在は3名のプロデューサー、5名のデべロッパー、6名のデザイナー、広報、そしてアカウントマネージャーの計22名が在籍しています。

私たちは、人々の心や感情にブランドの想いが届くような、印象的なものをデジタルにより生みだしています。WEBサイトやブランディング案件が多いですが、特にこれにこだわっているわけではありません。

Question 2:
どのような基準で仕事を受注していますか?

まずは予算を検討します。それに加え、私たちとクライアントの波長が合うかということも、予算と同じくらい大事なことなので必ず考慮します。

Question 3:
どのようなワークフローで仕事を進めていますか?

まずプロデューサーが、プロジェクトの概要、およびクライアントが何を求めているのかを聞き出します。そして業務範囲が決まったら、クライアントからヒアリングした情報をもとに、スケジュールを割り出していきます。クリエイティブコンセプトが形づくられたら、デザイナーがスケッチを作成し、それをもとにデザインコンセプトを作成します。その後フロントエンドとバックエンドの開発へと移行し、最後にテストをします。

Red Collar’s team

Question 4:
プロジェクトにおいて、誰に決定権がありますか?

プロデューサーはもちろんですが、アートディレクターによるコントロールが非常に重要です。プロジェクトの創造的なコンセプトを生み出しクライアントへ伝えるところから、細かな点まですべてを完ぺきに仕上げるところまで、アートディレクターは常に注意を払っています。こうすることによって良い結果を得られることができ、質の高いものを作り続けることができます。

Question 5:
クライアントの性質について教えて下さい。また、国外と国内のクライアントの割合はどのくらいでしょうか?

クライアントは、個人や芸能人、欧州の物流会社や大学など様々です。パーセンテージでいうと、おおよそ40%が国外、60%が国内です。

ロシアでは私たちはリーディングカンパニーであるとも言えるので、ありがたいことに、プロジェクトを受注する機会が不足することはありません。多くのクライアントが私たちの強みを活かしたアウトプットを求めて訪ねて来てくれます。

ただ私たちは、世界中のデジタルプロダクションやデザイン会社の中でベストな存在でありたいと思っていますし、誰もが知っているようなグローバルブランドとの仕事も望んでいます。

Question 6:
国外のクライアントと仕事をする際に、難しさを感じたことはありますか?

プロデューサー全員が流暢に英語を話せるので、言語や文化的な壁を感じたことははありません。

Inclerate


Question 7:
クライアントとはどんなスキームで契約を結んでいますか?

プロジェクトはいくつかのステップに分かれているので、ステップごとに費用が支払われなければ、次へは進めない仕組みになっています。

Question 8:
リモートワークや副業は許可していますか?

チームには団結が重要だと信じています。そして社員全員が、会社で起きていることを知っている必要があると考えています。オフィスは開かれた空間なので、他愛のないおしゃべりをしたり、興味を共有したり、プロジェクトについて議論したりすることができます。このような空間から長い期間離れてしまえば、それは疎外感となり、仕事に対してのモチベーションを失うことになります。なので、特別な状況下で限られた時間内であれば、自宅から働くことも可能ではありますが、推奨はしていません。

副業についても特に推奨しているわけではありませんが、禁止もしていません。

Question 9:
会社としてどのように社員に働きやすい環境を提供していますか?

会社にとって一番重要なのはチームとなる人です。なので、社員ができるだけ快適に過ごせるよう、機材はベストなものを揃え、座り心地のいい椅子を用意し、ラウンジも備えています。そして、各々がどこでどのように時間を使うのか、過ごす場所は最大限自由度を保っています。ダーツをしたり、ソファに寝そべったり、ランチに行ったり、好きな時に休憩をとったり。それらは、仕事に対してインスピレーションやモチベーションを持ち続けるために、とても大切なことですからね。


Question 10:
社員のモチベーションのために、他にも取り組みがありますか?

大きな賞を受賞できたら、バーで祝杯をあげ、次にやりたいことなどを話します。また、そのプロジェクトに参画していたメンバーにはボーナスを支給しています。

Question 11:
CSS Design AwardsのBest Agency of the yearを獲得された時に、テレビのインタビューを受けている様子をインスタグラムで見ましたが、このような出来事についてロシアの方々はどう受け止めているのでしょうか?テレビでインタビューされるということは、相当な関心があるようにと思うのですが。

ロシアの人々は市や国家を誇りに思っているため、たとえデジタルとは関係の薄い領域の人であっても、私たちの勝利に関心を持ってくれたのだと思います。

Question 12:
最後に、「いい仕事」をするのに一番大切なものは、会社として何だと考えていますか?

自分がやっていることを好きでいることと、細部にわたって完璧であろうとする向上心ですね。

※この記事内容は2018年4月公開当時のものです。


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前回までの記事はこちらから!

Vol.10 :「価値の交換は、常に金銭だけとは限らない」 — by Your Majesty--


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