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茹でザリガニ

ーニューオリンズの記憶

米ルイジアナ州のニューオリンズで、でザリガニ(ボイルド・クローフィッシュ)を食べたことがあるー。そう奥さんに伝えると、食い気味にいろいろ質問された。もう学生時代のことだからと返しながらも、脳内で当時の記憶を必死にたぐり寄せる。写真が手元にあれば、思い出す参考になるのだが、残念ながら今はない。

関連リンク:「食材としての有用性ー続・アメリカザリガニなど販売禁止」「飼うことの責任ーアメリカザリガニなど販売禁止

フレンチ・クオーター

掘り起こしたザリガニの記憶。ニューオリンズの歴史的中心部の一つ、フレンチ・クオーターの一角。こぢんまりした小ぎれいなレストラン。通りに接した窓際のテーブル。赤と白のチェック柄のテーブルクロス。

水の中にスライスしたレモンが入った手洗い用のボウル。皿一杯に盛られたそれほど大きくないザリガニ。剥いて山のようになったザリガニの殻。ベトベトになった手。あっという間に空になった皿。

ほかにも、思い出せそうで思い出せないことがたくさんある。写真でもあればヒントになったのだが、実家のどこかに仕舞い込んでいるはずだ。味はエビに近く美味しかった覚えこそあるも、どうもはっきりしない。

当時の価値観

記憶は取るに足らないものから忘れていくと聞いたことがある。当時の自分にとって、茹でザリガニを食べるという行為の価値が大きくて、むしろ味はどうでも良かったのかもしれないー。ふと、そう思った。

わが事だけによく分かる。十分にあり得る話。

(写真:『りすの独り言』トップ画像=フリー素材などを基にりす作成)

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