12/26

景品で当たった黒毛和牛が届いた。
ガーリックチップとスーパーで買ったタレにからめて食べた。
我ながら上手にできた。
できれば一人でなく誰かと食べたかったというのが本音である。
クリスマスの雑踏はどこへ行ったのか分からない。
そういえば今日は一歩も外へ出てなかった。
何も知らない癖に適当に言ったから忘れて欲しい。
先日ついたばかりの傷はまだ癒えない。
痛すぎて、感覚が麻痺してきてしまったかもしれない。
もはやあまり痛くない。
何故か、久しぶりに文章を綴りたくなった。
一人暮らしをすると、誰かと喋る時間を強制的に奪われる。
人は1日に話す量が決まっていると聞いたことがあるが、
文章でそれは補えるのだろうか。(そんなことは知る由もない)
好きな人が目の前から居なくなってしまった。
自分と話すくらいしか特にやることがない。
ひとりぼっちになると、”本来の自分”になった気がして少し安心する。
結構傷ついてるはずなのに、
こんな時まで呑気な自分が不謹慎で笑ってしまう。
この間は実家に帰った。
俗世から離れたその片田舎が、大学生の頃は大嫌いだったのに、
今は不思議と居心地が良い。
高校生になった妹は、軽音楽部だという。
家を出る時にあげたギターを、妹はたまに弾いているらしい。
私がある日突然買ってきた島村楽器の中古ギターを。
そういえば、大きなギターを担いで帰ってきた時、母は仰天していた。
新居のマンションは、当たり前のように楽器禁止の物件だった。
一人暮らしでギターを弾いてみたかったのに、
その辺はあんまり気にせず選んでしまった。
相変わらず適当な性格だなと思った。
文章は、普段気にしていなかった自分の性格が
急に浮き彫りになる。恥ずかしい。
日記はあの人につけろと言われたからつけてみることにした。
少なくとも、2023年の間は頑張ってみようと思う。
変われるチャンスだと思った。
私を地獄に突き落としたのはあの人だが
私の人生に新たなスタートラインを引いたのもまたあの人である。
「ありがとう」とは絶対言いたくない。が、何か結果を残せたら、
ジュース1本くらいは奢ってやってもいいかなと思う。

外に出る。
不覚にも涙が出る。
優しい風が肌を撫でる。
不運な出来事が巻き起こす新しい風だ。
今年もあと少しだ。悔いなく生きてやろう。

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