見出し画像

久々にウディ・アレン(『サン・セバスチャンへ、ようこそ』を観て)

ウディアレンの映画が好きなのですが、
Metooの件で盛りがってしまったからか、
アマゾン配給の映画は残念ながら打ち切られ、
なかなか日本では映画も見られず、歯痒い思いをしていました。

そんな中、2020年に海外では既に公開されていた
『サン・セバスチャンへ、ようこそ』が、やっと日本公開されて、
本日劇場に足を運んできました。

相変わらずのウディ・アレン節が炸裂している作品で、
人間の永遠のテーマである愛、友情、名声、仕事、欲望が
ここぞとばかりに描かれていました。

今回の映画は、『ローマでアモーレ』的な雰囲気がありつつも、映画という題材についての語りが多く、今の時代の映画祭について考えさせられました。

(ちなみに、この映画は、サンセバスチャン映画祭では、オープニング作品だったので、まさにその題材が扱われている本作品を、その場で観られた人にとっては特別なものになったに違いありません)

映画を見終わった後に、久々に彼の作品を振り返ってみました。
ウディアレンの映画でお気に入りは、たくさんありますが、
特に『ミッドナイト・イン・パリ』は何度も観た大好きな作品です。

ギル「もし君のこの時代に残っても、この時代がすぐに現在になる。他の時代が黄金時代だって考え始めるのさ。それが現在なんだ。現在には不満を感じるものなんだ。なぜなら、人生って不満を感じるものだから」

アドリアナ「作家の悪い癖ね。言葉ばっかり」

『ミッドナイト・イン・パリ』ウディアレン

映画終盤のこのシーンの言葉が特に好きで、
過去についてうらやましく思うことはやめようと決心しました。

結局私たちは、今を大切にしようとか
今しか生きられないんだとか、綺麗事を言いながらも
実際にはスマホで芸能人のニュースを見て1時間過ごしたりとか
買いもしないネットショッピングをずーっとやったり、
どうしようもない事で時間を過ごすことが少なくありません

そう考えたときに、時間がないとか、
あの人が嫌だとか、世の中が悪いとか、
大きな枠組みで物事を考えても、あんまり意味がないのではないか

例えば、やりたいことがあるとしたら
外部環境についてアーだーこーだいう前に
まずは自分のやってみたい事をとことんやってみる事
そしてそのときに、誰かの評価や見返りを期待しない事

こんなシンプルなことが、不満だらけの現在を
ある程度満足した日々に変えてくれるのではないかと思うのです

実際にウディは、毎日次の映画にむけた文章を描いて
少しでも過去の偉人に近づけるように継続的な活動をしています

彼の作品が今もこうして日本で観られるのは
彼が現在にできる事を精一杯やってきたからこそ

そんな事を考えていると
現在に直向きに生きるその姿勢が
実はウディアレンから一番学べることではないのか
そんな風に思ったのです

この記事が参加している募集

仕事について話そう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?