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そのひと言に救われた #私のパートナー

パートナーという言葉でまず思いつくのは配偶者や恋人。
次に思いつくのは仕事の相棒。
その次に思いつくのはスポーツでペアを組む相手。

現在の私にそのような相手と言い切れる人はいないのだけれど、そろそろ締め切りが迫ってきた投稿企画「#私のパートナー」に参加するために、何を書こうか考えている。

お題企画の内容はこちら


まず最初にパートナーという言葉で思いついたのは配偶者や恋人。
でも私は独身だし、現在付き合っている相手もいない。
以前、結婚してパートナーになるはずだった相手が、結婚する前に元カノと二人で「最後の思い出作り」の旅行に行ったことがあり、それが原因(それだけではないけれど)でお別れしたというネタはあるが、企画とは真逆の内容になってしまう。ボツだ。

次に思いついたことは自分の趣味のこと。
私は読書が好きで、編み物や手芸も日常的にしている。
だから「私のパートナーは本です」とか「編み針と毛糸です」とか「ミシンです」とかいう方向で書きたいなと思ったけれど、募集要項を見るとそういう方向で書くのは違うようだ。
これなら、いくらでもかける気がしたのだけれど、残念。

スポーツはしていないので、ダンスのパートナーとかペアを組んでいる相手もいない。
弟夫婦の関係がいいなと思うので、それについて書こうかと思ったけれど、「私の」パートナーではない。

うーん、仕方がない。
ここは私たち姉弟について書いてみることにする。というか、これしかない。
弟は仕事のパートナーらしき面もあるし、親に対する面にしても2人しかいない子どもなのでパートナーだと思う。

私と弟は幼い頃からずっと喧嘩をしたことがないまま、ここまで来た。
「うちの子どもは上下関係と役割分担がしっかりしているから、喧嘩になることがない」と父はよく言っていた。
気がついた時には出来上がっていた、しっかり者の姉像とちゃっかり者の弟像。
大人にとっていわゆる問題の無い子どもで、成績が良くて、期待された以上の結果を出そうとする姉。
いつも笑いを取ろうとおちゃらけていて、地元の友だちとふざけては親に怒られ、担任の先生にも反抗気味で目をつけられていた弟。
図書室に一人でいることが多かった姉と、友だちが多くてよく行き来していた弟。
役割分担はしっかりしていたかもしれない。
本人達が望んでそうなっていたわけではないけれど。

私は自分がやりたいことがわからないまま大人になった。
大学受験も希望する学部を受けさせてもらえず、それに反抗することもせず、何だか色々なことを諦めていた。
弟は私から見たら破天荒な部分が多かった。
大学を途中で辞めて、留学して、短期バイトや日雇いで働いて、旅に出て、父のコネで正社員になるも数年で辞めて海外に行き、戻ってきたらまた国内を旅して回っていた。
周りからの目を気にする他人軸で生きていた私にとって、弟はとても自由だった。
父親の考え方と真逆の行動をする弟。父親とはぶつかったりもしていた。
「お前なんか勘当だ」と怒鳴っていた父の声を聞いたこともある。
私は父の怒鳴り声が怖くて、怒られないように先回りをして父が望む行動をしていたのだけれど。
弟は自分がしたいと思うことに忠実だった。

私は色々と紆余曲折があり、心を病んだり仕事を休職したりした。
そんな私に弟が言った言葉がある。

「姉貴も自分がしたいことをして生きたらいいんじゃない」

その言葉を言われたときに、自分の気持ちが動いたのを感じた。
「○○しなければならない」「××してはならない」という常に誰かに決められた行動をしていた自分は、それで苦しいのだということにも気がついていなかった。できない自分を責めていた。
自分の心の声を聞くことができていなかった。
弟の言葉で目が覚めた思いがした。

弟は自分のしたいことをして、両親とぶつかることがあった。
でも結局、勘当なんてされていない。
父は短気で怒りやすく勢いで酷いことを言うから、勘当というのも勢いと脅しみたいなものだったのだろう。
子どもの頃は親に褒められるのは私だったけれど、今では弟の方が両親と腹を割って話ができている。

私はその後、仕事を辞めた。
身体を壊してまで好きでもない、むしろやりたくない仕事をしたいと思えなかった。
そう思ってもいいと思えたのは、弟の一言があったからだと思う。
それがなければ、仕事を辞めるなんて父親が許すわけもなく、怒鳴られることが怖くて我慢し続けていたと思う。
一歩を踏み出せたのは弟の言葉と、実際に彼が自分の思う行動をしていたからだ。
それから自分にとってストレスのない方法を考えて、まずは心と身体の回復を優先し、もの作りをして販売するようになった。
働きに行かない、結婚もしない私に対して、両親は色々と言いたいことがあったらしいが、弟がフォローしてくれていたことも最近知った。
弟から見た私は、何だか我慢して多方面に気を使って、親の目や他人の目を気にし過ぎてツラそうだったらしい。
「最悪のことを考えて」と親に言ってくれていたようだ。
私は生きることをやめてしまうかもしれないと、親に示唆してくれたらしい。
親もそれで慌てたようだ。感謝している。

子どもの頃のイメージが強くて、しっかり者の姉とちゃっかり者の弟だと、周りには今でも思われているけれど。
本当は弟の方がずっと大人でしっかりしている。
各地を転々として、海外にもあちこち行って、沢山の文化や価値観に触れ、様々な経験をした弟と、一人暮らしの経験はあるけれど東京を出たことが無い姉とでは経験値が違うのだ。

あのとき言ってくれた一言。私はずっと感謝している。


こんにちは。羽根宮です。
「#10月これやる宣言」で、お題・コンテストに参加すると宣言したので、苦手な分野や難しいお題にも参加しようと試みています。
当てはまりそうなことが無くても、書くことの練習も兼ねているので、なんとかひねり出すことを試みています。

今回は「#私のパートナー」に参加しました。

弟とはお仕事のパートナーの一面もあったりしますが、書き出すとキリが無いので割愛しました。
弟と奥さんはとても良いパートナーシップを築いていると思います。
うちは父が一方的に怒鳴りつける家だったので、互いに尊重し合って対話を重視している弟夫婦は良いなと思っています。

あと羽根宮の理想のパートナー像はこちら。

こちらに出てくる2組のカップルが好きです。
……甘やかされたいのかもしれない。


読んで下さってありがとうございました。
羽根宮でした。

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