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木の実このまま税理士【毎週ショートショートnote】

俺の父親は税理士で税理士事務所を開いており、数人の税理士や事務員を雇っている。
一人息子の俺も税理士になり事務所を継ぐことを期待されていた。
税理士試験に合格して実務経験が二年以上あれば税理士になることができる。試験は一度で全ての科目に合格しなくても良く、一度合格した科目はずっと有効なため、数年かけて合格を目指す人が多い。
俺も数年かければ受かるだろうと高をくくっていた。それまでは親の事務所で働いて実務経験を積めば良い。その内に円に桜の税理士バッジをつけて働いているだろうと思っていた。

だが十年以上経っても俺は試験に受かることができず、今では俺が税理士になるのは難しいのではという空気が漂っている。

「パパ、これあげる」
公園から帰ってきた五歳の娘が赤い実を差し出してきた。
「ここにつけるの。桜の実。バッジの代わり」
実がついた柄の部分を上着の衿穴に通す。

税理士バッジの代わりに実を挿され、俺はこのまま税理士を諦めることにした。

(410文字)


こんにちは。羽根宮です。
たらはかにさんの【毎週ショートショートnote】に参加します。
裏お題「木の実このまま税理士」です。

裏お題はギリギリ駆け込みになってしまいました。
よろしくお願いいたします。
……と思ったら、遅刻していました。ごめんなさい。
書いたから投稿しましたが、間に合わなかったので不参加と言う形で。

羽根宮は法学部出身で大学院にも行っていたのですが、法学部か経済学部で修士号を得ると税理士試験の科目が一部免除になるそうで、そのために大学院に入っていた方も結構いたなと、当時のことを思い返しています。
税理士さん、そろそろ確定申告でお忙しい時期ですね。
羽根宮は自分で確定申告をしていて、税理士のお世話になったことはないのですが、大変なお仕事だろうなあと思っています。

さて、そろそろ確定申告に向けてレシートの入力をし始めなくては。

今までに【毎週ショートショートnote】に参加したものはこちら


読んで下さってありがとうございます。
羽根宮でした。

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