異修羅

WEB版『#異修羅』既読勢の私がネタバレ抜きで勢いのままに綴る『異修羅Ⅰ 新魔王戦争』の感想

◆はじめに◆

地平の全てを恐怖させた世界の敵、“本物の魔王”を、何者かが倒した。
その一人の勇者は、未だ、その名も実在も知れぬままである。
恐怖の時代が終息した今、その一人を決める必要があった。世界最大の都市――黄都を目指して、強者たちが集う。
そこで勝ち進んだ一人が、『勇者であった』ことになる。
魔王を倒す英雄の物語は、唐突に終わりを迎えた。
そこには闘争の場を求める修羅だけが残る。
――今、修羅の名は十五名。
柳の剣のソウジロウ。
星馳せアルス。
世界詞のキア。
無尽無流のサイアノプ。
静かに歌うナスティーク。
地平咆、メレ。
音斬りシャルク。
絶対なるロスクレイ。
不言のウハク。
魔法のツー。
冬のルクノカ。
黒曜、リナリス。
窮知の箱のメステルエクシル。
おぞましきトロア。
逆理のヒロト。

(カクヨム版『異修羅』小説概要より)

 『異修羅』の舞台は、神が齎したと言われる詞術(しじゅつ)の力と、“彼方”(=現実世界)からやってきた“客人(まろうど)”の技術で発展したファンタジーな異世界。
 そこで生きる、常識や世界法則から逸脱し過ぎた強さを持つ英雄──修羅達は、それぞれの思いを胸に秘め、統一国家の首都「黄都(こうと)」を訪れます。
 この世全ての脅威たる“本物の魔王”を殺した真の英雄=“本物の勇者”を決めるトーナメント「六合上覧(りくごうじょうらん)」に参戦する為に。

 そして、2019年9月17日に発売された書籍版『異修羅Ⅰ 新魔王戦争』では、六合上覧の前に勃発した戦乱──黄都と新興国家「リチア新公国」の対立が描かれます。

 いやー、ホンマにええもん読ませて頂きましたよ。
 書籍版発売の告知がTwitterに出回った日の翌日からカクヨム版『異修羅』を読み始め、幾度も驚嘆しながら15日で最新話まで読み切って、他のWEB版既読者・WEB版新規読者の感想をひたすら追いかけ、kindle配信されることを知った瞬間「兎に角発売日に即読みたい!」という一心でkindle版を予約購入して。
 なんと、発売日当日~翌日の深夜にkindle版を読了してしまいました。
 発売してすぐの本を1日で、興奮しながら読み終えたの、一体何年ぶりでしょう。小学生、いや中学生以来なんじゃないかしら???

 最序盤なのに滅茶苦茶ボリューミーでハイカロリーなシナリオでした。
 既存キャラも新規キャラも、著者の珪素さんも、出版してくださった電撃文庫も、みーんなすごかった。本当にありがとうございました。

 予想の遥か斜め上をぶち抜く程に素晴らしかったし、WEB版を再読したい気持ちと再読するのがしんどすぎる気持ちが拮抗しております。

◆WEB版シナリオとの矛盾は一切なし! 加筆部分は全く蛇足じゃなかった!◆

『異修羅Ⅰ 新魔王戦争』を高評価したい理由はこれに尽きる。
「珪素さん、『12万字加筆してるけどWEB版のシナリオが変わるわけではないので安心してね』的なこと仰ってたけど、一体どこにどういう要素加筆したの? 書籍版初登場の修羅達(タレン、レグネジィ、ヒグアレ、ダカイ、ニヒロ)も居るけど、ホントにWEB版と辻褄合わせできてるの?」と、少々不安になりながら読んでたんですが……
ええ、全くの杞憂でしたね!!!

 八割くらい追加シナリオであるにも関わらず、本当にWEB版との辻褄合わせをやり遂げてましたよ!!! 
 読者を最ッ高に興奮させる超最強存在同士の血腥い戦闘&権謀数術で推しや人が沢山死ぬ『異修羅』らしいやり方で、完璧に辻褄合わせしてた!!! おかげで終盤はめっちゃ泣いたわ!!!!
このシナリオを容赦なく読者諸氏にぶつけてきた珪素さんは鬼か?!
いや、歴とした修羅だわ!!!
  
 あと、新規修羅達は皆ぽっと出の噛ませ役じゃないガチの最強として活躍し死闘を繰り広げてましたし、既存キャラ達の人物像がWEB版よりも更に深く丁寧に掘り下げられてたのが非常に嬉しかったですね。既存の修羅達(ソウジロウ、キア、ナスティーク等)のヤバさや、最強な力を持たない平凡な弱者たち(ユノやハルゲント等)の苦悩や葛藤がより際立っていました。
 個人的にはユノちゃんの株がウナギライジングしたので、ユノちゃん好きのWEB版既読者は絶対に買ったほうが良いよ!!!!

◆書籍版で初めて『異修羅』を知った人はWEB版も読んでみてね!◆

 これは本気で推奨します。
 
幼少期から続くアルスとハルゲントの因縁。
 いつ崩壊してもおかしくないエレアとキアの絆。
 死の天使ナスティークに守られるクゼの苦悩。
 “本物の魔王”を殺し、何処かへ消えた“本物の勇者”。
 きっと、「書籍版で描かれたアレコレが、こう繋がるのか?!」と衝撃を受けること間違い無し!!!
 徹底的に読者の予想を(良い意味で)裏切り、丁寧で説得力のあるキレッキレな描写&洗練されたシナリオ構成でぶん殴ってくる珪素さんの文章力、WEB版でも滅茶苦茶にヤバイですよ。本当に。
 「うわッWEB版最新話まで一気に読み終えてた!!!」と仰天することを保証致します!!!
 おそらく書籍版第2巻(2020年冬発売予定)でも何らかの加筆があるかと思われますので「こういう展開に一体どんな追加シナリオを盛り込むつもりなんだ???」と予想するのも楽しみになると思います!

◆おわりに◆

既読者達は常に新規読者達の感想に飢えております……
TwitterでもnoteでもブログでもAmazonレビューでもなんでもOKなので、『異修羅』の感想を書き残して頂けると幸いです。

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