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平行宇宙の狭間で

ふとした時に、この世界と私の世界のズレを突き付けられることがある。

階段を登る時、地面に対して垂直を保って登っていたはずなのに、登り切る頃にはつんのめって転ぶ寸前まで傾いていた時。

朝起きた瞬間に、寝ぼけた頭で、此処がどこなのか把握出来ないあの瞬間。

社会の大多数の人間が、自然と習得していく常識的事柄を全く知らないと気付いてしまった時。

それと、仲間内で賑やかに騒いでいても、急にスッと世界が遠くなって、私の精神温度だけがどんどん周囲と反比例して冷え切っていく時。

急に起きる発作みたいに、此処じゃない、と帰りたいが襲ってくる感覚。
生まれた時から、今の今まで、肺呼吸で生まれた魚という言葉が、定期的に脳をよぎる。

陸はうまく歩けないくせに、水中では呼吸が出来ないのだ。

平行宇宙の混ざりの中で、間違った場所に産まれたみたいな、この世界と私の間にほんの少し、しかし致命的なズレがあるような気がして。

身を置く場所を探し回って、疲れ果てて、まだ、何処にも行けずにごねている。

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眠れない夜に

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