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自主制作の雑誌「moyou」を創刊しました

私が成人する頃まで、父は地元で小さな書店を経営していました。(他の仕事もしながら)映画『騙し絵の牙』で塚本晋也さんと松岡茉優さんが演じていたあの親子が営んでいたような町本屋を。今も書店や美容室で雑誌を読むたびに、学生時代に雑誌を読んで世界が広がっていったあの感覚を思い出します。

現在私は映画宣伝の仕事と平行しながら、webメインですが、ライターと編集の仕事をしています。しかし、今の仕事や働き方に辿り着くまでずっとぐるぐるして、くすぶっていました。

30代になってから、20代の頃のようにやみくもに突っ走れなくなってきていて、ぼんやりと「思いっきり何かをやってみたいな」と思っていた昨年末、いつもの美容室で雑誌を読みながらふと「来年は雑誌を作ろう!」と思い立ちました。

そして今年に入り、1~4月の間に知り合いに話を聴きながら、本屋さんでさまざまな雑誌やZINEをリサーチし、コンセプトや内容を考え、5~9月にわたって取材や撮影を行い、10月~11月でデザインと校正を行い、たくさんの方々にご協力いただいて、無事、2022年11月30日に「moyou」を発行することができました。

ざっくり自分の雑誌遍歴を書くと・・・

小学生の頃は確か、「りぼん」と並行して「ピチレモン」「マイバースデイ」などを読んでいました。音楽では小室ファミリー(安室ちゃん、SPEEDなど)やT.M.Revolutionなどにハマりながら、高学年になると「黄金ボキャブラ天国」の影響でネプチューンや爆笑問題などに釘付けになり…。芸人さんのエッセイや書籍とあわせて、「ポポロ」「JUNON」「Myojo」「Duet」アイドル誌なども読んでいた記憶があります。(あと楽譜が付いていた「ゲッカヨ(月刊歌謡曲)」とか「WHAT's IN?」などの音楽雑誌も)

中学生では「マーガレット」「別冊マーガレット」などの漫画と、「nicola」「CANDy」「プチセブン」「SEVENTEEN」などのファッションカルチャー誌を読んでいました。その他、「CUT」「H」なども読みながら、バンドやミュージシャンってかっこいいなー、この写真のかっこよさは何なんだーーー!?って感じていた記憶があります。また、「BETTY'S BLUE」「HYSTERIC GLAMOUR」などのブランドが流行り、「CUTiE」や「ZiPPER」を読み始め、時々「KERA」や「FRUiTS」、たまに「popteen」なんかも買ったりしていました。安野モヨコ先生の漫画「メリーインザメリーゴーラウンド」や「ジェリービーンズ」を読み、矢沢あい先生の「NANA」の連載も始まり、東京への憧れが増した時期でした。(中2の頃に「nicola」に自分が書いた文章が載ったことは、今の仕事に繋がっている部分でもあるかもしれません)

中3の頃から携帯電話を持ち始め、高校2年生の頃に魔法のiランドでHPを作ってから興味の方向は少しずつ変化しましたが、高校に入るとモンパチ、BBQ CHICKENS、175R、シャカラビ・・・とバンド&古着ブームがはじまり、引き続きファッション誌は「CUTiE」や「ZiPPER」を読んで、UKIちゃんやYOPPYなどに憧れていました。

そこから高校生半ば~短大~成人の頃は「JILLE」「mini」「NYLON JAPAN」「SEDA」「装苑」「FUDGE」「PS」「Spoon.」あたりをよく読んでいた気がします。そして20代前半はナチュラルブーム&森ガール(懐)だったので、「装苑」「FUDGE」などと一緒に「リンネル」とか「ナチュリラ」とかも読んでいました。(その他、COMMERCIAL PHOTO、PHaT PHOTO、カメラ日和などのカメラ雑誌、インテリア雑誌のMOOK本、なども)

インターネットもまだ身近ではなかった頃の田舎でくすぶっていた自分の世界を広げてくれたのが雑誌と漫画(20歳を越えてから映画も)で、子供ながらに、写真や文章やデザインなど「かっこいい」ものがたくさん詰め込まれていた記憶が強くあります。そして、インタビューやストリートスナップなどを見ながら、世の中には本当にいろんな人がたくさんいるんだな、ということも教えてもらった気がします。

何かに憧れて、漫画を描いたり、デニムをリメイクをしたり、アカペラをしたり、バンドに憧れてギターを弾いたりしていたあの頃。ただ漠然と「かっこいい」と思っていたあの雑誌から溢れていたものって何だったんだろう。

そんな、これまで自分が感じて出会ってきた雑誌への憧れと、同じ時代を生きている人たちの価値観や考えなどとの偶然の出会いを詰め込めたらと思い「moyou」を作りました。

moyouロゴ

雑誌「moyou」のコンセプトは、これまで出会ってきた魅力的なヒト、モノ、コト、考え、生き方などをさまざまな角度や形で紹介すること。それらは、一緒に作っていただいたカメラマン、ヘアメイク、スタイリスト、ライター、デザイナーなど制作側の方々も含まれます。「moyou」を通して新たな出会いが生まれ、世界が広がり、読みながら誰かと対話しているような感覚になる雑誌を目指して制作を進めました。

今回、1から雑誌を作るのは初めての経験でしたが、創刊号からたくさんの方に関わっていただけたことは本当に本当にありがたいことでした。全て最後は自分で決めるとはいえ、自分だけで作ったものでは広がりが生まれないし、何より、面白いものはできないと思っていたので。

特に、表紙と巻頭ページをファッション&カルチャーメディアのQUI(https://qui.tokyo/)の高山さんと林さんに相談して、コラボという形でできたことはとても大きかったです。「moyou」の枠をぐんと広げていただいた気がしています。みんなで熱海に一日かけて15人くらいでロケに行ったのもとてもいい経験になりました。

熱海ロケの様子

そして、表紙・巻頭ページはQUIのmagazineと連動しており、本誌とは異なるカットを楽しむことができ、スペシャルムービーも掲載しているんです。(遊屋さんと上原さんの表情や醸し出している空気が最高です)

日々、ものすごいスピードでいろいろなことが変化しています。そんな世の中と対峙しながら、たまには立ち止まって「自分が大切にしていたいものは何だったっけ?」を思い出せるような。自分にとっても「moyou」はそんな雑誌にしていけたらと思っています。

今回は全て自費で作ったため、ちゃんと赤字になってしまったので(汗)、またお金を貯めつつ、次号は予算もしっかり組み立てながら作っていきたいと思っています。雑誌を読んで制作に興味を持っていただいた方はぜひ、InstagramのDMやメールでご連絡いただけましたら嬉しいです。

雑誌「moyou」販売店
◉B&B(下北沢)
◉TOUTEN BOOKSTORE(愛知)
◉キノコヤ(聖蹟桜ヶ丘)
◉QUI(web)

雑誌「moyou」創刊号
テーマ:わたしをつくるもの

■表紙&巻頭「心模様」
俳優・遊屋慎太郎と上原実矩。
触れて、揺らめく、ふたりが描く心模様。

■対談企画①:現在地
俵山峻(スクールゾーン) × 山田佳奈(映画監督・演出家・脚本家)
カトウシンスケ(俳優) × 坂尾篤史(オニバスコーヒー代表)
宇賀那健一(映画監督) × 戸川貴詞(NYLON JAPAN編集長)
須藤蓮(映画監督・俳優) × 綿貫大介(編集者・ライター・テレビっ子)
林健太郎 (NOTHING NEW代表)× 鈴木健太(クリエイティブディレクター・映像ディレクター)
安川有果(映画監督) × 西川朝子(映画プロデューサー)

■対談企画②:すれ違わないふたり
宮田佳典 meets 渡邊謙一郎
中澤梓佐 meets 菊地健雄
渋江譲二 meets 架乃ゆら

■さて、どこに住もう?
神奈川県・三崎 ミネシンゴ
北海道・喜茂別町 加藤朝彦

■特集:山梨県
アメリカヤ
DOux CAFE

■コラム
「ちょっとだけ振り返ってみる」
折田侑駿
白磯大知
中山求一郎
tsu

■アンケート企画
「わたしをつくるもの」

*  *  *

<雑誌「moyou」概要>
フリーで編集、ライター、宣伝などの仕事をしているやべさやが企画&編集を務め、2022年11月30日に創刊。これまで出会ってきた魅力的で面白いヒト、モノ、コト、考え、生き方などをさまざまな角度や形で紹介する雑誌。

キャッチコピーは「新しい“模様”と出会う」。

定価:本体1800円+税
発売日:2022/11/30(水)
判型・96頁:A4変形
※不定期発行

https://instagram.com/moyou_magazine

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