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診察メモ

 Twitterを始めるより前からボクは診察内容を診察後にノートにメモしていた。

 診察内容を忘れてしまったり、アドバイスを意識せずに生活したりするのは非常にもったいない。せっかく受けた診察を十分に活かさないと、双極性障害と闘うのは難しい。
 そこでメモを取ることが役に立つ
 メモを取ることで、診察でもらったアドバイスや指導を記録に残すことができる。また、メモを取るという行為自体がインプットの手助けとなるため、診察内容を頭に刷り込むことへとつながる。更に、文字にすることで要点をまとめることができ、診察内容を大事なポイントにだけ絞ることができる。

 長いことノートに診察メモを取っていたのだが、少々負担が大きいのもあって、社会人になるにつれてメモを残さなくなっていった。学生時代のように時間を確保することが難しくなったのも理由の一つだ。

 何ヶ月かメモを残さない日が続いた。そんな中、ある日、ノートが面倒くさいなら140字で済むTwitterにすればいいんじゃないか、とふと思い、Twitterに診察メモをしていくことにした。

 140字という分量の手軽さだけでなく、Twitterでメモを取るのはノートでメモを取ることに比べて便利な点があった。ボクが実感したのは主に三つだ。

 一つ目はいつでもどこでも書いたり見返したりできるところだ。
手書きのノートは、メモを書くための机が必要だったり、不安定な膝の上で書かなければならなかったりする。また、ノート本体と筆記具を持ち歩かなければいけないという手間があるし、ノートがなければ見返すこともできない。このような不便さを改善してくれるのがTwitterだ。
 Twitterはデバイスとインターネット環境さえあれば使えるツールなので、いつも持ち歩いているスマートフォン一台でメモを書き、確認することができる。わざわざノートを持ち歩く必要は無いし、書くのも確認するのも手の上でちょちょっとできて、非常に便利なツールである。
 加えて、Twitterにはハッシュタグという便利機能がある。この機能を使って、ボクはメモを手軽に見返すように整理している。
 例えば、ボクは2019年8月14日に、次のようなメモを取っている。
「なんでもかんでも双極性障害の波として捉えなくていい。正常な波ってことも十分にある #やちる診察メモ
 メモ本文に加えて、“#やちる診察メモ”というハッシュタグをボクはつけているため、過去のメモも見やすくなっている(この場合「#やちる診察メモ」というハッシュタグを検索すれば、すぐに過去のつぶやきを探すことができる)。そのため、3カ月も過去のツイートをすぐに引っ張り出すことができるのだ。

 二つ目は文字数が少ないので、メモを本当に重要なポイントに絞ることができるところだ。
 Twitterで一度につぶやける文字数は140字と上限がある。140字で書ける分量なんてたかが知れているし、連続でつぶやくのもスマートではない。そのため、大事なポイントだけまとめて一つのつぶやきにする。
 要点だけまとめるというのは案外難しい。白紙に自由に書いていいよ、という状態では、まとまらずにとっ散らかってしまうことが多い。そこで、字数に制限を与えてやることで、否が応でもまとめざるを得なくなり、自分にとって本当に重要なことだけメモとして抽出することができるのだ。
 140字というのもなかなかちょうどいい字数だ。1000字では疲れてしまうし、まとまらない。50字だとメモが簡素になりすぎて十分な情報量を持たず、役に立たない。そんなわけで140字は疲れすぎず、情報不足にならず、いい塩梅にある。

 三つ目はみんなと共有できることだ。
 ノートに書くと、自分だけの秘密となる。秘密にしておく方がいいこともあるが、他の当事者の役に立つような情報も診察で得られることがある。そんな情報はぜひとも共有したい。
 双極性障害を患っていると、診察で様々なアドバイスや指導をしてもらう。ボクの場合、投薬が治療のメインであるが、こうしたアドバイスや指導も治療に必要不可欠なものである。そして、それは双極性障害を始めとする精神疾患の当事者の多くにとってもそうなんじゃないかと思う。だからこそ情報の共有は力となるのだ。
 一回の診察の時間は限られたものであるし、ボクたちは多くの場合一人の医師の意見を頼るしかない。しかし、Twitterで情報を共有することで、一回の診察だけでは得られないようなアドバイスを得られたり、他の医師の意見を間接的に知ったりすることができる

 今のところTwitter診察メモは続いていて、ときどき見返したり、周囲から反響があったりする。Twitterを診察メモのツールとして活用することはなかなか悪くない。

ブログとはまた違ったテイストです。