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グループカウンセリングとTwitter

 主治医のすすめで、ボクは一時期グループカウンセリングに通っていた。そこにはTwitterとは異なる世界が広がっていた。

 私が受けていたグループカウンセリングは5~10人の当事者が集まって、臨床心理士が仕切って互いに悩みや相談、もやもやを話したり話さなかったりするものであり、そして、投げかけられた悩みや相談、もやもやに対してあれこれ言ったり言わなかったりするのだ。メンタルヘルスというテーマを元に、自由に話し合いをしているといった感じである。

 面白いのは、グループカウンセリングは仕切る臨床心理士は同じなのに日によって雰囲気がガラッと変わるところで、ずーんと暗い日もあれば、明るくただの談笑のように進んでいく日もある。背景にあるのは面子の違いだったり、持ち出した話題だったり、その日の天気のせいだったり。その日その日で変わるさまはまるで生き物のようで、とても面白く、興味深いものだった。

 グループカウンセリングで転がってくる話題は、対人関係の悩みのような自分に関連するものから、夫婦の不仲や離婚など今まで関係してこなかったようなことまで幅広く、大変勉強になった。自分の悩みに対して意見をもらえるというのもだが、人の話を聞くというのは自分の見識を深めることにおいて大変ためになった。というのも、顕在化していない自分の深層意識にある問題に刺激を加えられることもあったからだ。
 他にも、他の人に意見するというのも面白く、相手の悩みに対して、客観ながら自分事として捉えることで、困難に対して解決方法を考えるという思考が身に付いた
 グループカウンセリング外で会う人もできた。トラブルの元になるので、表向きは連絡先の交換や外で会うことは禁じられていたのだが、そこは暗黙の了解。グループカウンセリングではなかなかできない身の上話や日常会話を楽しんで、仲間意識を深めていった(※トラブルの元にもなるのでご注意を)。

 一方でつらいことも多かった。特に相手の話しに引きずられて自分の気持ちまでダウンしてしまったり、邪気を吐き出すことで気の張りが抜けて精神に隙間ができてしまったりと、精神状態に悪影響をもたらすこともあった。他の参加者にも聞いたら、同じような人が多々いたので、やっぱりグループカウンセリングはエネルギーが要り、疲れるものなのだろう。邪気はグループカウンセリング後も残り、家に帰りたくなくなることもしばしば。そんなときにはカフェやバーに行って精神を落ち着かせていた。
 バーに行ったのはグループカウンセリングで疲れてしまったときが初めてで、知らない人の中で静かにお酒を飲むというのは精神の安寧をもたらした。お酒が程よく回ってくるといよいよ精神も落ち着き、すっきりと帰ることができた。

 Twitterと比べてグループカウンセリングの異なる点は、人と面と向かって話すところで、それは良いことも悪いこともある。グループカウンセリングのメリットは一言でいうと相手の顔が見える安心感と責任感が生まれることだ。また、その場ですぐにレスポンスが返ってきたり、複雑なコミュニケーションがしやすいというのもある。そしてデメリットは、顔が見える分感化されやすかったり、話ししづらいことも出てきたりすることである。

 対してTwitterは顔が見えない分、軽めになりがちだが、気軽に悩みを吐き出すことができる。必ずしもリアクションが返ってくるわけではないが、それもまた一興。何かしらのリアクションが返ってきたら、単純なやりとりで会話ができる(逆に言えば単調な会話しかできない)。
 また、Twitterには「いいね」という便利な機能がある。読んだよの印だったり、共感できるの意味だったりと、そこに込められている思いは様々だが、ちょっと嬉しかったりする。少なくとも、誰かが見ててくれている、というのは精神的に安定をもたらす。

 密にコミュニケーションを取れるのがグループカウンセリングで、ごく簡単にコミュニケーションをとれるのがTwitterだ。一長一短であるので、うまく使い分けていきたいところだろう。

ブログとはまた違ったテイストです。