見出し画像

中川淳一郎「日本をダサくした「空気」怒りと希望の日本人論」

中川淳一郎「日本をダサくした「空気」怒りと希望の日本人論」(徳間書店)。電子書籍版はこちら↓
https://www.amazon.co.jp/dp/B0CM3F73NV/
 まさに言いたい放題である。魅力を失った東京、衰退する日本をこき下ろしている。ここまで言い切るのは大したものだし、言われた方(われわれ)もいっそスッキリする。ご本人は、博報堂を辞めてから「テレビブロス」などでライター稼業。その後、東京を去って唐津に移住。さらに日本に見切りをつけて、タイ🇹🇭へと脱出。特に本の後半はコロナ禍に対する日本政府と医療界の御用学者たちへの不信と絶望が極致に達している。それが移住の決定打だったようだ。時には口汚いくらいの論調だが、言っていることには腑に落ちることが多い。読んでいて、先日に紹介した佐々木俊尚『この国を蝕む「神話」解体 市民目線・テクノロジー否定・テロリストの物語化・反権力』に通ずるものを感じた。コロナ禍以外にも、タワマン信仰や高校野球の丸坊主など、多くの点で日本のダメさが述べられている。具体例は数々挙がっていたが、むしろ心に沁みたのは、抽象的にカテゴライズされた日本人像にリアリティを感じた。自分にも当てはまることが多いが、空気に流されやすい国民性であることはたしかだ。日本は今の閉塞を脱しないと、世界の後進国に転落するという危機感。「われわれ世代は逃げ切れる」と片付けてはいけない視点である。
①一度決めた方針を曲げることができない
②自由よりも安心・安全を重視し、そのためならば全体主義になることも厭わない
③根性論で物事を解決しようとする
④周囲の目が気になって仕方がなく、判断基準は「他人がどうしているか」で自我が弱い
⑤責任を取ることを極度に恐れる
⑥権威に弱過ぎる
⑦異論は潰す
⑧とにかく「長生きすることがQOLよりも大事」という精神構造になっている
⑨「他人のために我慢しなさい」の精神が根深い
⑩誤りに気付いても撤回できず、前言撤回をすると責任を取らされるため、間違ったやり方に拘泥し続けやめられなくなる。その際は、間違ったやり方をした仲間を道連れにする。
⑪陰湿
⑫全体をバカに合わせようとする
⑬バカなルールであっても「ルールはルール」でバカなことをやり続ける
⑭既得権益を守ることに必死
⑮「無料」と言われれば、ホイホイとそこに乗っかる


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?