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#12北欧への旅/デンマーク・ドイツを結ぶ海底トンネルの工事現場

朋子さんとわたしたち日本人3人女子会は続いています。

連日のごとく、日本とデンマークの架け橋のような存在の朋子さんは超ご多忙なのですが、合間をぬってわたしとMさんのために時間を割いてくれることに心より感謝です。

そんな朋子さんが

「どっか行きたいところありますか?」と聞いてくれました。

わたしもMさんも興味があるのは、観光スポットではありませんので、

「いゃ、特にはないんですけど……」

すると、朋子さんが「トンネル工事現場見に行きますか?」

…………??

「今、デンマークとドイツを繋ぐ海底トンネル工事が進んでいて、この近くに工事現場があるの」

「工事現場見に行きたい!!」とMさんが喰い付きました。🤣

そんなわけで、デンマーク・ロラン島までやってきてトンネル工事現場に行ってみることにしました。(視察旅行かい?😆)

米国・ミシガン州の田舎で暮らしているわたしと、日本の鹿児島の田舎で暮らしているMさんですから、デンマークとドイツの間で、そんな壮大なプロジェクトが進んでいたことなんてふたりとも知りませんでした。

これです。


トンネルの工事期間は8.5年で2029年に完成予定。完成すれば世界最長沈埋式の海底トンネルとなり、ドイツ・フェーマルン島とデンマーク・ロラン島間、39mの深さのトンネル内約18kmを車で10分、列車で7分で往来できるようになるそうです。

計画には10年以上を要し、当初はドイツとの共同プロジェクトとしてスタートしたそうですが、最終的には100%デンマークの出資プロジェクトになったとのこと。

トンネルが完成することで、ドイツとデンマーク間の玄関がロラン島になるため、将来はロラン島にとっても開発が進みそうです。そんなプロジェクトのおかげで、トンネル工事に携わる方々が欧州各地から長期にわたり家族で移住してきて、“田舎”だったロラン島に一気にグローバル化が訪れ、昨年には公立のインターナショナルスクールも開校したそうです。

そうそう、その影響で朋子さんは一昨年、ロラン島の市議会議員に立候補されました。ロラン島に居ながら、日本とデンマークを繋ぐ架け橋のような存在の彼女の功績を知る人々から、「外国人だからこそ、移民の力になれるはずというラブコールがあり、そのエールに動かされたのです。


そんな様子をネットを介して見てきたわたしは、日本人でありながらデンマークの市議会議員に立候補してしまうバイタリティーに感動していました。当選には至りませんでしたけど彼女のチャレンジ精神には心から称賛の気持ちがわいてきました。ほんとにスーパーウーマンの朋子さんなのです。

それはさておいて、工事現場に戻ります。

工事の工程などの説明が書いているパネル/工事現場がぐるりと見渡せる見晴台(右)

国家プロジェクトなのですから、市民一人ひとりに情報公開をするのはあたりまえであり、それは民主主義の基本です。そんなわけで、工事現場にはいつ誰が見に来てもいいように見晴らし台があります。

詳しい工程や各種データなどがきちんとパネルで説明されています。デンマークは政治的にも透明性が高い国であり、世界汚職ランキングの清潔度は世界一です。

皆で見張ろう、見守ろうとしている姿勢が伝わり、こんなところにもデンマークの民主的なはからいを感じました。

どこかの国のように、政治家が信用できないとか既得権益を守るために裏でひそひそ、ごそごそ、いろんなことがブラックボックスのまま、バレても責任取らないどころか、選挙しても再選できてしまうって、民主主義が機能しているとはいえません。

見晴らし台に設置してある工事の説明パネル
工事現場の全体が高いところからよく見えます
工事現場で働く人の住宅も現場内に
デンマーク語だけでなく英語版パンフレットも設置してありました

工事現場だというのに、わたしたちが居る間にも数台の車が見に来ていました。

海の向こうに見えるのはドイツ・フェーマルン島。まだ橋がないのでフェリーが運行。

このトンネルが開通したら、ドイツ側から列車か車で再びロラン島を訪れることができそうです。さて、そんな日がまた来るでしょうか?!!

開通してしまってからは、工事現場は絶対に見えないわけですから期間限定!!見る価値たっぷりでした。


工事現場のあとは、近くのスーパーAldiに寄ってお買い物。Aldiはドイツ系の食品スーパーですがデンマークにも120店、米国でも2000店以上あり、わたしもいつも買い物に行くお店なので米国とのちがいが比較しやすくておもしろかったです。やはりわたしが暮らす米国に比べると、生活物価はお高めという気がしました。

この日も夜はわいわいしながらいっしょに料理して、飲んで食べての女子会です。

デンマークにはフォルケホイスコーレという、大人が学べる学校の仕組みがあります。大学のようなアカデミックなものではないため、成績がついたり単位取得のための学校ではないのですが、人生でふと立ち止まったりしたとき、ライフスタイルを見直したいときなどに学びたいことを学べる感じの学校です。

最近は北欧留学というと、フォルケホイスコーレが流行ってきているようですが、朋子さんはそんなスクールの立ち上げも目標のひとつとして活動されています。

ともかく、日本人でありながらもロラン島に根を張って、自分が理想とする世界の実現のために、自身の人生を捧げまくっているような生き方をしている女性です。

キラキラしている人と過ごす時間は、楽しくてわくわくしました。朋子さんにいつか会いに行こうと思っていたことを実行してほんとに良かった。

名残惜しいけど、ロラン島でのおしゃべり女子会はお開きとし、マリボー駅からまたコペンハーゲンに戻ります。

そうそう、スーツケース追跡も残っていますからネ。

つづく

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