見出し画像

ランニングって宗教っぽいけどホントに救いの神なんだわ

長距離を走りたいとか、走るのが楽しいとか、
思ったことがないまま46歳になった。
体を動かすことはきらいじゃないけど、苦しいことはきらいだから。

ただ、焦りはあった。
年々体力が落ちているし、体の質が急スピードで衰えている。
子どもに誘われても走れない。すぐに疲れて動けなくなる。
ここ3年ほど食生活は変わらないのに、
年1㎏のペースで体重が増えている。

このままではマズイ。
今から何かを始めなければ、取り返しのつかないことになる。

そんなことを思うタイミングで、知り合いの編集さんから「ランニングは絶対にした方がいい」と言われた。そりゃそうでしょうね……でもいやだよ。

これみーんな思うやつ。「そりゃそうだろうけど、いやだよ」

私とて、だから最初は「ランニングだけはナシですね~」なんて話していた。
が、次に会ったときも編集さんは、
「ランニングして損なことはひとつもない。いいことばかりがある」とイキイキ話すわけですよ。

また言ってる……!

曰く、体力がつき、肌がきれいになり、かっこいい筋肉がつき、体が締まり、姿勢がよくなり、便秘が治り、自己肯定感が上がると。
そんなうまい話あるか?というほどのうまいことばかり。
もうむしろうさんくさい。

ランニングって宗教にも似ているの…かも。だから人は拒否反応を起こすんですかね。「これ絶対いいから!」と言われると、ついガード態勢に。

だがしかし、実際のところ宗教ではないので金を取られるわけでもなければ、周りを勧誘する義務もない。

じゃあ、やってみればいいじゃない。……という気になってきた。
編集さんは私とほぼ同じ年で、だからこその「今始めた方がよい」という親切心もありがたい。

自分の体の将来が不安なのだったら、やってみればいいじゃない。
・・・不安だからすがる、という点でも宗教っぽくはあるが。

若くして走っている人とは、全然動機が違うんでしょうねえ。


ついにランニングを始められた決めの一手


その編集さんが、ある日言った。
「マルサイさんのランニング本を作っているのだけれど、マルサイさんの走るモチベーションが下がっているから一緒に走りませんか」と。

マルサイさんは近所に住んでいるエッセイ漫画家さん。


うっすらとした面識しかなかったけれど、マンガがとにかく面白く、お人柄のよさも伝わってきて、フツーにファンであった。
一緒に何かできるなんて、めちゃうれしい~!

さらには、お仕事パートナーの本多さおりさんが、ちょうど「ランニング始めたいなあ」とか言ってもいたのだ。本多さんとマルサイさんは共通の編集者さんが複数人いる関係でお友だち同士であり、雑誌対談もしている仲。
これは、みんなで走ったらよいのではないか!

というわけで、ランニングを始めるにはあまりにラッキーな状況。一度も自主練しないままに、この4人で走る会に参加したのだった。

このときの様子は、マルサイさんの著書『ゆるランニング』にも描かれている。漫画家さんに自分を描いてもらうなんて夢のよう!

しかしこのとき、すでにランナーであるマルサイさんと編集見上さんは余裕も余裕。本多さんも元アスリート&若さ(唯一の30代)で余裕。

私だけが2kmほど進んだところで足が鉛のように重くなり、
「腿が、腿があ~」とムスカのようにうめきながらヨタヨタし始めてしまった。翌日以降数日にわたり、壮絶な筋肉痛に襲われる羽目である。

それでも、このときの楽しさが私をランナーにしてくれた。みんなのように軽快に走れるようになりたい、と自然に思うことができたから。

これをきっかけに、週に2~3度、2㎞程度を走る習慣がついた。
みなさんのアドバイスに沿ってシューズやらウェアやらもそろえたので、元を取るまでやめるわけにはいかないというもったいない精神も続ける背中を押してくれた。

半年後には5㎞を走れるようになり、
10か月後には10kmを走れるようになった。
途中で、トレイルランニングにも食指を伸ばしている。そのときのことはまた今度…。

そしてランニング開始から1年半。体力はバカみたいについた。

生活をしているうえで、バカみたいに体力があるのは本当に便利だ。
1日中子連れで買い物をしても、さほど疲れていないので夜は普通に自炊ができる。疲れてイライラしたりもしない。
1日にいろんな用事を詰め込めるし、子どもの要望を聞きながら自分のしたいこともできる。
アクティブに動き続けて、寝る寸前まで上機嫌。
例え疲れても、1時間もゆっくりすれば回復していつも通りに。

ホンット便利。
アラフィフにして、体力のピークがまさに今である。

お仲間中年のみなさん、だまされたと思って始めてみませんか。まず、マルサイさんの『ゆるランニング』を読んでみるのがおすすめ。マルサイさんも、長距離のちの字もない人だったのだから。
走ることへのハードルが爆下がりすること請け合いの、おもしろくって参考になる名著です。


笑顔のマルサイさん(左)とわたくし。
昨年は市民レースに一緒に出場!5kmの部で完走しました~

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?