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高尾山はいいぞ

てらしなのです!お久しぶりです!!

色々なことに追われて更新はしてませんでしたが、
ちょこちょこ山には登っていました。

膝の調子を見ながらなので、
最初はあまり激しいことはせず…。

また、私は下山が元々苦手だったのに加え、
膝を痛めてからは下山の関節への負荷が怖かったため、
トレッキングポールを新調して積極的に使うことに。

Black Diamondのものを買いました!
軽いし丈夫だしでとても助かっています。

激しいことはしないけど、
山には行きたい……。
しかも冬に雪山にならない山……。

となれば、やっぱりまずは高尾山に行くことが多くなるわけです。

「いずれは北アルプス!!」なんて意気込んでた人間が、高尾山に通い詰める……。

現実と目標のギャップに落ち込んで、
「こんなんで北アルプス行ける日は来るのか??」と不安に駆られた時期もありました。

でも、今から思えば、
高尾山での時間は、
私がこれから山を楽しんでいくために
絶対に、絶対に、必要だったと思います。

なぜなら、
体力的に必死になりすぎない山だからこそ、
山の様々な魅力に気づく余裕ができたから。

もう高尾山に足を向けて寝れない。


まず始めたことは、周りの植物や鳥などを見てみるということでした。

6号路で見つけた!空洞になってる!

当時の私は、高尾山については既に何度も登っており、登るコースを変えてみたり、登るタイムを縮めてみたり、そういうことだけではどうしても飽きを感じるようになってきていました。

そんな時に、そういえば登山好きの中には花の名前に詳しい方が割といたな…と思い出し、とりあえず名前が分からなくても良いから見てみようと思い立ちました。

「花を見てみよう」

そう意識すると、初心者向けの山ではその山で咲いている花を季節ごとに紹介したビラや小冊子を配っていることに気づきました。

せっかく良いものが置いてあっても、意識しないと気づけなかったりしますよね。

そういった冊子なんかを参照しながら山道を歩いていると、「あ…この時期に本当に咲いてる」「すごい所に咲いてるな」「この咲き方かわいいな」等いろいろな感想をもつように。

ちっちゃすぎて守りたくなる

その花を見つけられたこと、見つけられるくらいに山道を歩く以外のことにまで意識を広げられた自分が嬉しくて、花だけに留まらず色々な植物の写真を撮るようになりました。


鳥のさえずりも、正直ちゃんと意識していなければ聞こえてすらいない時もありました。でも、高尾山では、時おり木の上の方を何かを探して見つめている方を見かけます。

そういう時に耳を澄ませると、さっきまで聞こえていなかった鳥の鳴き声に気づけたりします。

鳥は鳥でもこんな鳥まで

他の人が良いと思うものを知り、その世界に自分も少し足を踏み入れてみる。そうして、自分の山での楽しみ方も広がっていくんだなと何度も気づかされました。

稲荷山コースの序盤。わくわくする。

花や鳥に限らず、自分が何を「いいな」と思うかは日によって違っています。

その日その日にいいなと思うものに素直に惹かれていくと自分の状態に気づけたり、自分の好みの多様さを面白く感じたり、とにかくどんどん世界が広がっていくのが分かり、とても楽しいです。

何この伸び方
葉と幹の色のコントラストが良い
下の切り株?に向かって
照明が当たってるかのような木漏れ日

そうして少しずつ山での楽しみ方を研ぎ澄ませていくうちに、だんだん些細な木漏れ日の変化だったり、かすかな風の音、土の匂い、曇った日にほんの僅かに見えた麓の景色など、山に行くたびにどんどん好きだと思うものが増えていきました。

いつの間にか、下山しようとする度に「もう…帰りたくないな」「ずっと山にいたい」と思うほどに笑

足踏みするのが楽しくなる季節

仕事が嫌だから帰りたくないとかじゃなくて、
山にいることが居心地良すぎて帰りたくない。

だんだん、自分が山の中にいることのほうが
しっくりくるようにすらなっていきました笑

このカツ丼が好きすぎて何度も食べちゃう



また、高尾山の手軽さは他にも良いことが。
それは、手軽だからこそ、新しく買った道具を試しやすいということ。

例えば、初めてガスバーナーとシェラカップを買った時のこと。

過去に、乗鞍岳の山頂近くでお湯を沸かしてカップヌードルを食べている登山者を見かけた時、私は「それやってみてぇ!!!!」と心の中で全力で思いました。

 時が流れ、いよいよ道具を購入。

「いきなり高い山へ持っていっても、ちゃんと火がつかなければラーメンを食べそこねるかもしれないし…どうせなら近所の手軽な所で試したいな……あ……高尾山だ……」と5秒で思いつき、リュックに詰め込んで高尾へ行きました。

山が喫茶店に変わります

 高尾山頂で説明書をガン見しながら、スイッチをカチカチ鳴らしてあーでもないこーでもない言いながら、なんとか点火することができました笑

最近の山でのお気に入りは抹茶

 これ、高尾山だからこそ心に余裕をもってあーでもないこーでもない出来たけれど、それなりに体力気力を使う山で一人でこんなことをやっていたら、「ぐずぐずしてたら下山遅くなっちゃうよー」「せっかく重い物担いできたのにー」等、かなり焦ってしまったのではないかと思います。

こういう時にも「あー、やっぱり高尾山ってありがたいな…」と感じます。
私のようなどんくさい人間にも、色々なものを楽しむきっかけをくれるのです。


また、通っているうちに高尾山では
色々な試みが行われていることにも気づくようになっていきました。

比較的大きな規模のものだと
スタンプラリーが行われていることに気づいたり、
新しいお店や登山者用のベースが出来ていたり。
(もちろん昔からある定食屋さんやお蕎麦屋さんも大好きです)

タカオネのプリンとても好き
胸が熱くなるビジターセンターのジオラマ



身近な規模のものだと、例えば季節ごとに飾りが変わる切り株とか、木から落ちたお花を誰かがお地蔵さんに供えていたりとか。

この切り株、1号路にあるのでぜひ探してみて下さい


お花を供えたの誰〜!!センス良すぎ〜!


「ここを更に面白くしよう」という気持ちとか、
ちょっとした誰かの遊び心とか、
そういうものが今、高尾山には集まってきているように感じられ、とても面白いです。


同じフィールドで楽しんでいる人が他にもいること、
もっと楽しみたいと思っている人がいること、
そのことは、
自分自身が好きなことを
もっともっと好きになっていいんだよと
背中を押されているように感じられて
とても居心地が良くて嬉しい。

私もその渦の中に入って
高尾山をもっと楽しくしたい、
高尾山に来た人がより楽しい思い出をつくれるようにしたい、
そんなことを思ったり。

何ができるかなぁ。

とりあえず、友人や職場の同僚と登りに行ったり、色んなコースを歩いてそれぞれの良さを感じてみたり、山道に設置された看板を読んで知識をつけてみたりしています。ガイドツアーも参加してみたいな。

山と電線の競演


…という感じで、足の怪我のためやむを得ず来ていたはずが、どんどん面白く感じている自分に気づきました。

山の楽しみ方を高尾で覚えると、
膝が徐々に回復して他の山に行くようになった時にも
自然と色々な楽しみ方を他の山でも出来るようになっていました。

それに気づいた時、私は心の底から「高尾山があって良かった」と思いました。

初心者も、上級者も、
トレイルランナーも、
一度は登山から離れていた人も、
バードウォッチャーも、
ベビーカー使用中の子ども連れも、お年寄りも、
部活終わりの学生も、
ご近所さんも、外国人観光客も登っている、
色んな人に春夏秋冬
門戸が開かれた山。

その懐の広さがとても魅力的なのです。

(この広い懐を、更に更に広げていけたらな…
なんて思ったりもします。)

奥高尾方面へ行く時、ネットから提出し忘れたら
高尾山頂からも出せます

全国には、私の地元のように名峰をいくつも抱える山岳都市は複数あるけれど、これほどまでに様々な人に門戸が開かれた山をもつ地域はというと、実はそんなに多くはないのでは?と私は思います。

山は美しい、
山は楽しい、
されど気づくチャンスが無い。

それはとても勿体ないことだと思います。

敷居の低い山を大切にしていくこと。
それはこれから先、山が“一部の人の趣味”ではなく、“自分でも行ける場所”や“休日に行く選択肢の一つ”になっていくといった、人がもっと気軽に自然と触れ合うきっかけを守っていくことに繋がると思います。

私は山に生きがいをもらった。
山のおかげで、生きていることがしっくりくるようになった。
山のおかげで、自分の可能性を信じられるようになった。

こんなことを他の誰かだって経験するかもしれない。

ならば、人々と自然をつなぐ高尾山みたいな山を、とてもとても大切にしていきたいと思うのです。

だからこれからも、さらなる魅力や可能性を探して、どんなに自分の登山スキルが上がっていっても、高尾山に通うぞ!!

……という、長い長い高尾山へのラブレターでした笑


夏にぴったり過ぎた
八王子出身·北島三郎の「高尾山」
調べたら良い歌詞だった。


こうして高尾山で徐々に体力を戻し、膝の調子もだいぶ回復してきました。

そして遂にこの夏、
3年前からの念願だった北アルプスへ!!

そちらの記事も投稿する予定なので、良かったら読んでやってください!

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