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介護報酬の訪看リハ減算についてのあれこれ

2024年4月16日現在のコラムです。

報酬改定で、訪看リハは事業所の体制とか前年度の実績などから減算となる事業所が出るような改定となりました。

減算についての説明スライド

下の図は、Q&Aその1に掲載されている、訪問回数のカウントの方法です。

4月15日時点ではこれ以上の情報は出ていない。

現時点でSNSなどに散見される疑問はこれでしょう。

「前年度の実績をカウントして判定するのは、利用者さん個人単位なのか、事業所単位なのか?」

「介護予防である要支援、介護保険である要介護それぞれ別に実績をカウントするのか?」

という2つの疑問ですね。

現時点でこのことに関するQ&Aは出ていません。

これに対しての個人的見解は

前年度の実績のカウントは事業所単位で行い、それに対しての減算対象はその事業所のすべての利用者さんとなる。

要支援と要介護は分けてカウントし、それぞれで減算対象となるかどうかを判断する。要支援では減算となるけれども、要介護では減算とならない事業所も出てくるのではないかと考えています。

減算となる事業所の今後の対応についてはどうなるでしょう?

2021年の改定以降、リハを中心とした事業所さんで先を読んでいる経営者さんは看護師の雇用を進めておられました。今回の改定に間に合ったかどうかはわかりませんが、リハ中心の運営ではこれからの改定は厳しいと考えておられる経営者さんは多いようです。一方、改定のことなど気にせずにリハ中心の運営でやっている事業所も全国的にはまだまだたくさんあります。

そんなこんなで、この減算にどのように対応するのでしょうか?

いくつかの事業所さんに聞いてみた

前年度の実績で比較して看護師の訪問回数よりもリハ職の訪問回数のほうが多いいくつかの事業所に2024年度以降の対応を確認してみた。

その結果、とりあえず現行のまま訪問を継続するとの回答がありました。リハ職が多い訪問看護ステーションはそのまま規模の大きさで現行通り乗り切ることを考えているようでした。でも順次看護師の増員は検討される様子。

リハ職と看護師が同数程度の事業所でも、結果としてリハの訪問回数が多くなる事業所も同じ訪問回数で引き続き訪問対応すると話されているところもありました。

ちなみに私が勤務している訪問看護ステーションは看護師の訪問のほうが多いので減算対象とはなっていません。

事業所の収益とか規模とかにもよりますが、この減算がすぐに収益として赤字に追い込まれるようなことにはならないのだろうと考えています。

減算により利益は減る。だけど、訪問の利用者数を増やすことでトータルの収益を前年度以上にすることは可能だと考えているんじゃないかなと捉えています。

一人一人の利用者さんの減算はあっても、トータルの利用者数が増えれば収益としては安定するということですよね。

2030年同時改定に向けて考えていること

今回の改定後の事業所のそれぞれの対応にもよると思いますが、全国的に見るとこの改定で、リハ多数の事業所が減るということにはならないと予測しています。

そうなると当然ですが、訪問看護リハに対しての締め付けは厳しくなることが予想されます。訪問看護からのリハ職訪問ができなくなるようなことにはならないだろうと思いますが、減算幅は大きくなったり、訪問回数の制限(看護師の訪問回数を上回らない)というようなことは取り上げられることになると予測しています。

訪問看護ステーションとしての、リハのあり方に対しての適正化が図られる方向になるでしょう。看護師の人数とリハの人数が比べられるんでしょうね。人数の多い所はもっと減算になるんだろうなあ。

個人的にはこれまでの経験や海底の方向性から言うと、リハ多数の事業所よりもリハ少数の事業所で看護師さんが多い事業所の方が圧倒的に有利になるでしょう。

リハ職が群れずに個人の力でリハ職がいない訪問看護ステーションでしっかり能力を発揮することが求められるのだろうけど、群れることが好きなセラピストには無理だろうなと思います。

リハ難民が出るじゃない・・・

という意見もありますがそんなことにはならないのです。そのことについてはこちらに書いています。

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やまだリハビリテーション研究所
作業療法士
山田 剛

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