見出し画像

やさしさに包まれたなら

待つわとまちぶせ」にて石川ひとみの「まちぶせ」は大逆転ホームランとなったと書いたが、作詞作曲は言わずと知れたユーミンである。大逆転になった曲として強烈に思い出すのがバンバンの「いちご白書をもう一度」だ。ばんばひろふみのラジオ番組はよく聞いていたので自分のことのように喜んだが、これで駄目なら最後にしようと楽曲依頼したと後で聞き大変驚いた。

ユーミンが凄いのはメロディーラインが豊富なことだろう。天才は天才でもモーツァルトのように多彩なメロディーを紡ぐので楽曲提供でも成功する。
ドリカムのデビュー当時にユーミンと比較されていたが、吉田美和が歌えば大抵の曲はいい曲に聞こえる。ユーミンの歌唱力ではそうはいかないとよく思ったが、ユーミンがさらに凄いのは歌唱に頼らず大ヒットを飛ばす所だ。

実際ユーミンをカバーする人は多数だが、どう聴いてもカバーする人の方が上手いことが多い。特に今井美樹の「青春のリグレット」には涙が出るほど感動した。ユーミンの曲で「青春のリグレット」を一番に挙げる人が多いのは納得するが、アルバム「流線形'80」に収録されている「埠頭を渡る風」が一番であり、後にコンサートフィナーレの定番になったのを知って驚いた。

一番は「埠頭を渡る風」だが、一番の思い出は「やさしさに包まれたなら」である。てっきりクロネコヤマトからジブリに製作依頼したと思っていたら逆だった映画「魔女の宅急便」の主題歌になって、その映画を八ヶ岳の麓で家族一緒に野外鑑賞した。まだ上の子がよちよち歩きだったので夫婦二人の思い出なのだが、自然のやさしさに包まれて見るジブリは格別だったのだ。

しかし人間にとって大事なのは自然の愛ではなく無償の愛である親の愛だ。小さい頃の願いを叶えてくれる親は子供にとって神様だ。その親のやさしさに包まれて育つことはとても幸せであるし、何があっても自分の味方でいてくれる人がいれば、人生を漕ぎ出だすにおいて強力な後押しになるだろう。「いつでも私はあなたの味方だ」と言う親の愛を思い出させる素敵な曲だ。

#やさしさを感じた言葉

この記事が参加している募集

思い出の曲

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?