題名を変え下記リンクpart2の続編です。

うちの両親。特に親父は仕事もプライベートも、柳原家のルーツも
一切言わず、家の中で会話をする事がまずない。

そう言う家庭だから両親の行動、言動はよく覚えている。

既述した事だが、国鉄労働組合の門司鉄道組合委員長だった親父
に、小学校時メーデーやストライキなる場所に連れて行かれ、この
目で見た。

先日、初めて私は父に言った。
以下分かり易く纏めた私が若い頃から思う、変わらぬ考えである。

今はパーキンソン病の親父は、何も反論しなかった。

親父は家で一言も物を言わない人だが、質問して分からない事を再
度聞くと「うるさい！」と怒鳴る。特に機嫌が悪い時は必ず怒る。

叱られる事が嫌になり、私は自然と場を読む癖が付いた様に思う。

年が経ち、小学生も一年一年と重ねるうちに考え、今でも守ってる
事が２つある。父親を反面教師として、捉えたもの。

「機嫌が悪い時、人に当たる事はやめよう」と。

また、何度も同じ事で、怒鳴られ続けられる弟を見て思った。

「同じ事を何度も言われる奴は馬鹿だ。すぐ直そう」と。

そう思う様になった。
だから自分が「この世界やこのスポーツに向いてない」と思う事
はやらなかった。野球も監督に叱られリトルリーグをすぐ辞めた。

更に幼稚園と小学生の頃、こう言う事があった。

私の記憶が正しければ、過去2回、驚愕し、大声を出し慌てた事が
ある。この刷り込みが後に、今の私の性格を形成する事となる。

１度目は風呂に浸かり、窓の方を見たら、ナメクジが這っていた。
驚いて大声で叫ぶと「どうした！」とバットを持った親父が来た。

親父を見るなり「ナメクジー」と、大声で叫ぶと、つまらなさそう
に、こう言った。

「なんかつまらん。泥棒かと思った。塩をマブしたら消える」。

そう言って、台所から塩を持ってきて、ナメクジにかけ、悠然と黙
って出て行った。

2度目はゴキブリが出た時。
当時の柳原家は、六畳二間に親子4人で住んでいた。

部屋で夜中に1人本を読んでいたら、大きな虫が飛んできて額にと
まった。

カナブンが多く出る地区だったので、額から叩き落とすとカサカサ
っと這い、逃げるそれはゴキブリだった。

これはショックだった！のちに小倉北区で過ごし出し、まず驚いた
事は、ゴキブリが小さい。門司区の当時のゴキブリは兎に角デカか
った。

当然大声を出すと、寝ていた親父が「何か？」と、眠そうな顔で起
きて来た。

ゴキブリを指差し「ゴキブリッ！」と叫んだ。まだ10歳そこら。
と言うより、どんな子でも驚いて叫ぶと思うのだが、親父は驚か
ずに言った。

「男がゴキブリ位で狼狽えるな！」。

女ならいいのだろうか？
とにかく大声で怒鳴り、私の頭を平手で軽く叩いき、襖を閉め親父
は眠った。

この時以来、私は狼狽えたり、驚いて大声を出すといけないと思い
その後のイケない青少年時代を経て、物事に動じず、また動じても
顔や態度に一切出さなくなる、という人格が形成された。

それ以来、殆ど怒られたことはない。

今思えば笑い話だが、当時父親とは絶対の存在だったので、驚く事
は、人から嫌われたり、悪い事なのかと思っていた。
笑い事ではなく真剣に驚かない様、気を付けた。

良いも悪いも上記の話は、良い教師と、反面教師を父が２つ、私に
行った。

上記の経験や、前作に書いた母方の祖父と、東京工大を不合格とな
り東京駅で失神し、救急車で運ばれた母の弟。

つまり叔父の驚異的な記憶力を、私は受け継ぎ過去も今も、仕事や
依頼ごとで大変皆様に役立たれている。
現在、出版している書籍を出す発端にもなった。

余談だがこの叔父は、東大を目指していたが、先生から東大合格は
難しいので、絶対確実な東京工大を受ける様言われ、それに落ちた
事がプライドを傷つけ、失神。仕方なく慶應大学に入学した。

慶應の大学院を出て、某上場会社に勤務。長男が生まれてアメリカ
に赴任した。前回迄の祖父の記録は、この叔父が全て作った。

さて話を戻す。

私の様な育ちは、絶対にレアなケースだ。
こんな親を持ち、こんなにプラス思考になった私は、ただのマグレ
か、間違いで育ったと言っても過言ではない。

ボクシングを適当に教え、その辺で好きに練習してろ、と言ったら
偶々、ボクシングの日本チャンピオンになった、という様なもの。

大凡、成功者か犯罪者のどちらかになるので、これを読んだ親御様
は、絶対こういう教育をする事はお奨めしない。

まあ、誰も真似ないと思うが。

続く