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学歴競争の脇道を行くキャリア戦略もある

大学の入試が終わって、そろそろ結果が出始めていますね。
受験生の皆さんはものすごく頑張ってこられたことと思います。
転職(新卒の就職も)でも最終学歴は採用に影響がありますが、中途採用に携わっていると最近は一昔前のように偏差値一辺倒で学歴を評価される状況から、少し変わってきたように感じます。


高学歴重視?

とは言え、採用で学歴は重視されます。ただし、評価するポイントが変化しつつあるということです。

きれいごとを書いても仕方がありませんので、先にシビアな側面を述べますと、大学名が重視される傾向は今でもあり、旧帝大・早慶以上は圧倒的に有利ですし、大手企業の採用ではMARCHや関関同立以上の学歴があれば面接を受ける機会が得られる可能性が高まります。大手や各業界上位の企業では難関大学卒でなければ書類選考を突破することが難しくなることも多く、冷たい現実はあります。

採用側の立場からすれば、厳しい競争や難しい試験を突破した人は、入社後も高度なスキルや知識を自ら学び習得出来てライバル企業との競争に勝ち抜けると、アナロジー的に推測して期待するのは自然な発想です。

また、過去に採用した人を出身大学・学部(及び出身企業)毎に入社後のパフォーマンスをトラッキングして、どの大学・学部の出身者が活躍しているか、というデータを取っている企業もあります。その結果 “たまたま” トップクラスの難関大学A大学〇〇学部と、B大学〇〇学部の出身者が最も活躍する確率が高かった、、、というデータがあって、その大学の卒業生は優先度を上げて選考するということもあります。企業も厳しい競争に勝つために優秀な人材を採ろうと必死です。

外資戦略ファーム5社の代表者の出身大学

しかし、採用の前線にいると単に大学名だけの学歴偏重からは変化してきていると感じます。以前は、就職戦線では東京大学一強でしたが、学歴を最も重視する企業(世界トップクラスのコンサルティングや投資銀行など)でも旧帝大早慶以上であれば、あとは実力次第で採用という方針が殆どです。

例えば、学歴を最も重視する外資系戦略ファーム国内トップ5社の日本代表者の出身大学は下記の通りです。

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マッキンゼー: 岩谷氏(一橋大・経済)
BCG: 共同代表・秋池氏(早稲田大・理工)、内田氏(東京大・文)
ベイン:D・マイケル氏(デューク大・経済、国際関係)
ATカーニー:関灘氏(神戸大学・経営)
ローランド・ベルガー:大橋氏(カリフォルニア大学サンディエゴ校・情報工学)
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立派な大学ばかりではありますが多様ですね。東大出身は、BCGの内田氏のみです。仕事で実力重視になれば、このように出身大学もばらけてくるのでしょう。

学歴=何ができるのか?(専門知識・スキル)へシフト

中途採用では、理系重視が鮮明になっています。おそらく新卒採用でもそうでしょう。

もちろん理系だから良いという画一的なことではなくて、募集するポジションに必要な知見を持っているかどうか、が重視されていて、IT、数理、バイオなどの専門性が求められるポジションが増えていることが背景にあります。

しかも、ゆっくりとではありますが、日本でもジョブ型雇用(的な考え方)が広がってきていますので、採用をしたいポジションに必要なスキルや知識を持っているかどうかを重視する程度が高まっているのです。
ですから、文系でも、会計(商学部、経営学部)や法律(法学部)、経済分析(経済学部)、などの知識が必要な職種では同じことが言えます。

よって、これからは大学名での学歴から大学&学部(専攻)まで含めた学歴が重視される傾向が強まることと思います。それと英語力ですね。

学歴競争の脇道を行くのもあり

以上で述べたように採用の前線では、大学名による学歴偏重主義から、学歴を通じて個人が何が出来るのかを評価されるというスタンスに変化しつつあります。

そのトレンドを踏まえて、難関大学を目指す受験競争から降りて、脇道を行くのもありだと思います。

今の時期は大学入試結果が出始めていますが、第一志望でなくても、合格した大学でヨシとして、入学後は自分が習得したい専門性と英語力を高めることに注力すれば就職の競争力は高まります。

あるいは、仮に高校卒業したけれども大学受験の勉強はさっぱり、、、というのであれば、通常の大学は捨てて、例えば、通信制の放送大学に進学して大卒の学歴を取得する&専門スキルと英語力を身につける、という道も大いにありです。

ちなみに、放送大学は国が運営している通信制大学で正規の大学です。卒業すれば学士を得ることが出来ます。しかも、教授や講師陣はかなり優秀な人々が集結しており教育レベルは高いです。おまけに、卒業までの費用が70万円程(!)でコスパは最高です。

このような道を選んで、受験浪人する人生の時間とお金をスキップするのも戦略的な判断と思います。

以上、今回は時節がらキャリア形成における学歴について書いてみました。
ちなみに、学びは高校を出て大学に入る時だけのテーマではなく、社会人の学び直しも増えてきましたね。キャリアアップを目的にするだけでなく、自由に興味あることを学ぶのは人生を充実させますね。

(2024年3月4日)
山本恵亮
1級キャリアコンサルティング技能士



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