見出し画像

買い物と多様性【八百屋から見た“食”no.1】

いつからか出てきた多様性というワード。
「多様性こそ大切」と言われてしばらく経ついっぽう、
興味の細分化(分散)と情報化社会が相まって
【共通認識(基礎知識≒一般常識)の低下】を招いている
「多様性は大切」と朧気には皆思いつつ「分断」が進んでいて、
極論の両岸から主張し合っている・相容れない状況が進んでいるように思えるのです。

日本史・戦国史・幕末に詳しい・詳しくない
海外居住・現地事情・外交に詳しい・詳しくない
医療・介護・投薬に詳しい・詳しくない
ロックやメタルの楽曲に詳しい・詳しくない
iPhone操作やアプリに詳しい・詳しくない
坂道系や韓流アイドルに詳しい・詳しくない
ワイン・日本酒・クラフトビールに詳しい・詳しくない
栄養摂取・ロカボ・ヴィーガンに詳しい・詳しくない
美容・コスメ・ボディメイクに詳しい・詳しくない
キャンプの作法やギアに詳しい・詳しくない
神社仏閣・歴史的建造物に詳しい・詳しくない
コロナウイルス・感染症対策に詳しい・詳しくない
ラーメン・スイーツに詳しい・詳しくない
旬・暦・二十四節気に詳しい・詳しくない
農法や栽培技術に詳しい・詳しくない

全方位詳しい人・興味関心が高い人、そうはいません。
また、史的事実とされる知識もあれば、当時は正しかった内容でも、現在ではアップデートが必要な知識もあります。
市中の情報量が爆増しただけ。ヒト本体の記憶量や能力が進化したわけではありません。

大切なのは
知識や見解を持つひとりひとり、私やあなたが
「私が正しい」と叫び、主張し、敵対することではなく
「知らない(知っているけど古い)」を恥ずかしく思うことでもなく
「私もあなたも正しい」とお互いを認め合うこと。
私/あなたが持つ見解に固執せず、現場で働く人達の「現在の伝達」も参考にすることではないでしょうか。

個人の見解を両者持つ以上、全ての合致はあり得ません。
時系列・地域・分野・熱量・視点。すべて異なります。
育ってきた環境が違うから、好き嫌いは否めない(©山崎まさよし)のです。

合致する部分を互いに認める。
合わない部分をいがみ合うのではなく、
合う人&知る人との広がり(notこだわり・縛り・囲い込み)を楽しむ
新たな知識・見解・技術の習得を楽しむことが、
こと小売・対面販売・普段の生活・会話において大切なマインド(心構え)だと考えています。
現在の情報を得る。判断する。好き嫌いは尊重する。

買い物のマインドひとつを取り上げましたが、ひいては
『多様性(≒個人の様々な興味/見解/嗜好)を認める』にも繋がると考えますが、いかがでしょう。

===

私は【美味しい野菜に詳しい】です。
また【ある程度の食品加工/農業農法/栽培に関する知識】を持っています。
あと【現状を伝える力・ご要望に対しベスト/ベターを提案する力】も持っています。

全ては【美味しい野菜を食べ・体験し・喜び・知ってもらう】ための仕事。

食材の基礎知識&判断材料を持つことで、買い物する皆さんがより一層、美味しく・楽しめる・充実した食生活を送れる
そのサポートをする八百屋です。2022年も精進します。

この記事が参加している募集

#自己紹介

227,825件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?