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味でつながる信頼。【八百屋からみた“食”no.11】

産直八百屋をずっと続けて思うことです。

作り手からお客さんが食べるまで。
私が仕事とする“食”は、生産者も 消費者も 売場も 飲食店も
『味』でつながっている(から成り立つ)と思っています。

作り手(生産者・食品製造/加工業者)
売り手(卸・売場・飲食店・通販)
買い手(消費者・お客さん)

各ステージ・個々が持つ“コンセプト・こだわり”は
各自で大切にしてもらって。
【食べて美味しいという共通項】で皆がつながって、意識せずともなんとなくでも相互理解があって、幸せなことに各地で20年(現在の店舗は14年)仕事を続けて来れたんだなと。

以前から私を知る人は何回も聞いた話かもしれませんが
「トマトをまるかじりできない自分が、畑で捥いだトマトを食べれた」という学生時の初期衝動そのまま、コンセプトファーストで【美味しい野菜は美味しいんだよ(←文字にすると意味不明)】と20年言い続けてしまいました。

「食べて美味しい」
つまり、単純に食欲に訴え、良い感情として記憶され、次も食べたい・いつもあると嬉しいと喜んでもらう。私の場合は、食べて美味しい野菜/くだもの/食材/原材料を揃えて売る、この1点にのみ注力して仕事をしています。

「食べて美味しい」体験が常にある八百屋は、
「美味しいと判断できる」自信をつけてもらうための場なのかもしれません。

↓以前書いたこちらも参考にどうぞ↓

反対に。
注力する1点「食べて美味しい」以外の“こだわり要素”は、私にとって優先度が低くなります。

味以外の“こだわり要素”が多ければ多いほど、それはアナタや私を縛るナニカなのかもしれません。たくさんの活字や番組や有名人の放言を信じるより、アナタ自身の「食べて美味しかった」その体験をもう少し信じてみませんか?

目前にある食材を見た時、高い安い/社会情勢/農法/オーガニック/添加物/微細な成分を気にしてケゲンな顔するより、美味しそうと手に取って、誰が作って届いて今日もちゃんと美味しく渡せたか/食べれたか/次も食べたいかを気にしたいし、買う皆さんも気にしてほしい。産直八百屋≒美味しい野菜を売る・日々美味しく食べてもらうという仕事をする上で、大切な心掛けであり、最も健康的な買い物と私は考えます。

※アレルゲンを除きます。優先してください。
※美味しさ最優先の“理屈”をお伝えできますが、理屈は美味しくないことも知っています。


「食べて美味しい」以外の“こだわり要素”は
極力『好き・嫌い / 合う・合わない』で片づけると、とても健全です。

その時々の美味しさを楽しむのもいいもんですよ。
食材選びへのプレッシャーが減ります。気分が上がるお買い物をぜひ。

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