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情報化社会の果て【八百屋から見た“食”no.16】

伝えなくても知っていたであろう食の知識(一般的な経験則や常識といわれる情報)の範疇が年々狭まっています。
知りたい情報を画面上で見て済ませてしまい、体験経験として蓄積されないのも一因と推察します。

大昔より、昔より、今の方が
【商品紹介・理由説明が必要で、会話の時間がかかる】事実。

自炊する。料理する。素材食材を買う。
都市部では「家でご飯を食べる」生活が、すでに非日常です。
家庭内調理がある生活という“前提”がずいぶん前から崩れているため、
素材の使い方や季節感(≒旬・最盛期)といった
以前なら会話上の前置きともいえる“暗黙の了解事項”(一般知識・共通認識)を、ゼロからイチから伝えなくてはならない場面がたくさんあります。

調理・素材・栽培方法等、
各分野の情報量は天文学的に全方位に増え続けているのに
コミュニケートできないor基礎から育てなければならない状況。
素材の良さ美味しさを知ってほしいだけなのに、
間に情報を噛ませないと相手の安心や信頼は得られないものなのでしょうか。

「この前の〇〇買って(食べて)美味しかった!」とニコニコして再来されるお客さん皆さんに日々救われています。素材屋冥利に尽きますね。


===
↓画面で文字や動画を見たからと言って知った気になるのは早い、いう話

↓買い物の多様化が進むほど分断も進む。じゃ、どーする?という話

↓目で見る情報に埋もれずにね、という話

↓家庭内調理が非日常化した東京で、八百屋ができることとは?


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