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ゆめゆめのゆめ

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鬱の経過ログ
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記事一覧

記録042

誰も見ていなくても書く。誰かが見つけてくれるのを待つのではなく、ただひたすらにわたしのために書く。わたしの慰め、歓び、悲しみのために書く。そういう風に書いていくと決めよう。
きょうの病院でようやく診断がおりた。わたしは不注意優勢型のADHDである。
かつては、おそらく私は「ややそういった傾向がある」だけで発達障害とまではいかなくて、認知特性も視覚がやや弱いので相対的に聴覚がやや強いというだけで特別

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記録041

2月の記録を読む。3月に結婚し、4月からぽつぽつと仕事を始めた。2ヶ月半続いた展覧会のバイトが本日終わった。暇な日も忙しい日もあったが、概ね充実していた。やはり人と関わり、人と話す仕事でないとわたしにはできないのだろう。今ここにいる、目の前の誰かのためにはたらいていたい。典型的なADHDだ。今月からジムにも行き始めた。全然まったくモチベーションが上がらず、膝も痛い。いつまで続くのかわからないけど、

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記録040

 仕事をやめて一か月が経つ。なんにもしていない。何にも。書けることがほとんどない。書こうと思うこともほとんどない。新しいゲームを買ったとか、お金が底をつきそうとか、そういう些末でなんでもないことしかない。
 母は厳しく古式ゆかしい人なので、「金の切れ目は縁の切れ目」なのだという。一言言わせてもらうと、そんなわけあるかい。金がなくなったくらいで友達は減らないし恋人と別れたりしない。そんな資本主義の権

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記録039

 読むのもしんどい、書くのもしんどい、動くのもしんどい、起きるのもしんどい、なにもかもが億劫でしんどい。まちがいなく抑うつ状態である。
 昨年12月末で仕事をやめた。ついに、ついに待ち望んでいた日々がやってきた。朝はゆっくり起きて、同居人を送り出し、家事をして、ゲームして、読書する。そういう日々を少しだけしたいと思っていた。お金がないからほんとうに少しだけ。けれど、年末ごろからずっと体調がよくない

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記録038

わたしより優れた誰か。わたしより優れた部分を持つ誰かの、その優れた部分が憎い。わたしが持たないものを持っていることがとてつもなく妬ましく羨ましい。
という下書きが残っていた。恐らく少しばかりマイナスに振れたので、それを増幅させてなにかを書こうとしていたのだと思う。
こういう気持ちすら、いまはきれいに均されて、わたしのなかにあるのは、ただひと握りの砂のようなまどろみ。いっときあらわれた黒いきも

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記録037

睡眠覚醒のリズムはどうですか、という主治医の質問に、ああ、はい、えっと、大丈夫です、とか、いつも適当に答えてしまっている。ほんとうは上手くいってない日が多い。特に入眠が難しい。最後の最後までスマホを手放せなくて、電源ボタンを押して床に伏せて置くという簡単な動作がいつまでもできない。このごろはセカンドオピニオンを擁するべきか、ずっと悩んでいる。
日中、あまりに眠いのを注意されるようになってき

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記録036

 重度の鉄欠乏です、と言われた。あまりに眠気が凄まじく、立っていてすら眠ってしまうから、職場近くの内科へかかった。本当はその病院の脳神経外科への受診のつもりだったのだが、採血の結果は、フェリチンと血清鉄の不足だった。フェリチンが貯金で、血清鉄が財布。ヘモグロビンやほかの値は帳尻合わせで正常値を出しているだけで、ほんとうは火の車みたいな状態ですよ、と言われた。
 わたし、血液まで貧乏なのか。めちゃく

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記録035

日々が、少しずつ少しずつ崩れている。寝てしまう。どうしても、なにをしても、職場でかなりの時間、寝てしまう。それが本当に嫌だ。いやでいやでたまらないのに、どうしても、立っていても、睡魔に勝つことが出来ない。情けなくてつらいから、仕事に行きたくない。それでも行かなくてはならない。それが本当に苦しい。
少し前から久しぶりに躁転している。たくさん頭が回って、ことばがばらばら出てきて、寝なくても大丈夫で

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記録034

1週間が早い。夜になると熱が出るのが、もうずっと続いている。どうせ自律神経だろうと厭な気もちになる。
きょうはひどく不思議なことに、月曜日にも関わらず憂鬱さがなかった。布団から出るのは大変に苦痛な作業だが、きょうこそ行きたくない、とあたまが悲鳴をあげることはなかった。細々とした仕事をもらっていて、暇でなくなったからだろうか。それとも週末、友人と遊び、そして芝居をみたからだろうか。そうだったらいい

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記録033

前回の記録から、もう半年が経っている。わたしは相変わらず眠るのが下手で、更にスマホ依存が著しく進んでいる。特に日曜の夜は酷い。月曜日が来るのが怖くて怖くて、ずうっと液晶の明かりに照らされている。それが癖になってしまって、眠くて布団に入るのに、布団に入った瞬間目が冴えてきてしまうようになった。まずいなと思う。
仕事も相変わらず、1月から新しく入った人よりミスを出している。それを主治医に話して、薬を

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記録032

 これはわたしが夜、眠るための。
 長期の派遣で働き始めて1年が過ぎ、もはや会う人すべてに「毎日が虚無です」とふれまわってはいろいろな意見をもらったり自分でいろいろ見てみたりして、なぜわたしはこんなにも仕事に対して(せめて人並みに)熱心になれないのかをずっと考えていた。その中間報告をする。
 原因その一、複雑すぎる手順の作業をしている。わたしは毎日、決められた手順で、決められた作業を行い、決められ

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生きてるから生きるの怖い

 仕事が怖い。私にはできないことがたくさんあり、毎日仕事で起こるさまざまなことが怖い。その上、一度心身が壊れてしまっていることがとりわけ怖い。けれど、わたしはそうやって病気を理由にしているのがもっともダサい。やりたいと思っているのだから応募すればいいのに、採用情報だけじゃみえないたくさんのやるべきタスクというものについていけなかったらどうしよう、とやる前から怖がっている。わたしは元来かなりの不安症

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記録031

 ついに、今の薬のルーチンになって初めて、早起きに失敗した。これまで毎日、目覚ましより前、あるいは目覚ましで起きられていたのに、きょうになって、ついに起こってしまった――目がさめたら始業時間をすぎていた――のだ。ただし、きょうは普段と違って早く行く日で、普段の日ならもう一度眠るくらいの時間ではあるのだが、ハッと目が覚めて、すぐにiPhoneの時計を確認して、絶望した。急いで身支度(と呼べるほどのも

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記録030

 仕事に遅刻しなくなった。つまるところ、朝、起きられるようになった。
薬を変えてから数ヶ月、ほんとうに信じられないくらいに、毎日毎日決まった時間に目が覚めて、時間通りに出発して、時間通りに職場につく。そんなことは、そんなことすら、わたしはこの26年間まったく出来なかった。朝起きるという、ただそれだけのことがほんとうに苦痛だった。
 それがどうだろう。毎日10錠の薬を飲むだけで、まるで「普通の」人間

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