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未来の芽:みらいの教室

高校授業料の実質無償化について

昨年は東京都の高校までの授業料無償化の話がニュースになりました。

これは結構なことで大学まで無償化できれば良いと思いますが、無料化の原資は税金ですよねというもっともな指摘も。

で、税金で授業料を払ってくれるならば、私立などはどう考えるかというとここぞとばかりの授業料値上げです。

授業料の無償化は大阪が先行しているわけですが、東京都と大阪では方式が違うようです。

結局のところ、すべての人に教育をという観点では経済的に無償化などの処置が必要だと思いますが、バラマキ的な政策でなくて、給付型奨学金の充実など年齢や性別などに関係なく、学びたい人が学びたいときに学べるような環境を整えることのほうが重要に思います。無償化は多くの人が恩恵を受けるのであればそれでやればいいと思いますが、ここでは生徒や学生が受ける教育の質について考えてみたいと思います。

教育の質について

無償化よりも大事なことは教育現場の質とゆとりの向上ではないかと考えています。現場が働きやすい環境になれば教育の質も向上していくのだと考えるからです。例えばこのような記事がありました。

いくら無償化されたとしても教育の質が下がってしまったら元も子もありません。教育の質を高めるには教員の質を高める必要があります。今だって教員の質は高いのかもしれませんが、業務が多くてなかなかゆとりがないところかと思います。そこでいくつかの提案を記したいと思います。

教員は授業をやらない

先生が授業をやるというのは当たり前の考えに思えるかもしれませんが、教員がまず授業をやるのをやめるとだいぶゆとりができると思います。では授業はどうするのか? これはオンデマンドで十分だと思います。自分が中高で受けていた退屈な授業を思い出してみてください。そのような授業ではなく、有名講師が行った質の高いオンデマンド講座を受けるのはどうかと言う考え方です。
これにより先生は授業の準備や授業を行う時間の負担を減らすことができます。生徒には更にメリットがあります。オンデマンド化することで例えば家で授業を事前に受けることができます。オンデマンドであれば反転授業のように自分のペースで繰り返し授業を受けることができます。また不登校の子供でも家で授業を受けることができるなどのメリットがあります。また僻地など過疎化が進んでいる地域でも同レベルの授業を受けることができます。
では教室の役割はなにか?教室はオンデマンド動画をウオッチパーティ形式受講して、その後の気づきなどのディスカッション行い学びを深める場とすると良いと思います。ここでの教員の役割はその専門性を活かした、ファシリテーションになるわけです。
まず、先生が授業を行うという概念をレベルアップする必要があるかと思います。
ではオンデマンド講座はどうすればいいのか? YoutubeやUdemyに質の良い講座は散らばっていますが、イメージとしては最高のオンデマンド講座を国を上げて作るイメージが良いかと思います。林修さんが国語の授業を作り、池上彰さんが世界史の授業を作り、でんじろうさんが理科の授業を作る。そんなイメージです。ワクワクしませんか? 
こういった講座は誰が作るかは、これは教科書を制作している会社が作り教科書とともに提供するのが良いと思います。教科書の会社は紙の教科書を作るというとところから、総合的な教材を提供するという会社に概念をレベルアップする必要があります。
その後のドリルやテストなどはテックを使うと良いと思いますが、これについては後述します。
ともあれ、授業はオンデマンドで最高のものを生徒に提供し、先生は生徒をケアし、ディスカッションや学びを深めるファシリテーターになる、教科書を作っている会社が競争してオンデマンドの動画を作るというのがポイントになります。
これにより生徒は最高の学習環境を教室・自分の家など場所や時間にとらわれずいつでも学習できるようになり、教室は学友とともに学びを深める場として機能するようになるのではなかろうかと考えています。
そして先生の授業に対する負担を減らすことで、より丁寧に生徒のケアができるようになるのではなかろうかと思います。

教員は部活をやらない

次の提案としては教員がボランティア的に行っている部活はなくすことも重要かと思います。もちろんやりたい教員の人はやっても良いと思いますが、ほぼ義務化しているようなボランティアの部活はやめて、地域に頼るのが良いと思います。
地域には探せばそれなりに活躍していた人がいるわけで、その人達にボランティアで部活を頼むということや場合によっては有償のクラブを使うということを考えます。
先生の役割は全体の部活の質が下がらないように、場所や人のマネジメント役になるのが良いかと思います。
学校単位でなく地域単位になるわけですが、少子化の今は部活の維持も大変だと思いますので、少し大きな単位で運動や文化を維持し、生徒だけでなく多くの人が参加できるような形になると良いと思います。

エクセルを使わない

象徴的な意味でエクセルを使わないと書きました。現場では先生それぞれがエクセルなどのツールを使って個人的に情報を管理しているものと思います。しかもそれを印刷して紙で管理していると思います。エクセルを使っていると仕事をしている気になりますが、もっと生徒の方を見るためにこの負担を減らす必要があるかと思います。
教育用のERPパッケージのようなものをを導入し、事務的なところはベストプラクティスに合わせるのが良いかと思います。最初はなかなか慣れないかもしれませんが、共通のプラットフォームを使うようにすることで、学校が変わったときなども対応できるようになると考えます。そしてこのような事務作業を共通のプラットフォームにすることで、事務作業を外注化することができるようになると考えます。例えばそのプラットフォームの扱いに慣れている、主婦や高齢者などに短時間働いてもらうだけで先生の負担は軽減されるものと考えます。
時間的なゆとりができれば先生はもっと生徒のケアに時間を避けるようになるのではないかと思います。

ドリルやテストはテックを活用する

授業後のドリルやテストは、テックを活用することで先生が用意していたプリントなどの負担を軽減することができます。これらの問題も教科書を提供している会社が提供すればよいかと思いますが、AIでの出題や解析を考えると別の基盤がある方が良いかもしれません。
学習データをサーバーに集約し、解析することで、個別最適な問題を各生徒に提供することができると考えています。学習データの解析には賛否が出るように思いますが、100%学生や生徒のためだけに利用することを保証するような形で活用していくと大きな成果が得られるのではないかと思います。

以上、テックを活用しながら教育の質を上げるための考えでした。


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