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読書・マンガ感想

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読書体験文やマンガの感想などをまとめます。
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記事一覧

「メダリスト」- 熱血コーチとフィギュアスケートに人生を捧げる少女の物語【漫画紹介】

今日はここ数年、私のお気に入りとなっている漫画の紹介をします。 フィギュアスケートの魅力溢れる世界を舞台に繰り広げられる、つるまいかだ先生の漫画「メダリスト」。この作品は、恵まれない環境ながらフィギュアスケートに人生を捧げることを決めた少女、いのりと、彼女の才能を見出し、コーチとして彼女と人生ふたつぶん賭けることを決めた司の物語です。 二人はフィギュアスケートの厳しい世界の中でオリンピックメダリストを目指し、互いに支え合いながら成長していきます。 この漫画の最大の魅力は

一家に一冊、もっと早くこんな本が欲しかった【メンタルマネジメント大全】

「メンタルマネジメント大全」は、私がメンバーシップマガジン「それでもきっと、だいじょうぶ」を書くときに参考書籍としている本の一冊だ。 マガジン自体は、人生を少しだけ良くできるような人生のヒントを、主に心理学やメンタルケアの観点から紹介している。 このマガジンの執筆に当たり、心理学やメンタルケアの本などを買い漁って参考にしているが、これは中でも良書だと思うので今回紹介することにした。 この本は、人生で一度でもストレスや不安、憂鬱に悩んだことがある人へ押しなべてオススメでき

【読書感想】魂の自由と引き換えにして得る永遠の孤独「アディ・ラルーの誰も知らない人生」

若い姿のまま、永遠に生きられるなら素敵だと思ったことはあるだろうか。 もしちょっとでもそう望んだことがあるのなら、「アディ・ラルーの誰も知らない人生」とお勧めしたい。 1691年にフランスで生まれたアディ・ラルーは望まぬ婚姻から逃れるため、神とも悪魔ともつかない存在に「自由になりたい」と願った。その願いは聞き届けられたが、思いもよらない形で叶ってしまう。 彼女は、 ・23歳の肉体のまま不老 ・不死だが苦痛は感じる ・会話はできるが、誰の記憶にも残らない ・自分のもの物

祝!「来世は他人がいい」アニメ化

小西明日翔先生がアフタヌーンで連載中の漫画「来世は他人がいい」という漫画がアニメ化されるそうだ。めでたい。 あらすじ この漫画はいわゆる「極道もの」と呼ばれるジャンルである。とかく不良とかマフィアとかヤクザとか危険な魅力を持っている男性を好む女性層は一定層いるもので、そういったニーズに対応する漫画であると言えなくもない。 何を隠そう、私はこの漫画を1巻からずっと、続巻が出るたびに買い続けている。なぜか。 キャラクターが魅力的だからである。 この漫画は頭のおかしいヤツ

ハロウィンに読みたい!🎃 おすすめの絵本

福岡フェス中ですが、今日はお休みしてハロウィンに関する記事です。 前書き  私はあまり紙の本を買わないし、買っても読み終わったら売っている。  理由はひとつ。コスパである。  私は昔、書痴で、部屋中に天井までとどくような本棚を置いた書斎を作りたかった。実際問題、一人暮らしを始めてからは本棚がいくつも置いてあって、賃貸の床が抜けるのではないかと危ぶむほどだったが、「床など抜けてなんぼ」とよく分からないことを考えていた。  でもある日、引っ越しをしようとしたら、本を詰め

【読書体験】3回泣いた瞑想サクセスストーリー|スタンフォードの脳外科医が教わった人生の扉を開く最強のマジック

※ネタばれへの配慮はありません。気にする方はご注意ください※ ※読書体験と銘打ってる通り、感想です。本の紹介は最低限しかしません※  ちょっと瞑想に興味が湧いている今日この頃である。  それで何気なくサンプルを読み始めたその本は、脳神経外科医である著者が、4歳の少年の脳外科手術に挑むシーンから始まる。  非常に難しい手術である。少年の母親が、家族が、手術の成功を祈って待っている。  読んでいくうち、なんとなく母親の気分に同調する。  彼を始めて腕に抱いた日、80億人も

【読書体験】そうだ、インドに行こう|汝、星のごとく

※はっきりしたネタバレはありませんが、ネタバレへの配慮はありません。気にする方はご注意ください※ ※読書体験と銘打ってる通り、感想です。本の紹介は最低限しかしません※ 「汝、星のごとく」凪良ゆう  タイトルと著者名の組み合わせから漂ってくる、文章センスの高さが際立っている。いつまでも口の中でつぶやいていたいようなタイトルだ。  あらすじを読んで、あまり自分には合わなさそうだと思い、いったんは買うのを避けた本である。よくある物語で、私には心に引っかかるものが何もない。

【読書体験】『言語沼』という物語

 「ゆる言語学ラジオ」というYouTubeチャンネル、ないしPodCast番組をご存知だろうか。  インターネット芸人を自称する衒学者の堀元さんと、堀元さんのファンだった言語オタクの水野さんという男性二人が、言語学についてゆるく楽しく軽妙なトークを繰り広げるチャンネルである。  私はとにかく知識を得るのが好きな方なので、およそ1年以上にわたり、YouTubeでこのチャンネルをウォッチしている。  もしこの説明を聞いて興味が湧いたら、以下の動画が初心者向けなはず、なので見

【読書体験】癖は強いが面白い。|死なばもろとも(著:ガーシー)

 私は芸能界のゴシップにあまり興味が無いので、東谷義和さん、いわゆる「ガーシー」さんが配信した動画を見たことがない。正直言って、ほとんど何も知らないと言っていい。  しかし、アテンド、アテンダーという言葉を聞くと、少しドキッとする。  昔、インフラエンジニアとしてデータセンターに誰か伴って入館することを「アテンドする」と呼称していたからだ。私の人生で、アテンドという言葉を他のシーンで使ったことは無い。  そもそも英単語の「attend」は以下のような意味だ。  本来的

【読書体験】大好きなイチオシファンタジー|ドラゴンの塔

 好きすぎて自分に刺さりまくっている本に関して話すのは難しい。  あまりにも前のめりに読みふけってしまうと、今まで書いてきた読書感想のように、一歩引いた目線で書くことができない。  私は、主体性を持って生きていく気の強い女性主人公が好きだ。  私は、気難しいけど、どこか憎めない不器用な男性キャラクターが好きだ。  私は、濃密に幻想世界を想起させるハイファンタジーが好きだ。  そんな彼らの恋愛・冒険活劇がこれでもかと詰め込まれているのがこの本、『ドラゴンの塔』である。