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結婚してみてもいいかもしれない

最近、「結婚」に関して考え方が変わってきた。

従来の私の結婚への考えは、以下2つの過去のnoteのタイトルからもわかるように、「人生の墓場」、「不幸せ」、「しないと周囲からのプレッシャーがある厄介なもの」といったネガティブなものばかりだった。

どちらのnoteも、「結婚願望がない」と結論付けており、2年前に元彼と付き合っている際に書いた方については、「結婚を求められたら、別れるしかない」とまで書いている。

「結婚願望がない」と主張する私に、友人たちは皆口を揃えて「彼氏ができたら考え方が変わる」と言った。

結論から言うと私の考えが変わることはなかった。少なくとも今のところは。

彼の名誉のためにもはっきりさせておきたいのだが、私は”彼と”結婚する気がないのではない。”誰とも”結婚する気がないのである。

「結婚なんかクソくらえ」より抜粋

私は、機能不全家族で育った経験から、結婚というものを悲観して、人生を狂わせる「最悪な条件」であると嫌悪すらしていた。

だから、誰と付き合ってもこの信念は揺らがず、自分は結婚とは無縁の人生を歩んでいくのだろうと確信していた。




2歳年下の今の彼氏が「結婚しよ!」と言うようになったのはいつからだろうか。

初めは私から好きになって、「断る理由がないから」とYESに満たないような返事で始まった交際だった。

遠距離だったはずが、彼氏の強い希望で一緒に住むようになって、気づけばあと数ヶ月で交際は3年目に突入する。

言葉での愛情表現はお互いの間で当たり前になって、我ながら本当に良い関係が築けていると思う。


いつからか、彼氏に「結婚しよ!」「結婚しようね」と言われることが、これまた当たり前のことになっていた。

とはいえ、2歳年下の大学生の言う「結婚しよう」なんて、愛情表現の一環にすぎず、本当に結婚を考えているはずがないと思っていた。
というか、思いたかった。

しかし、悲しいことに、彼氏は想像以上に本気だった。
彼氏の話す将来設計には、いつも私の姿があった。


「困った」と思った。
彼氏が結婚を本気で望むなら望むほど、彼と別れなければいけないと強く思った。

しかし、「トル粉とだから結婚したいんだよ」と彼に言われた時、ハッとした。

これまでの私の結婚観の前提として、「私の代わりはいくらでもいる」という考え方が根底にあった。

だからこそ、「結婚したい人」からは離れなくてはいけないと思った。
「結婚相手」を探すためにも、邪魔者は消えないといけないと思った。

しかし、元々同じように結婚に興味がなかったのにも関わらず、「”私だから”結婚したい」と言ってくれる人が現れたら……?


この、想定外の出来事をきっかけに、私は再度自分の「結婚願望」について考えることになった。

彼氏は、私が結婚したくない理由を聞き出して、その都度それに反駁してきた。

「名字を変えるのが面倒」
「こだわりないし、俺が変えたってかまわない」
「離婚したくない」
「付き合ってても常に別れるリスクはあるから同じこと」
「借金を肩代わりしたくない」
「トル粉のお父さんみたいに、パチンコで借金作るタイプに見える?」
「仕事の邪魔になるかも」
「海外転勤だろうとなんだろうと、仕事辞めてついてくよ。養って❤️」

彼がこんなに私に合わせると言ってくれるのに、
自分の人生に私が必要だと言ってくれるのに、
私はまだ、過去のことをひきずって、うじうじ弱音ばかり吐いている。

そして、私も心のどこかでは、「彼氏といた方が上手くいく気がする」と思っていたのだ。
でも、その関係、その状態に名前をつけたくなくて、「彼氏が好きだ」ということの一部ということにしていた。


決定的な変化が起きたのは、留学を開始した直後だった。

美味しいものを食べても、楽しいことがあっても、
彼氏にも食べさせたかった、彼氏にもこの景色を見せたかった、彼氏がここにいたら、きっと、もっと楽しかったのに、と思っていた。

空港でギリギリまで見送ってくれた彼が、涙でぐちゃぐちゃの顔で、「寂しいけど、応援してる」と言ってくれた時。
泣いてるくせに、無理に笑って手を振ってくれた時。
利害関係を超えたその純粋な思いやりに、心を打たれた。

彼氏が無事に院試に合格し、東京行きが決まった時。
「トル粉がいてくれたおかげ」と電話越しに彼氏が泣き出した時。
彼氏が、私がそばにいることに「楽しい」以上の価値を見出してくれていることを知った。


こうして、私の「結婚を求められたら別れる」という信念は揺らぐことになった。

「結婚したい」とまではいかない。
けど、別れたくない。
彼氏の存在があまりに大きくなっていて、失うのが惜しすぎる。

そもそも、これだけ私のことを思ってくれる人を、失ってしまっていいのだろうか?
私の「結婚したくない理由」はそれに値するものなのだろうか?

ぐるぐると考えて、とてもシンプルな結論に辿り着いた。
そうだ、私は彼氏と付き合った時に「この人を楽しませたい、幸せにしたい」と思ったのだった。
それなら、私は彼の希望を叶えるべきであると思った。

滅多にワガママを言わない彼氏が、「結婚したい」と言って、一歩も譲らない。
それが彼の人生に必要だと言っている。
私と一緒にいるのが楽しくて幸せだから、と言ってくれる。

なんでも自分で決断してきた私には珍しい、「他人軸」での決断に違和感がすごいけれど、彼が「結婚したい」と言い続けてくれるなら、私はこの人と本当に結婚するのかもしれない。

「私だから」結婚したいと言ってくれる人を見つけてしまった。

この人となら、結婚してみてもいいかもしれないと思っている。


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