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月またぎレビュー2016「2月→3月」

ようやく今月分です。
ここでは「月またぎ」がテーマなので外してますが、2月はTPAM、恵比寿映像祭、メディア芸術祭、マイノリティ・アート・ポリティクス、カオス*ラウンジ新芸術校成果展、芸術公社のレクチャーパフォーマンスシリーズなどいろいろ重要な催しがありました。
そしてこの3月、20日から始まる瀬戸内国際芸術祭の開幕を皮切りに、芸術祭シーズンに入って行きます。瀬戸内はもう前売り券購入したのでいずれ行きますが、少し遠出だと、水戸芸術館の田中功起展やヴァンジ彫刻美術館のキギ展なんかに近々行こうかと思っています。

【アート】
第19回 岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)展 @川崎市岡本太郎美術館
すごいの、おもしろいの、ちょっとダメなの、よくわかんないの、といろいろあって、いつもながらにカオスな空間でした。賞はもう決まっているけど、来場者投票もあり。ぼくはランドアート的な作品の二藤建人さんに一票入れてきました。4/10(日)まで。

田幡浩一「one way or another」 @ギャラリー小柳
キャンバスや紙といった支持体と、そこに描かれたもの、それぞれに仕掛けられた「ズレ」が二重化し、鑑賞行為を延々とループさせるような体験でした。「完成」とは別のベクトルに作品が導かれているようです。3/26(土)まで。

【映画】
同級生

BL漫画のバイブル的作品の映画化。ぼくは原作も読んでいないにわかですが、なるほどよかった。上質なBLはヘテロな恋愛規範の反復ではなく、感情や関係を代えがきかないものとして描いているということが理解できた気がします。実際の同性愛とも多分違っていて、やっぱりそこはファンタジーなんだなという感じも。ある意味セカイ系かなとも思いました。そして上映後の余韻に浸る女子たちの中、ぼくみたいなもんが目に入ってごめんなさい、、、って恐縮しきり。

【テレビ】
だがしかし
駄菓子屋を舞台とする荒唐無稽な駄菓子漫画のアニメ化です。内容というより(まあおもしろいですが)、OPとEDがとてもよいです。

OP曲はファンキーなイントロ〜Aメロ〜Bメロときて、端々にキャッチーなメロディーを散りばめつつ、サビで一気にアニソンっぽくなるという中毒性の高い曲。

ED曲は主演声優を務める竹達彩奈さんによるタイアップ曲。サンバっぽい(んですかね?)ドラムがグイグイと曲調をひっぱるのが爽快です。アニメのEDは不思議の国のアリスをモチーフにしていて、それはそれでかわいい。

で、なんとこの曲のカップリング、シンバルズの沖井さんが作ってました。もうシンバルズすぎて泣けます。。。


【本】
『現代思想 2016年3月臨時増刊号 総特集◎人類学のゆくえ』
人類学ってどうなってるの?と思い読んでいます。専門的なことも多いですが、「精霊の守り人」の上橋菜穂子さんと中沢新一さんの討議、春日直樹さんと檜垣立哉さんとの討議「新たな〈現実〉を描く」、それから石倉敏明さんによる関係図付きの「今日の人類学地図」など、見取り図になるような企画も。

『決してマネしないでください』 蛇蔵
重力波の発見という大ニュースで盛りあがる中、八谷和彦さんのツイッターで紹介されていて読みはじめました。科学ネタはもちろんですが、科学者の評伝の要素もあったりしておもしろく読んでいます。最近最終巻(第3巻)が発売されました。

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