マガジンのカバー画像

名探偵ポアロシリーズ読書記録

100
名探偵ポアロシリーズの読書記録と、編み物作品の記録です❄️
運営しているクリエイター

記事一覧

2021.3月30日 秘密ノートより・2『犬のボール』 & 猫の毛糸玉🐶🐱🥎🧶

2021.3月30日 秘密ノートより・2『犬のボール』 & 猫の毛糸玉🐶🐱🥎🧶

名探偵ポアロシリーズ読書記録 今回は『アガサ・クリスティーの秘密ノート』に収録されている短編『犬のボール』について、記します。

こちらの『アガサ・クリスティーの秘密ノート』は、アガサ・クリスティー氏&ジョン・カラン氏お2人の著作となっていまして。
熱心なクリスティー作品の愛読者であるジョン・カラン氏が
クリスティー氏のノートに記された手書きのメモから、次々と浮かび上った事実をまとめ、その創作過程

もっとみる
2021.3月26日 秘密ノートより 1・『ケルベロスの捕獲(『ヘラクレスの冒険』第一二の事件) & 五まいの花びらモチーフ🌸

2021.3月26日 秘密ノートより 1・『ケルベロスの捕獲(『ヘラクレスの冒険』第一二の事件) & 五まいの花びらモチーフ🌸

名探偵ポワロシリーズ読書記録 
これまでとは、ちょっと異なり
アガサ・クリスティー氏&ジョン・カラン氏名義の著書『アガサ・クリスティーの秘密ノート』に収録されている、幻の名作といわれている作品の読書記録を記していきます。

この著書は、クリスティ氏のノートに記された手書きのメモから、氏の創作過程を解明する研究書であり
クリスティ作品の熱心な愛好家であるジョン・カラン氏がまとめたもの。
勿論、クリス

もっとみる
2021.3月22日 中編・1『ポアロとグリーンショアの阿房宮』 & 付け襟付き大きめキューピーちゃん

2021.3月22日 中編・1『ポアロとグリーンショアの阿房宮』 & 付け襟付き大きめキューピーちゃん

名探偵ポワロシリーズ読書記録 中編・1 『ポアロとグリーンショアの阿房宮』を記します。

この中編が刊行されたのは、クリスティ氏の死後40年近く経った2014年のことです。わりと、最近ですよね。
1954年に教会のチャリティーの為に執筆された作品でしたが、諸事情により未発表となっていたそうなのです。

この中編小説を元に、それを膨らませ長編小説にした作品が『死者のあやまち』です。
私の読書記録でも

もっとみる
2021.3月19日 名探偵ポアロ 戯曲・1『ブラック・コーヒー』 & ブラック・コースター

2021.3月19日 名探偵ポアロ 戯曲・1『ブラック・コーヒー』 & ブラック・コースター

久々の、名探偵ポアロシリーズ読書記録です。
戯曲『ブラック・コーヒー』
以前に、この戯曲の小説版についての読書記録を投稿しました。(読書記録 長編・29)

クリスティ氏は、舞台演劇がお好きだったそうで、戯曲も多数手がけておられますね。
小説家としても劇作家としても、高く評価されていて、その作品が長きにわたり愛されているって、凄いことですよね!

【科学者クロード・エイモリー卿邸の金庫から極秘書類

もっとみる
2021.3月5日 短編・53『二十四羽の黒つぐみ』 & 鳥さんボタンの黒ゴム🕊

2021.3月5日 短編・53『二十四羽の黒つぐみ』 & 鳥さんボタンの黒ゴム🕊

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編の53作目は、『二十四羽の黒つぐみ』をご紹介します。
早川クリスティー文庫〈短篇集〉の中に収録されているポアロもの短編作品としては、これがラストとなります!
『クリスマス・プディングの冒険』収録作品です。

実は『アガサ・クリスティーの秘密ノート(上・下)』という本の中に、幻の作品と呼ばれている短編が2作ほど収録されていて、厳密にはまだ短編小説が残っています。

もっとみる
2021.3月2日 短編・52『負け犬』 & 負けてない垂れ耳うさぎ籠🧺🐰

2021.3月2日 短編・52『負け犬』 & 負けてない垂れ耳うさぎ籠🧺🐰

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編・52は『負け犬』です。
短篇集『クリスマス・プディングの冒険』に収録されています。

短いが故に、逆にインパクトがある題名ですよね。

刺激的な印象のタイトルですが
勿論、動物の犬が出てくるわけではなくて。
【負け犬】というのは、比喩的な表現ですね。



作中に、興味深い台詞があるのでご紹介します。

《「…(前略) みなさん、わたしはいささか心理学を学んだ

もっとみる
2021.2月27日 短編・51『砂にかかれた三角形』 & 三角形レース編み

2021.2月27日 短編・51『砂にかかれた三角形』 & 三角形レース編み

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編・51は『砂にかかれた三角形』△。
短篇集『死人の鏡』収録作品です。

原題は『Triangle at Rhodes』。エーゲ海南部に位置する、ロードス島が舞台となっていますね。

登場人物のなかに、シャネルのモデルになったこともある華やかな美女の、ヴァレンタイン・チャントリーという39歳の人物がいます。
その恋愛遍歴が凄い!

《「夫は五人持ったし、数えきれない

もっとみる
2021.2月21日 短編・48『厩舎街の殺人』 & 方眼編みのドイリー

2021.2月21日 短編・48『厩舎街の殺人』 & 方眼編みのドイリー

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編・48は『厩舎街の殺人』です。
短篇集『死人の鏡』収録作品です。

短篇集に収録されているのですから、短編小説という括りに入る訳ですが。そこそこのボリュームがある作品なので、中編小説といっても過言ではないかと思われます。

内容も凝ったもので、「あっさり終わっちゃったわ」という感じのミステリではありませんね。
読み応えのあるミステリ小説を求めている読者の方に、お薦

もっとみる
2021.2月25日 短編・50『死人の鏡』 & 鏡(コンパクト)の入れ物

2021.2月25日 短編・50『死人の鏡』 & 鏡(コンパクト)の入れ物

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編・50作目は『死人の鏡』です。
短篇集『死人の鏡』表題作となっている作品ですね。

この作品も、元になっている短編『二度目のゴング』を膨らませたお話で、短編というより中編小説と呼ぶほうがふさわしいくらいのボリュームある作品となっています。

英国ドラマ版では『二度目のゴング』は作られず、『死人の鏡』のみ制作となったようですね。

この2作には、銅鑼・鏡といったアイ

もっとみる
2021.2月23日 短編・49『謎の盗難事件』 & ニット設計図(デザイン図)と作品

2021.2月23日 短編・49『謎の盗難事件』 & ニット設計図(デザイン図)と作品

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編・49は『謎の盗難事件』です。
短篇集『死人の鏡』収録作品。

実は。以前に紹介した短編『潜水艦の設計図』という作品と、この『謎の盗難事件』はよく似ていて、ほぼ同じ展開のストーリーとなっています。

ですので、デビッド・スーシェ氏主演の英国ドラマ版では🇬🇧📺
こちらの『謎の盗難事件』だけをドラマ化されたようです。

『謎の盗難事件』では、潜水艦ではなく新型爆

もっとみる
2021.2月22日 読書記録・番外編♪ 《名探偵ポアロ》もどきのお料理たち

2021.2月22日 読書記録・番外編♪ 《名探偵ポアロ》もどきのお料理たち

本日は、いつもの読書記録はちょっとお休みして。
昨日の投稿で紹介した『厩舎街の殺人』のラストで、ポアロ氏が食そうとなさっていたメニューの再現に挑戦!企画です。😋



《「あんたにしちゃあ上出来だよ!ほんとに、大したもんだ!(ユー・テイク・ザ・ケイク!) さ、飯でも食いに行こうか?」

「いいとも。しかし、ケーキはごめんだぜ。まず、マッシュルームのオムレツ、仔牛肉のホワイトシチューにグリーンピ

もっとみる
2021.2月18日 短編・47『スペイン櫃の秘密』 & 籠のふた

2021.2月18日 短編・47『スペイン櫃の秘密』 & 籠のふた

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編・47は『スペイン櫃の秘密』です。
こちらも、短篇集『クリスマス・プディングの冒険』収録作品。

(あれ?前に似たような題名の作品があったような…)と、思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そうなのです。よく似たタイトルの『バグダッドの大櫃の謎』という作品が短篇集『黄色いアイリス』に収録されており、私の読書記録でも短編・21の回でご紹介しました。

似て

もっとみる
2021.2月17日 短編・46『クリスマス・プディングの冒険』 & 季節はずれのクリスマスリース🎅🎄

2021.2月17日 短編・46『クリスマス・プディングの冒険』 & 季節はずれのクリスマスリース🎅🎄

名探偵ポアロシリーズ読書記録 短編・46は『クリスマスプディングの冒険』です🎄
ハヤカワクリスティー文庫短篇集『クリスマス・プディングの冒険』収録。

表題作になっているところからしても、人気作であり、作者ご自身も気に入っていた作品なのだろうと推測できますね🎄
季節はずれになってしまいましたが、ギリギリ冬にふさわしい物語ということで☃️ ご容赦くださいませ

15歳前後の子ども達が、登場人物と

もっとみる
2021.2月11日 短編・45『スズメ蜂の巣』🐝 & 甘く乙女なティシュケース💝

2021.2月11日 短編・45『スズメ蜂の巣』🐝 & 甘く乙女なティシュケース💝

名探偵ポアロシリーズ読書記録、短編・45は『スズメ蜂の巣』です🐝
短篇集『教会で死んだ男』収録作品です。

この件を、犯罪事件と読んで良いのかどうか…
正直、分からないですけれど。

ポアロ氏は、警察官を退職し、私立探偵として活躍なさっているので。
事件未満、という問題の解決に関わることも、ありなのでしょうね。

と、いうか。
むしろ、毎日多数起きてしまう事件の一部が、この『スズメ蜂の巣』のよう

もっとみる